主演：ジャン・ジョンミン(张炯敏)、シュー・ビン(徐滨)
2023年　全24話 （1話約35分）
いしゃーしゃ的オススメ度：★★★★☆
（写真＝GagaOOLalaより）

久々に中国産BLが出て、サムネイルが『ハイロイン』（以下「オリジナル」）っぽいな、と思っていたら、まさかのリメイクだった本作。

BLファングループのディスカッションでは、グーハイVSウービーの投票が出たり、キスシーンがない！と騒ぐ人たちがいたり、毎週盛り上がっていた。
正直、最初はメインキャストのビジュアルには惹かれなかったものの、やはり未完だったオリジナルのストーリーの展開と結末を知りたかったので、早速視聴。ちなみに原作小説はもちろん未読。

親の再婚で義兄弟になった二人

倹約しながらも父親と仲睦まじく暮らす高校生のスー・ユー[苏御、オリジナルではバイ・ロイン(白洛因)]。 ある日、小さい頃離婚して、別居していた母親が大金持ちと再婚。その相手にも同い年の息子ウー・ビー[吴比、オリジナルではグー・ハイ(顾海)]という子がいて、ひょんなことから同級生になる。
貧乏だが優等生のスーユーと、傲慢だが実は孤独なウービー。まさかそれぞれの親が再婚しているとは知らず、最初は気が合わないものの、少しずつお互いに心を開いていく。

ところが、偶然にもお互いの正体がバレてしまい......。

思春期、勉学、家族の問題に向き合いながら描かれていく二人の物語である。

なかなかいい家族ドラマに仕上げられていた

まず、本作を“BLドラマ”として期待して観てはいけない。特に私のように『ハイロイン』を視聴した人は要注意(笑)。ご存知の通り、中国では現在、同性愛の要素をドラマに含めることはできないので、せいぜいブロマンス止まりである。だから、あーゆーシーンやこーゆーシーンはない(笑)（。。。といっても、オリジナルにもタイや台湾のBLほど露骨にNCシーンがあったわけではない）。

しかし、二人の関係はともかく、より家族関係に焦点が当てられてたといえ、ある意味ファミリードラマとしてはなかなか観ていて面白かった。

スーユーの父親の再婚相手の娘というのは、オリジナルではちょっとよく覚えていないのだが、彼女を含めた兄弟関係が築き上げられていく過程もとてもほっこり。

オリジナルではスーユーの元カノ、ウービーの従兄弟などが出てくるあたりで強制終了してしまっているが、今回はその後の展開がきちんと描かれている。というか、ここは一番気になっていたところであった。

また、オリジナルではあまり重要性が感じられなかったウービーの母親の死についても、ちょっとミステリーのような展開になっている。

オリジナルか、リメイクか？

リメイク比較好きな私は、他のドラマの記事では、好き勝手にボロクソにリメイクについて書いたりしているが、本作に限っては、どちらもその良さがあったといえる。もちろん、オリジナルは未完作だったが。。。

（１）本作で無くなっていて寂しかったシーン

1. 二人のあーゆーシーンやこーゆーシーン（ご想像にお任せ😜）

2. バイロインのお父さんがグーハイにベッドを買ってあげたシーン

3. バイロインが体操ジャージをチクチク縫ってしまうシーン

4. バイロインがパンツを洗うシーン

5. クラスで意味不明のトイレットペーパーのやり取り

1.については、まあこれは仕方ないだろう。ただ、こういう要素については、本作ではいくつかのアイテムによるほのめかしがある。その辺については本作を見てのお楽しみということで！
あとの4つは、ほとんどストーリー上で意味があったわけではないが、オリジナルでのツッコミどころであったため、なんかなくなっていて寂しかった(笑)。バイロインのお父さんも結構イケメンで好きだったな。

（２）本作で新しく登場した要素「腐女子」

これはBL要素を入れられない分、オマージュとして加えられたのではないかと思う。はっきりと「腐女子」と言及されていたわけではないが、見れば一目瞭然。

（３）メインの二人について

オリジナルでグーハイを演じたホアン君が大好きなのだが、ここでは冷静に評価したい（まあ、できる限り）。
オリジナルでは二人は新人でデビュー作であったため、多少の演技のぎこちなさはあったが、若々しいワイルドな魅力があったといえる。そして、今思い返すとやはりオーラが出ていたな。

しかし本作の二人はちょっと違う。
まず年齢差。二人とももちろん若いのだが、スーユー役のジャン・ジョンミンの方が4歳ほど年上で、俳優としてのキャリアもある。

ウービー役のシュー・ビンは中国のプデュのような番組出身のようで、確かに歌やダンスは上手い。顔は角度によっては若い頃のRainピにそっくり(笑)。だが、かなり顔が幼く見え（2001年生まれ！）、ちょっとビジュアル的に同級生に私には見えなかったかな。

あと残念だったのは二人とも吹き替えだったところ。本作の舞台は北京。二人とも別の都市出身だし、俳優としての経験も浅いようなので、仕方ないだろう。

（４）エンディングは賛否両論？

本作はオープンエンドである。多くの視聴者のコメントを見ると、概ね好意的。続編の可能性もあり得なくはない。
しかし、うーん、私的にはイマイチ気に入らなかったかな。全体的に良かっただけに、ちょっと残念感があったというのが本音。ここは原作小説がどうなのかわからないので、なんとも言えない。ネタバレしたくないので、これ以上は書かないでおこう。

なお、時期などはまだ未定のようだが、タイでリメイクが決まっているようである。現在キャスティング中のようだが、より原作のBL小説に近くなる可能性はある。個人的には台湾でリメイクを作ってほしかったが、タイのも期待して待ってみよう！

本当はシュー・ビンが歌っている挿入歌をリンクしたかったのだが、公式版が見つからなかったので、本作のトレイラー。現時点で台湾のLGBT専門動画サイトGagaOOLala（要サブスク）、およびVIKIで視聴可能（要VPN&サブスク）。
（2023年9月12日追記：楽天TVでも配信中！）