答えは自分たちの中にある。(リーグ第3節・横浜F・マリノス戦:2-2)

日産スタジアムでの横浜F・マリノス戦は2-2で引き分け。

 試合終盤の88分にリードを奪い、リーグ戦初勝利は目前でした。残り時間をフロンターレらしい勝ち方で締めるはずが、最後の最後の、本当の最後に水をこぼしてしまいました。

 土壇場で引き分けた原因は何だったのか。
直接的な要因は、ラストプレーとなった天野純からのCKの対応ということになります。飛び込んでいた扇原貴宏の頭に届き、それがゴールネットに吸い込まれました。

ストーン役でもあるレアンドロ・ダミアンの頭上を越されたボールだったため、守る側としては処理しにくいエリアでもありました。もちろん、キッカーの天野純としては、そこをピンポイントで狙っていたのだと思います。

 試合後のミックスゾーン。

沈痛な面持ちで話していたのは田中碧です。キックオフ直前に緊急先発を告げられて出場し、先制点をお膳立てする活躍を見せましたが、試合後のミックスゾーンで笑顔はありませんでした。劇的弾を決めた扇原貴宏のマークは彼であり、先に身体を入れられて空中で競り負けたからです。

「最後にやられたので、なんとも言えない。あれがなければ勝てたし、自分の責任だと感じてます」 

 田中碧は責任を感じていましたし、悔しさを口にしていました。まだ若いですから、こういう経験を糧に、さらなる成長を促したいと思います。

 そして、そんな若い田中碧に勝敗の責任を背負わせてしまったことを悔やんでいた選手がいました。この日は途中出場だったキャプテンの小林悠です。試合翌日、彼は言っています。

「若い選手に、それだけの責任を負わせてしまったことが悔しい。僕たちがもっとサポートしなくてはいけなかった」

 当たり前ですが、サッカーでチームで戦うスポーツです。誰か一人という問題ではなく、勝敗を含めてチームとして向き合うべき問題です。もちろん、悔やまれるのはCKそのものよりも、あのCKにつながる時間帯の試合運びと守備対応だったと思いますが、そこはレビューで振り返っております。

試合全体を振り返ってみても、前半からチームの狙いが機能してましたし、作り出していた決定機などは狙い通りだったといえます。

では、今回のラインナップです。

1.「鬼さんからは『自分の特徴を出して楽しんでこい!』と言われました。それで自分の中で、良い気持ちで(試合に)入れました」(田中碧)。まさに電光石火。緊急先発となったアオがお膳立てした開始4分の先制弾と、その背景にあったもの。

2.「自分とダミアンで迫力を持って前から行くと、ボールを奪えるんじゃないかと思っていた」(知念慶)。「前からのプレスでいうと、知念を含めてうまくできたと思います」(レアンドロ・ダミアン)。ボールは簡単に握らせない。2連勝中のマリノスに「いつもとは違う」と思わせた、2トップによる守備のスイッチとそれに連動した局面圧力。

3.「ツートップで縦関係になれば、(相手のセンターバックの)どっちかが食いついたら裏というイメージもあった」(知念慶)。ハイラインの攻略は、「裏狙い」にあらず。コンパクトな守備陣形の弱点を突いたのは、2トップを追い越す味方の動き出しにあり。

4.「相手が特殊な配置なので、両サイドバックの背後は狙い目。始まっても、空いている感覚はあった」(谷口彰悟)。「サイドバックが絞る分、背後のランニングだったり、ボールを奪った後の裏への動きはできていた。ただ逆にそれをやり過ぎたのかなという気もする」(車屋紳太郎)。前半に狙い撃ちしたサイドのオープンスペースと、その代償を払うことになった我慢の後半を検証する。

5.「1対1なら抜ける自信はあった。あのクロスの判断にしたのは良かったかなと思います」(長谷川竜也)。82分に知念慶が見せた、試合の流れを引き戻した泥臭さと献身性。長谷川竜也が行い続けた、相手に後手を踏ませるための駆け引き。

6.「慌てることもなくやるべきことをやれば、ゴールは必然的についてくると思っていました」(レアンドロ・ダミアン)。周囲に感謝の言葉を惜しまないダミアンから感じる、大久保嘉人のゴール哲学との共通点。

7.「何か一つでも直していれば、失点はしなかった」(小林悠)、どれだけ余裕を持って試合巧者ぶりを出せるのか。時間を稼げるのか。そういうプレーができる余裕を持たないと簡単には勝たせてもらえない」(谷口彰悟)、「相手のあのランニングは、タイミングも含めてうまいというもありますし、あそこに誰がついていくのは、はっきりしないといけなかった」(田中碧)。ラストプレーでの水漏れはなぜ起きた?フロンターレらしいゲームの終わらせ方ができなかった要因を探る。

・・・・ラインナップ、多いよ!中二日でACLなのに、まさかの12000文字です・笑。読み応えたっぷりですから、どうぞよろしくお願いします。

なお、プレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第3節・横浜F・マリノス戦)

では、スタート!

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答えは自分たちの中にある。(リーグ第3節・横浜F・マリノス戦:2-2)

いしかわごう

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