見出し画像

国際ロマンス詐欺、大流行!①私の体験談と考察

「国際ロマンス詐欺」。今、この言葉を知らない人はもう、いないんじゃないかなと思います。

(何それ知らない!という人は今すぐググりましょう)


簡単に言うと
主にナイジェリア人などのアフリカ系の詐欺師たちで、
出会い系SNSやフェイスブックを通じて
独身日本人女性(主に中高年。40代〜60代)をカモに、
リッチな白人男性になりすまして金銭を要求する、というものです。
そして現在までに、ものすごい被害額になっているようです。

(詳しく知りたい人はググってください。
このノートでも、新川てるえさんというジャーナリストの方が、注意喚起をされています。)



私は、この「国際ロマンス詐欺」というワードをまだ全く知らなかった昨年の夏頃、
見事に丸1ヶ月の間、詐欺師とやりとりを続けてしまっておりました!


私は、前知識ゼロでしたが、1ヶ月ほどやりとりした頃
「こいつ詐欺師だろ」
と気づくことが出来たため、実質被害はありませんでした。

ちなみに、1ヶ月間、金銭の要求は一度もされていません。
長い時間(時には1年!)をかけてカモを信頼させる彼らにとって、1ヶ月はまだ「準備段階」だったからです。


しかし
見抜くまでに1ヶ月もかかったの?心理屋のくせに?と思いますか?

もしそう思う人がいたら、
振り込め詐欺とか結婚詐欺とか、
引っかかる方がバカだよね!わかるじゃん普通!
と言っていて
自分がうっかり引っかかるタイプだと思う(個人の感想です。怒らないでね)。


後から、あれは
「国際ロマンス詐欺」というものだったと知り、
なるほど、非常に巧妙に
妙齢の「寂しいおひとりさま(もしくはシングルマザー)」
の心の隙間に入り込もうとしたものだ。
素人のくせに心理戦で心理屋を騙そうとするとは、
おぬしもなかなかのものよのう!(なぜ時代劇風)
とでも言いたくなる
敵の手強さを感じました。


本当にうまかったですよ、いろいろ。


私はその詐欺師ジェラルド(ここからそう呼びます)
に、外国人が多いという大手有名出会いサイトで出会いました。

そのサイトは真面目で良質な出会いを求めている人が多い、という評判でしたし、
もともと外国人が好きな私は、もし海外在住であんまり会えない相手でも
英語で恋愛気分を楽しめたら良いなあ、くらいの気持ちで登録していました。


そこで出会った自称ジェラルド(54歳)米国人は、
それほどお金持ちふうでもなかったんですよ。プロフでは。

私は男性を選ぶ時に見た目重視(笑)なので、
ナイスミドル風なジェラルド、いいなっと普通に思ったのでした。


で、ジェラルドは早々に「電話で話そう」
というんですね。
で、LINE通話で毎日話すようになりました。
ちなみに日本語は本当に全くわからないようでした。


あ、ここロマンス詐欺師の鉄板なんですが

・妻は死別
・音声通話はしてもビデオチャットは絶対に何らかの理由で出来ない

この2点で、もう詐欺師決定。
でいいと思いますよ笑。


ま、そんなことは当時はつゆ知らず、私は
やりとりしていたわけなんです。

するとある日、大きな商業コンペティションでプレゼンをする、
過去に2回、このコンペでは敗退しているから、とても緊張している。とか言い出すジェラルド。

頑張ってね!あなたなら出来るわ!とか
適当に無責任な応援をする私。

…そして3日後くらいに
「コンペティションに勝った。1億ドルの契約を勝ち取った。君のおかげだよ」
とか言いだすジェラルドさん。

1億円じゃないですよ、1億USドル。
なにそれ、国家予算???


でもそれって、宝くじとは違うから
「年商」とか売り上げにあたるもんであって、
丸ごとジェラルド1人の取りぶん、ってわけじゃないじゃないですか。
アメリカの大企業なら、
そんな金額もあるのかもしれない。
などと、わりと冷静な私で、
へー、すごいね、よかったね。
とか言っていました。


するとジェラルドが
「君のことが好きになってしまった」とか
日本に会いに行く、とか言い出し
日本に行ったらなんでも買ってあげる。などと言う。
で、秘書に取らせたという航空チケットの
コピーを送ってきた。

しかし
ここまでですでに疑問点続出

・そんな大企業のくせにホームページがない
・プレゼンの時の写真をスタッフに撮ってもらって送れと言ったのに送ってくれない
・ニューヨークから成田までのフライト時間が55時間というありえない数字
・カメラ付き携帯を持ってないと言う


ただし、非常に手が込んでいるなぁと思ったのは
すぐ日本に来るわけじゃないんです。

1つ、パラオで仕事を片付けないといけないから、
日本に行けるのは1ヶ月後だよ、っていうんですね。

焦らし作戦!!!

さらに1ヶ月、電話のやりとりを続けてこちらの気持ちを高め、
高まりきったところで日本に来る途中で、
金銭が必要になる何らかのトラブルが発生する、
とかいう
シナリオだったんでしょうね。
今思えば。


その最終シナリオまで、全部付き合ってみたら面白かったかも、と思うんですけど、
途中で嫌になって、私、やめちゃったんですね。


これが詐欺師のマインドコントロール

何が嫌になったかというと、
そこがまさに詐欺師の手口、マインドコントロールなわけですが、
四六時中、僕に電話をしてくれ、と言うんです。

国際ロマンス詐欺の被害に遭った女性らは、
「仕事と寝ている時間以外、ずっとチャットしていた」
と証言している人が多いです。

つまり、恋に落ちてしまったふうを装って、
ずっと話していたい、君の声を聞きたいとか言って、
(電話ではなく、テキストチャットだけの人もいますが)普段の人間関係を遠ざけ、
被害者を孤立させ、自分だけに依存させる手口なのです。


私も、「ランチタイムに電話をしてくれ」
と言われたんですよ。
私は、これが猛烈に嫌だった。

「バカ言ってんじゃないよ。
ランチタイムは職場の人たちとコミュニケーションする、大切な時間。
あんた1人に構ってらんないのよ」

とは本人に言わなかったけど、私の本音。

だんだんと、私の時間を奪おうとするジェラルドにイライラし始めた。

100億円の大富豪かなんか知らんがな、
私の大切な生活を壊そうとするなよ!!!


そして、最終的に
「日本の一流ホテルを予約しておいてほしい」
と言われ
ふざけんなバカ。私が私のカードで予約して、万が一お前が来られなくなったら、キャンセル料わたしが払う?ありえねえ。

自分で予約しろや。と言ったら、
僕は日本語が話せないし、重要な仕事をしていて忙しい。だと。
ネット予約も出来るし、一体どこの国に英語が通じない一流ホテルがあるのよ?
海外からホテルの予約も出来ないアホが1億ドルの仕事???
ないない。

と思ってこいつ詐欺師だなと気づきました。


こう書くと簡単なようですが、
自分の幼い頃の思い出話をしたり、
私の家族を気遣ったり、
毎日の会話のほとんどは、お金とは全く関係ない
「親密感と優しさのある、温かな会話」でした。

ですから、お金の話の部分だけを聴いた人は、
詐欺師に騙される人の気持ちが、なかなか
想像しにくいと思います。
詐欺師は、人の善意と期待につけ込んできます。


ページを改めて、詐欺師に騙されない
マインドと、騙される危険について私なりに考察します。

私の書籍はこちら↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?