「どこかでチームに息をさせる。誰も届かないところで時間を作らないと」。まさにゲームコントローラー。CB・谷口彰悟に息継ぎをさせて2点目の起点を生み出した、中村憲剛の妙技。(リーグ第12節・鹿島アントラーズ戦:3-0)

 カシマスタジアムでの鹿島アントラーズ戦は3-0で勝利。

3点差というスコアが示すほど差があった内容ではなかったですが、結果が全てですから。これでリーグは3連勝。ACLも含めると公式戦4試合完封勝ちです。

 得点シーンでは、2点目の崩しと長谷川竜也のボレーシュートが見事でしたね。滞空時間の長いボールだっただけに、しっかりとミートするのは傍目より難易度の高いプレーだったと思います。試合後の長谷川に「あれ、難しかったでしょ?」と聞くと、彼は笑ってこう言いました。

「めっちゃ難しかったですよ(笑)。でも、落ち着いていましたね。ボールの落ち際を蹴ること。ユウさん(小林悠)が裏に抜け出したときに、中に折り返してくれるのはわかっていて、阿部ちゃんがシュートをうまく当ててくれた。自分のところに転がってきたので、ボールをふかさないで当てることを意識していました」

 2点目といえば、大島僚太の絶妙スルーもありますが、それは後ほどのポイントでしっかりと語っております、

 あとは何と言ってもチョン・ソンリョンのビッグセービングです。

 シュートコースを狭めて「面で」対応するときの1対1のセービングには、めっぽう強さを発揮しますね。あの大きい体格と、前に出ていくときのタイミングが絶妙なのでしょう。先制点につながった、CKの鈴木優磨のシュートをビッグセーブがまさにそうで、そこからのこぼれ球からカウンターが決まりました。後半に金森健志が抜け出した1対1もニアサイドを消す駆け引きをして、しっかりと弾き出しました。

 ソンリョンはプレーだけではなく、試合後も相変わらず冷静です。

「(この勝利は)去年の痛みをみんなが知っていたからだと思います。(先制点の起点について)ボールが繋がってくれて気分もいいが、みんなで奪ったゴールだと思っている。相手はゴールを決める選手がたくさんいるので、瞬間瞬間、最後まで集中を切らさずに我慢できた」

 さすが常日頃から「平常心」を口にするソンリョン。
公式戦4試合連続完封の立役者ながら、試合後も興奮した様子もなく次を見据えていました。阿部浩之が、チームのメンタリティーを変える前線の存在として注目されつつありますが、最後尾にいるソンリョンの経験値も得難いものがあります。彼もまた「勝ち続けるメンタリティー」を昨年からチームに還元しつつある存在だと思います。

・・・平日のカシマスタジアム、やっぱり遠いですね・笑。

では、そんな試合のラインナップです。

1.「センターバックをサイドのエリアに釣り出すこと」で攻略してきた鹿島攻撃陣の定跡。「割り切って守っていた部分もあるが、そこでゼロで抑えられたのは大きい」(車屋紳太郎)。したたかに力強く戦い、後半に浴びた猛攻も無失点でしのぐ。

2.「相手のセンターバックを前に引き出すこと」で攻略した川崎攻撃陣。「スカウティングで食いつき癖があるとわかっていた。そこを逆手に取った」(中村憲剛)、「ショウゴくんの強いパスだったのが良かったですね。弱いパスだったらトラップしなくてはいけなかったので」(大島僚太)、「あの抜け出しはリョウタが触ったらできていなかった」(小林悠)。大島僚太の絶妙なスルーを詳しく解説。

3.「どこかでチームに息をさせる。ずっとアップアップだったから。誰も届かないところで時間を作らないと」(中村憲剛)。まさにゲームコントローラー。センターバックの谷口彰悟に息継ぎをさせて2点目の起点を生み出した、中村憲剛の妙技。

4.勝利を決定付けた3点目を決めた登里享平。「そう。ありました。その思いは」。彼があの場面で、パスではなくシュートを決断した理由とは?

5.武岡優斗と鹿島アントラーズの不思議な因縁(小ネタ)

ポイントは5つ。約7500文字ぐらいあります。読み応え、たっぷりです。よろしくどうぞ!

では、スタート!

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