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地元で作れるエネルギーを考えていこう

バイオガス発電をしている牧場を畜産組合の方々に同行して見学させてもらいました。豊橋市にある〈ファームリッチ近藤〉さんは、4年前に小規模プラントを建設されました(総事業費1億7500万円)。

畜産を営む生産者はみなさん畜糞(ちくふん)に悩んでいます。例えば牛一頭の1日の糞尿の量は60キロほど。近藤さんのところには200頭以上いるので、毎日少なくとも12トンの糞尿がでます。だいたいお風呂50杯分です。

この多くは堆肥化されています。方式は色々あり、1つには糞と尿を分けるために凝集剤を使って、固形分をおが粉と混ぜて乾燥させて堆肥にします。尿は処理され浄化槽を通して排水します。

毎日膨大な量となるので、農業者が堆肥で使い切れなくて引きうけ手がいなければ、牛舎は糞で溢れかえってしまいます。牧場主は糞に埋まってうなされる夢を見るそうです。

そんな状況で、こういうプラントを設けることによって、億円単位の大きな借金を抱えることになりますが、安眠できるようになったと牧場主は言います。

投資の回収期間は15年程度とのことです。糞をプールに入れて、そこで発酵させるとメタンガスができます。そのメタンガスで発電機を回して、売電します。固定買い取り価格で、太陽光で発電したよりも2倍程度の価格で売ることができます。近藤さんのところでは毎日5万円弱の売電収入があり、年間で1800万円ほどです。

糞をエネルギーに変える技術は他にもあります。同行した一色町で養豚を営む山本さんは糞をペレットにして、それを1袋(500kg)単位で肥料として販売しています。ペレット化されていると、農家さんも散布がしやすいです。

このペレットはストーブの燃料にもなると思うので、温室の暖房にも使えるはずです。西尾市でも糞を地元エネルギーに変えていく取り組みが進めば、外国産エネルギーを買わずに、地域にお金が残って高い経済効果もあると思います。

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