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肝斑の薬(トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE)ってどうなの?

このような質問を頂きました。
結論からです。

トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEは肝斑に有効~!
だけど、注意すべき副作用もあります。

オンライン診療で簡単に手に入る時代だからこそ、このnoteで注意するべきことを勉強して自分の身を守ってくださいね。

シミの種類を復習したい方はこちら


▼治療薬

トラネキサム酸(トランサミン)
ビタミンC(シナール)
ビタミンE(ユベラ)
順に効果を見ていきましょう。

①トラネキサム酸

♦︎効果のあるシミの種類

肝斑に対する効果は、あります
色素沈着は起こる前に内服すると効果があるかも?というところ。
なってからはあまり変わりなしという結果が多いです。

♦︎作用


トラネキサム酸の作用についてお話。
保険で使用することもありますが今回は割愛。

トラネキサム酸はプラスミンを抑えることでメラニン産生を抑える働きがあります。

シンガポールの肝斑患者561人を対象とした研究ではトラネキサム酸を内服して平均4ヶ月で90%が改善したという報告があります。

♦︎怖い副作用も

血栓ができやすくなるので、肝斑治療の第一選択というよりは補助的に内服するのが良いです。

♦︎注意が必要な人

Amazonやオンライン診療などでも手に入ります。

♦︎外用との併用が必要

さらに、これだけを飲んでいれば肝斑は安心というわけではなく、日焼け止めや摩擦を少なくする生活+外用薬(ハイドロキノンやトレチノイン酸)があっての効果です。

♦︎1日量

1日の服用推奨量はトラネキサム酸 500-1500mgです。
肝斑治療は保険適用外なので、自費診療になりますよ!

②ビタミンC

詳しくは『ビタミンCって効果あるの?』のnoteを参照ください。

ビタミンCはメラニン色素の産生を抑えるのでシミ予防に効果あり

肝斑に対して、ビタミンC単体も有効ですがトラネキサム酸には劣ります。

色白効果は、ビタミンC単剤よりもビタミンCが含まれているフルーツや野菜を食べているのが良いのでは?とも言われています。


③ビタミンE

抗酸化力と、ビタミンCの働きを助ける作用があります。
肝斑もいくつか併用で効果があった報告もあります。

以下、詳細↓

ビタミンA,C,Eの内服とポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンの内服の組み合わせで肝斑の改善が認められた報告があります。
また、ビタミンCとE単剤よりも併用したほうが効果が高い報告もあります。

ただし、抗酸化作用のある物質の長期的な効果や副作用は現在も研究中でよくわかっていない部分も。
たとえば、抗酸化サプリとして販売されているビタミンEに脳出血の発生率があがった論文もあるので漫然と飲まない方がいいかも。

▼まとめ



内服本気でやるならトラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE併用。

個人的には『トラネキサム酸外用薬で、ビタミンは食事から摂る』がいいかなーって思います。

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▼参考文献


https://www.uptodate.com/contents/melasma-management
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29677015/
https://www.jomfp.in/article.asp?issn=0973-029X;year=2020;volume=24;issue=2;spage=374;epage=382;aulast=Sanadi
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4976416/
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD002141.pub3/full

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