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【2023 WS8】

【2023 WS8 (2024/1/21) 】

テーマ:イノベーションの作法の実践
場所:i.schoolスタジオ
ファシリテーター:濱口秀司氏(monogoto CEO)
日時:2024年1月21日(日)10:00-17:00、事前勉強会1月20日(土)13:00-17:00
概要:i.schoolの法人枠企業である三菱重工業株式会社様の具体的なテーマを取り上げました。

i.school第8回レギュラー・ワークショップは、松下電工(現パナソニック)、米国デザインコンサルティング会社Zibaへの参画、パナソニック電工、米国ベンチャー企業COO等を歴任された濱口秀司さんがファシリテーターの実践型ワークショップとなりました。

今までのワークショップとは異なり、企業の具体的なテーマを取り上げ、実際のコンサルティングビジネスにおける導入部分を垣間見ることができました。

本ワークショップの学びについて、以下振り返ります。
構成としては、午前に講師イントロ、午後に具体的な企業テーマに沿ったロールプレイングをおこない、その後、質疑応答という進行でした。

講師イントロパートで印象に残った内容としては次の通りです。
・ベンチャー企業の場合は、その事業に一点集中する傾向にあるが、コンサルティングの場合、多数の事業に関わることができる。
・クライアント自身が最もその事業に詳しいという前提に立ち、ヒアリングを通じてポイントを深掘りして解像度を上げていく。
・イノベーション創出には、現プロダクトのコスト構造を理解する必要がある点についてペットボトル飲料水を例に紹介されていた。
・二次情報であるネットサーフィンを実施する場合、「何を」「なぜ」を常に意識する。
・今後の日本の輸出産業の中核は、エンタメ系であり特に漫画・アニメーションが台頭する予想。
・ニューヨークでの漫画を取り入れた企画では連日200mの行列になるヒットを収めた。人が滞留する仕組みをブース内に設けたり、人が入りたくなる仕掛けしたり工夫を施した。

このように、イントロ段階で既に濃密なイノベーション作法について学ぶことができました。


講義をする濱口さん

次に、午後パートで印象に残った内容としては次の通りです。
なお、議論中の事業に関する内容はNDAの観点から割愛し、コンサル要素を中心にレポートします。
・クライアントの言いたい事は全部聞く。時間管理と質管理を意識する。
・現状ある推しアイデアと没アイデアを把握する。
・キックオフミーティングなど最初が重要である。その辺りに顧客の悩みの本質が潜んでいることが多い。

【課題分類の3ポイント】
1.バリューメジャー:価値評価基準・・・まずは成功するゴールを定める、PLで評価可能などの定量的評価が可能だとベター
2.意思決定項目(ポリシー、ストラテジー、タクティクス)・・・自分たちが決めたら実現できる事柄の項目整理を行う
例)ロケットを何本飛ばすのか、どこから飛ばすのか、いつ飛ばすのか等
3.不確実性
例)市場成立性、法律や特許による制約条件、コストペイメント、将来展望の可視化
・アイデアの本質は何か、現状との差異、意図は何か、その背景にある不確実性を具現化する。
・BtoB、BtoG、BtoCにおける本質的な違いはない。NPO系はバリューメジャーが複雑になりがち。
・ビジュアルとしてアウトプットするトレーニング手法:日常のニュースなどを見て、文書に書いてある事を頼りにメモ構造化する。

このようにイノベーション創出のみならず事業企画する上での基礎として、どのように顧客と対応すべきか、事前に何を準備して、ミーティング中にはどういったストーリー展開をすべきか、ポイントは何かについて学ぶことができました。

自分でも活用してみたいスキルが多くあり、有意義なワークショップでした。

2023年度 i.school通年生
東京大学大学院工学研究科修士2年
周澤宇

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