手ぶらで人前に出ても失敗する

日本プレゼンテーション協会が編集している『プレゼンテーションの技術 基本ルール集』を読みました。都市経営プロフェッショナルスクールに入って最も痛感したのは、「自分がやりたいことを分かりやすく伝えることが本当に難しい」ということでした。

地元で、地元にいる人に対して自分が話す時、聴く側の人は背景についてある程度のことを推測してくれます。僕がどんな立場で、何が地元の課題になっているのか、そこを端折って話すことに慣れすぎていました。

そこで僕が今後、より魅力的な事業や、新しい企画を立ち上げていくためには、プレゼン技術の向上は特に必要だと考えています。

今回読んだ『プレゼンテーションの技術 基本ルール集』ではタイトルの通り、基本的な知識を学ぶことができました。「なんとなく疑問に思っていたけど、改善するほど重要視してこなかった」ことが効果と合わせて説明されていて、すぐに実践につなげていけそうです。

◯ワンセンテンス・ワンパーソンの法則
◯断定的に言い切ること
◯話す題材を箇条書きにして、メモを持って話すこと

の3つは、自分でこれまでできていなかったことです。

◯ワンセンテンス・ワンパーソンの法則
僕はこれまで「グループ全体に向けて話そう」と考えてきましたが、基本ルールとしては「ターゲットを定めて1対1で視線を送り話すこと」としています。自分の話に説得力を持たせようと思ったら、その人の目を見て話すことが大事だと言います。僕は話す時に、内容を考えながら下を向いたり天井を向いたりしていたので、それが話す力を削いでしまう原因になっていたようです。具体的には、最初に最後尾の人を選んで話すことで声量が決まります。そこから、左右ジグザグに手前に移っていくことで満遍なく聴衆にアイコンタクトを送ることができます。1人に対して5秒間が目安とのことで、それがワンセンテンスほどで大体区切ることができます。それよりも長いセンテンスは話が分かりづらくなっていくので、「短く区切って話す」という意味でも目安になります。そしてプレゼン協会いわく、グループに対する話し方と、1人に対する話し方を変えた方が良いと思っていましたが、話し方は変えない方がいいそうです。自然体で話すことが、何より伝わりやすいということでした。

◯断定的に言い切ること

これは僕が苦手とすることで、意識的にも避けてきました。断定的に言うことで、足元を掬われると思っています。どんな意見も別の観点があるので「両方の立場を尊重して」と考えると断定できなくなります。それから、僕は長くサービス業を続けてきましたが、お客さんとの会話でどっちかの立場に立って議論をすることにはあまり利益がないと考えて、中立の立場をとることに慣れてきました。そしてまた、市議会議員となって発言をする際にも、「本当に主張したいこと」以外はどちらかの立場に立つことで反発をうけることを避けるようにもしています。「敵のいない男は男じゃねえ」と『TOKYO VICE』のヤクザも言っていますけど、敵のいない政治家は政治をしていないと思うので、自分のポジションを明確にするためにも自分のポジションを明確にするように努めて行きたいと思います。

◯話す題材を箇条書きにして、メモを持って話すこと

話しているうちに迷子になることがよくあります。また、頭の中で構成を考えて話しはじめて、順番を間違えて、その後が続かなくなり頭が真っ白になるということは何度も経験があります。話すことが下手な自分にうんざりすることが多くありますが、メモをポケットに入れておくだけで心も落ち着きそうです。そもそも、話す題材が飛んでしまうことは、練習不足ということも原因の1つにはなりますけれど、論理的なつながりを保ち、シンプルに話すということを、箇条書きしておくことによって備えることはお手軽にできます。「プレゼン資料を見ながら話せば問題ない」というふうに考えてもいましたが、「ただプレゼン資料を読んでいるだけ」にもなることがあります。伝えたいことを短く整理立てるためにも、箇条書きしたメモを作成しておくことは、プレゼンの完成度を高めるために必要だということを理解しました。

これらにより、僕のプレゼンスキルは劇的に変わるだろう、と読了後思っています。プレゼン協会は、とにかく「実践回数を重ねること以上に上達の道はない」とのことなのでチャンスがあるかぎり人の前に立って自分の考えを発言する機会を重ねていくつもりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?