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運動会指導 絶対に忘れてはいけない大原則とは

 春の運動会のシーズンがやってきました。

 運動会の指導を行うに当たり、絶対に忘れてはいけない「大原則」があると考えてきました。
 それは、先輩や同僚から学び、子供の姿を通して、私も得心してきたことです。
 次の二つです。

1 体育以外の授業を普段以上に充実させる!
2 一人一人の子供への指導・支援を普段以上に丁寧に行う!

 具体的に説明します。

1 体育以外の授業を普段以上に充実させる!

 運動会の練習が始まると、学校生活のリズムが「運動会」中心になりがちです。朝の時間から練習があったり、体育の指導時間数が増えたりすることも多いでしょう。

 そのため、何となく校内がわさわさとして、落ち着きがなくなります。

 活気があるのは良いことなのですが、例えばせっかく指導してきた廊下歩行などの生活習慣が崩れたりします。

 また、気温が上がる時期なので、子供たちも疲れが溜まり、体調を崩しがちです。

 そのため、授業中には、気持ちが乗らない子供の学習態度が見受けられがちなのではないでしょうか。

 事故、怪我が増加する場合もあります。せっかくの運動会に参加できなくなったら、本末転倒です。

 では、その対処法は?

 生活リズムを整えるのです。

 そして、生活リズムの根本は、授業です。

 授業の開始、終了時刻を守ります。
 
 授業中は、じっくり考えたり、話し合ったり、学習に集中して教室内が「しん」としたりする時間を、意識して設定します。

 こういう時こそ、中身の濃い、充実した授業を心掛けることで、運動会の練習時間との変化が付き、逆に運動会指導も充実します。

2 一人一人の子供への指導・支援を普段以上に丁寧に行う!

 運動会のような集団で取り組む大きな行事では、教師の目は集団に対して注がれがちです。

 そのため、一人一人の子供に目が向かなくなる場合が多いように思います。少なくとも、私はそうでした。
 
 例えば、開閉会式の練習や集団演技のダンス指導の場で、全体が揃うことに指導の意識が傾いてしまい、「子供は周りに合わせて行動するのが当たり前」と考えたり、上手に踊れない子への支援の工夫が不足したりしていた苦い記憶があります。

 そうした失敗を経て、体調管理はもちろん、一人一人の子供の演技や競技への思いや取り組み方、周りの子とのかかわり方、集団行動そのものへの感じ方や考え方などに目を向けようとするようになりました。
 また、使用する道具や体操着の様子にも気を配るようにしました。

 まだまだ、不足していたとは思いますが。

 「木を見て森を見ず」とは、言いますが、運動会指導は、「森を見て木を見ず」ではだめなのです。
 指導者は、「木も森も見る」必要があります。
 
 いいえ、「木を見て森を見る」視線が必要なのかもしれません。一人一人の子供が合わさって、全体をつくっているのですから。

 一人一人に対して丁寧な指導・支援を行うことで、集団としての動きも向上し、運動会が「成功」するのだと考えます。
 
 そして、運動会を通して、子供を「つぶす」ようなことを決してせずに、「育てる」ことができるのだと思います。