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紙一重を積み重ねていく、その先に。(ACL第1節・上海上港戦:0−1)

等々力競技場でのACL第1節・上海上港戦は0-1の敗戦。

悔しい黒星スタートとなりました。ただ全体的な試合内容としてはゼロックスよりも改善されていました。試合後のミックスゾーン、奈良竜樹が語っていたのも手応えのほうでした。

「しっかりと押し込んで、奪われたら切り替えて、みんなで取りに行く。それでセカンドボールを奪う。意識は三日前よりも変わっていた。あとは決めるか、決められるか。そこのギリギリのところだと思う」

 チームの戦い方は表現できていました。ただ相手の上海上港もアジア屈指の強豪です。簡単には勝たせてくれる相手ではありません。そういうレベルの相手との対戦で勝敗を分けるものは、やはりディテールの部分の積み重ねです。

 決勝点となった失点は、まさにその差が問われたとも言えるでしょう。勝つためには、そういうところでしっかりと掴みとること。それは、隙を見せずにやり続けるしかありません。

 試合後、自らの決定機を決められなかった家長昭博は、「自分自身が決めれなかったので勝ち点を取れなかった。そこは自分の力のなさ」と反省を述べてましたが、細部の課題を突き詰めることの重要性をよく認識しているようでした。前を向きます。

「いつも紙一重。そこをものにできるかどうか。それをものにできているときは勝ち続けていた。そこは小さいようで大きい。そこはずっとやり続けていかないといけない」

 チームには、去年のベースがしっかりとあります。ならば、あとはいかに紙一重を積み重ねていくのか。そういう部分になっていくと思います。

では、今回のレビューです。ラインナップはこちらです。

1.「自分が動くと(6番も)動いてくるから、そのギャップを使えというのは言われていた」(中村憲剛)、「6番のワキは狙っていましたけど、そこにボールが入るときはスピードがあがる。そこからの展開がもう少しでした」(大島僚太)。ツァイ・フイカンの両脇にできるスペースを攻略せよ。前半の攻撃の狙いを読み解く。

2.「右を狙いました。あれを決めたら勝ち点1があったと思う。そういうところだと思います」(家長昭博)、「浮かすしかなかった。ゴロだったらリョウタも決めれたと思う。そういうところも含めて、全体的にもうひとつ精度が必要だった」(阿部浩之)。なぜ後半の決定機を決めきれなかったのか。それぞれのフィニッシュワークを検証する。

3.「自分でも少し『やばい』とパニックになって、焦って飛んでしまった。言い訳はできないです。自分が甘い」(谷口彰悟)、「簡単に外に出してしまったので、そこはもったいない」(奈良竜樹)。失点はなぜ起きた?鬼木監督が指摘した、改善すべき問題点とは?

4.「フッキにボールが入ったときには、しっかりと時間を作ること」(登里享平)、「フッキとかパトリックに強いから。パトリックを練習から抑えていたから、全然安心していたよ」(大久保嘉人)。ボールを持ったら素早く囲む。そしてフッキに守備をさせる。フッキ対策を遂行したノボリによる、クレバーな駆け引きとは?

 以上、4つのポイントで約6500文字です。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ACL第1節・上海上港戦)

では、スタート!

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