10人でも引かなかったサイドの攻防戦と、破綻なく機能したケンゴのアンカーシステム。そして両SBの攻撃参加から幕を開けた、執念の等々力逆転劇場。(リーグ第29節・ベガルタ仙台戦:3-2)

 等々力競技場でのベガルタ仙台戦は3-2で勝利。
おそらく今後に語り継がれるであろう、歴史的な等々力劇場でした。

 それもそうでしょう。
J1リーグ史上、残り10分で2点差のビハインドを10人で逆転した試合はこれまでなかったそうです。興奮しないわけがありません。

 試合後のミックスゾーン。
GKのチョン・ソンリョンに話を聞こうと思って声をかけると、いつもは冷静に話してくれる彼も、いまだ興奮冷めやらぬ、と言ったテンションでした。

 そこで「今日の試合、どう振り返りますか?」と尋ねると、「僕もサッカーをやっていて、こういう試合は初めてです」と笑っていました。韓国代表で3度のW杯出場など豊富なキャリアを誇る彼でさえ、10人で2点差をひっくり返すという試合は体験したことがなかったというわけです。

「後ろから見ていても、本当に戦う姿には感動した。みんなでそういう気持ちがあったからこそ、こういう試合ができたのだと思います」

 チームの戦いぶりを最後尾から感じていたこと、あるいは試合でのポイントとなった局面も聞きましたが、小林悠のあの決勝弾の軌道は、キーパーの位置からはどう見えたのかも聞いてみました。

「最後のゴールは、相手に当たりましたよね?(捕るのは)難しいです。普段は、(味方が)ゴールしてもセレモニーには行かないのですが、(決勝弾は)あまりにも嬉しいので行きました(笑)」

 試合映像で確認したら、さすがに小林悠のところまでは駆け寄っていなかったので、おそらく最終ラインにいる誰かのところまで行って喜んだ、ということだと思います。ただ百戦錬磨のソンリョンですら、我を忘れるぐらいの逆転劇だったということですね。5分で2点差をひっくり返す・・・本当にすごい試合でした。

 さて。
そんな90分のドラマをたっぷりとレビューしたいと思います。今回もボリューム盛りだくさんです。ラインナップはこちら。
 
1.「相手がボールのつなぎ方を変えてきたというのもあるが、(守備が)ハマらないというのはあった」(中村憲剛)、「守備の距離感が悪かった。やっていても、もうちょっとここで詰めていたら、次はこう(奪いに)行けるのにと感じていた」(森谷賢太郎)。蹴らずにボールを握ってきた仙台の「外、外、中」のリズムと、掴まえきれなかったシャドーの野津田岳人による巧みな位置取り。後手を踏み続けた前半を分析する。

2.なぜダブルボランチがボールを握れなかったのか。狙い撃ちされていたエドゥアルド・ネットと、「自分自身もチームがよくないときに助けられるプレーができなかった」と自らの打開力を反省した森谷賢太郎。

3.後半を〔4-4-1〕ではなく、中央を手厚くした〔4-3-2〕で戦った理由。そして、ケンゴのアンカーシステムが破綻なく機能した要因とは?

4.「そこは自分も理解していた。やらないといけないとも思っていた」(長谷川竜也)。推進力を生んだ長谷川竜也と、効果的なノイズをゲームにもたらしたハイネル。中盤で一歩も引かなかったサイドの攻防戦を読み解く。

5.両サイドバックによる競演から幕を開けた歴史的な等々力逆転劇場。車屋紳太郎の攻撃参加とエウシーニョの一撃がもたらしたもの。

6.「チームが苦しいときにゴールが決められる選手になれ」。ジュニーニョの教えを体現する小林悠が決めた2ゴールの、その意味。

7.J1・400試合出場達成。逆算ではなく、目の前にある課題を1つずつクリアしていく「積み重ね」で成長を遂げ続ける中村憲剛。

以上、7つのポイントで約11000文字です。今回もまさか、まさかの1万文字超えのレビューです・笑。

何も言いません・・・読んでください!!

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第29節・ベガルタ仙台戦)

では、スタート!

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10人でも引かなかったサイドの攻防戦と、破綻なく機能したケンゴのアンカーシステム。そして両SBの攻撃参加から幕を開けた、執念の等々力逆転劇場。(リーグ第29節・ベガルタ仙台戦:3-2)

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コメント1件

確かに今考えると二枚のイエローは妥当ですね。
ただし、イライラしたレフィリングでしたね。
試合が終わったとき、中村憲剛選手が主審?に何か話してましたね。まあ、クレームを言っているようにも見えませんでしたが。
でも、この試合を取ったのは大きいです。
鹿の背中が見えてきましたし。
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