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「なるべく前にいって、相手陣地でやること。それは心がけていました」(大島僚太)。復帰したリョウタと帰還したヨシトがもたらした、後半のケミストリー。(ゼロックス・C大阪戦:2-3)

 富士ゼロックススーパーカップ・セレッソ大阪戦は2-3で敗戦。

 5人まで交代可能というレギュレーションだったことで、90分を通じて、両チームの半分近いメンバーが入れ替わった状態でのサッカーが展開されましたね。試合中にこれだけ顔ぶれが変わると、タイトルマッチとはいえ、いつもとの試合とは、だいぶ変わってくる印象です。

 例えば、川崎フロンターレの根本的な戦略として、「ボールを握って相手を動かし続ける」というものがあります。そして、この戦略は守備でハードワークする相手を走らせて消耗させ、そして運動量が落ちた試合終盤に仕留めるという勝ち方にもつながります。

 ただ、それが5人まで交代できるレギュレーションになると、対戦相手は守備でハードワークしている選手を多めに交代させて、守備の強度を落とさないような采配もできます。それに今年最初の公式戦であったことや、そのレギュレーションの噛み合わせも加わって、語るべき試合のポイントもいつもとはちょっと違った感じでした。

では、そんな試合のレビューです。今回のラインナップはこちら。

1.後手を踏み続けた立ち上がりの時間帯と、耐えきれずに喫した失点。「うまくテンポが上がらなかったときに、『じゃあ、失点しました』というのでは今までと一緒。それでも我慢して自分たちの流れに持ってきたのが優勝できたひとつの要因。そこはもうひとつ引き締めないといけない」(中村憲剛)。選手、それぞれが感じた課題は?

2.「セレッソさんがすごくコンパクトにして、芝生が乾いた状態だったので、なかなかボールが走らなかった」(エドゥアルド・ネット)、「前半は孤立してしまった。なかなかボールを触れなかったし、運べていなかった」(小林悠)、「うちは中を崩す。そこはうまく見せつつ、もうちょっとサイドを使いながら、もう一回、中に戻す。そういう展開にできればよかった」(田坂祐介)。リズムが出せなかった前半の攻撃陣。かみ合わなかった要因は?

3.「奪ってから中途半端につなぐというよりも、切り返してでも良いから陣地を挽回したほうが良かったのかな。なるべく前にいって、相手陣地でやること。それは心がけていました」(大島僚太)。大久保嘉人と大島僚太による「プランB」がもたらした、後半の変化。

4.「この次が大事だと思います。同じようなミスをしない。同じシーンで同じようにやられないことですね」(守田英正)。デビュー戦で及第点の出来も、判断ミスで招いた失点を悔やむ新人・守田は、次を見据える。

5.「ヨシトさんは、ただ単に普通に入るだけじゃない選手。逆を取るだろうなと思ったし、逆を取るならあそこしかないと思った」(長谷川竜也)。帰還した「川崎のヨシト」と、今シーズンも健在のジョーカー・タツヤ。

 以上、5つのポイントで約7000文字です。試合後のミックスゾーンと、後日取材を加えて書いております。なお、プレビューはこちらです。

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ゼロックス・セレッソ大阪戦)

では、スタート!

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