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Airpodsが牽引する音声のインターネット

石ころです。

先日家の近くのコンビニに行った際に、東南アジア系のレジ店員の男の人が、片耳にAirpodsを付けていました。音楽を聴いているのか、ポッドキャストを聴いているのか分かりませんが、気付いたら「おい、こっちは客だぞ!!」と怒鳴っていました。嘘です、むしろ「いいね!」と思って感心していました。

この店員は片耳にだけAirpodsを付けて、もう一方の耳でお客さんの発言、「すみません」や「スイカで」などを聞き取る分には、支障がありません。お客さん側も、店員が両耳にAirpodsを付けていたら、「話きいてんのか?」と思ってしまうものの、片耳なら許せます。また、Airpodsであるというのも重要な点です。イヤホンだったらたとえ片耳といえどもさらに目立つので心証が悪いかもしれません。作業する上でもコードが邪魔になるでしょう。また、視線を完全に持っていかれるYouTubeなんかはハードルがとても高い。

音声系のサービスが動画系のサービスに勝るメリットは、聴覚だけで済むと言う点です。もちろん、家で空き時間が5分あるのなら、TikTokやYouTubeを見た方が五感をフルに活用できて、没入度が高いので、そのサービス自体からくる満足度は高くなるかもしれません。ですがみんながみんな常にビジュアルが空いているわけではなさそうです。

マーク・アンドリーセンが2019年初めに、音声がアツいと言っていたのを思い出しました。労働者がフォークリフト(荷役自動車)に乗りながら10時間ポッドキャストで有名な人のチャンネルを聞ける。

仕事でなくても、家にいたとしても、必ずしもフルでYouTube等に没入したいとは限りません。2018年に初めてAirpodsを買いましたが、それ以降は洗濯する時、干す時、トイレに行く時、何をするときでもAirpodsを付けたままでいることがたまにあります。一人で吉野家とかでご飯を食べている時も付けています。わざわざ白いケースを取り出して耳から外して格納する方がめんどうです。イヤホン時代はコードが物理的に邪魔になるので外さざるを得ませんでしたが。たまに、つけていることすら忘れることもあります。あるいは、つけてると思ってたけど、あれ、付いてなかったという時も。何も再生していないような時でもつけたままです。ちなみに今カフェにいますが、(その前は昼ごはんを食べていました)、6時間以上前から一回もAirpodsは外していません。

このようにAirpodsはコードが絡まないから楽で、スマホと直接繋がなくてもいいというメリットによって、「耳にデバイスをつけている時間が長くなった」というのが最大の革命だった気がしています。当たり前ですがソフトウェアの普及のためには良いハードウェアの普及・後押しがめちゃくちゃ大事です。(Amazon Echoは家で埃をかぶっていますが、Airpodsはもはや生活必需品です。)

耳の可処分時間が増える、すなわち聞いてくれる人が増えると、しゃべる側も増えてきます。昨年はじめに、SpotifyがAnchorという有名な音声スタートアップを買収しました。同社CEOいわく「近い将来Spotify利用の20%以上が非音楽コンテンツになる」と言っています。また、最近は普通のネット記事のテキスト読み上げ機能なんかも出てきましたね。

なお、ノイズキャンセリングを備えたAirpods Proはまだ買ってないのですが(カナル型イヤホンはなぜか僕の耳に入らないので)、外音取り込み機能もあってめちゃくちゃ使いやすい、全く違和感がないと聞きました。

繰り返しになりますがデバイスは小型化・コンパクト化することによって、身に纏う違和感が減り、長時間身に着けるようになるとgoodです。VR分野ではスタンドアロン型のOculus Questが躍進しています。それまではハイスペックPCとコードに繋がれていた状態でしかOculusのハイエンドなVR体験は出来ませんでした。これと比べると初めてOculus Questを体験した瞬間は本当に感動しました。ちなみにQuestの前は一緒に付いてくるヘッドフォンで耳も覆われていたので、タダでさえ目や頭が覆われているのに耳も覆われて、PCとコードで繋がれてて、しかもVR酔いもするという不快感Maxでした。ソフトウェアがどれだけ良くてもこれだとしょっちゅうつける気になりません。なおQuestはヘッドフォンが付いて来ず、デバイスから直接耳に音がいい感じに届きます(Questの感動はもちろんPCと繋げる有無や価格云々だけじゃないですが)。 そんな進化したOculusでさえ、まだ大きな重めの箱を頭に付けているような感覚であることは変わりないので、これがコンパクト化していけばいくほど、当然使用時間はもっと長くなります。一度没入すると凄いことは知っていますが、やはりちょっと気が重いので、少なくとも僕にとっては、まだ毎日使うような代物ではありません。(一時期はQuest内でWeb画面を映画館級のデカさに広げて、ひたすらアニメ見てましたw)

それに比べるとAirpodsはもう洗練された出来上がったプロダクトですね。見栄え的に考えても、初期はうどんとか言ってダサい扱いがされていましたが、今はむしろオシャレな人のアイテムの一つとしても市民権を得たように感じます。女性がイヤリングとAirpodsをいい感じにコーデしていたり。むしろ普通のイヤホンをしている人は野暮ったくてイケてなく感じてしまいます。渋谷の若者などもAirpods一色です。

Airpods時代に音声系コンテンツがどんどん増えてくることを楽しみにしています。

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