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Billboard Top100を振り返る    1980 20th Styx 'Babe'

1980年の年間チャートを見てきて、だんだんと大詰めに近づいてきました。20位がStyx のBabeです。70年代に、Come Sail Awayのスマッシュヒットがあるものの、チャートで1位を取るのは、この曲が最初のようですね。

日本でも有名な彼らですが、もとはプログレ寄りの長い曲が多かった、アルバムオリエンテッドのバンドだったのですが、メンバーチェンジを重ねながら、曲が短くなっていき、チャートに曲を送れるバンドになっていくんです。こうした変化をロックの産業化と呼ぶんでしょうかね。

どうもチャートで活躍しだすと、昔の姿を忘れたとか、ファンを裏切ったとか、そういった評判が立ったりしたものですよね。

だけどねえ、1980のチャートに出てきたGenesisとか、この先に出てくるPink Floydとかね、70年代のプログレ選手たちもチャートに出てくるようになるんですよ。まあ、Pink Floydの場合は路線変更せずにヒットを飛ばした点、すごい存在ですが、他のプログレバンドたちが、ポップ化していく現象が出てきたのも、このころからじゃないでしょうか。

1970年代のDisco、New Waveの台頭で70年代前半に一時代を築いたバンドたちが、一気に窮地に立たされちゃったという状況がちょうど、70年代後半から1980年ごろですね。こうした状況を挽回するのに、ポップ化するというのは、十分ありだと思うんです。

まあ、バラードのこの曲も、やはり根っこにあるのはカントリーじゃないでしょうね。詞の内容なども含めてもそんな感じがします。元々とんがって、音楽の新しい方向を探してきたロックバンドたちが、ここで一度止まって、自分たちが昔聴いてきた曲を見直そうとした一つの表れかもしれません。

思うにアメリカのプログレ系のバンドってKansasやBoston、Styxにしても長尺でも、短めでもいい曲があります。ポップな曲でもそれぞれのバンドとも、彼ららしさを感じますよね。この辺、器用にこなす彼らの才能を楽しむべきだと思いますよ。

さて、Styxさんはその後、かの有名なミスターロボットをリリースしますが、Tommy Shawさんと、Denis De Youngさんが仲違いして、Tommyさんが脱退。Damn Yankeesでこの明るいロック路線を突っ走りますが、これも長続きせず、Styxに戻ります。でもまた仲が悪くなって、分裂、訴訟とかで内紛状態が続いたようです。今ではTommyさん中心にStyxが存続しているものの、なんだかなあ、って感じしますね。

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