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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(ACL準々決勝・1stレグ/浦和レッズ戦)

8月23日は、等々力陸上競技場でACL準々決勝の1stレグ、浦和レッズ戦です。

 ACLなので試合前日は等々力競技場で公式トレーニング(冒頭15分のみ公開)、そして鬼木監督と小林悠選手による前日会見というスケジュールでした。日本勢同士による対決なので、浦和レッズ側の報道陣も来ていて、なかなかにぎやかでした。

「相手はJリーグのチームだけど、レフェリーもアジアの方でいつもとは違うし、使うボールも違う。かといって、それも初めての経験ではない。コンディションのところであったり、良い準備をすることですね」

 ACLも含めた国際経験の豊富な中村憲剛は、この試合に向けてそんな風に話していました。国際大会だからといって過剰に意識することもなく、かといって、よく知る相手だからと気を抜くこともなく、フラットな状態で臨むことが大事なのだと思います。

 過去、川崎フロンターレのACLにおける最高順位は、2009年のベスト8です。このときも日本勢対決となり、相手は名古屋グランパスでした。当時、名古屋は得意にしていた相性の良い相手で、ホームで先勝しながらも、アウェイでまさかの2点差で敗れたことで敗退。
 
 チームのショックは大きく、試合後のミックスゾーンでは、どの選手もさすがに肩落としていました。選手もみな口が重く、伊藤宏樹は「正直、ダメージは大きい。すぐには気持ちを切り替えられないですけど・・・」と言葉を絞り出し、中村憲剛も「今、話したとしても全て言い訳になってしまうので・・・」と、さすがに言葉が出ないようでした。

 あれから8年。
試合前日会見で、「新しい歴史を作るためにも、まずはベスト8突破を目指したい」と主将・小林悠は語りました。あのとき突破できなかったACLベスト8の壁を越えるための、第1ラウンドとなります。

見所を、いつものようにディープに語りたいと思います。

ラインナップはこちらです。

1.気になる予想スタメン。前日練習で公開された冒頭15分から予想してみる。

2.「いつ、どう動くかがポイント。良いタイミングで、良いスプリントで、相手の嫌な場所をつく。その回数を増やしたいね」(中村憲剛)。共有できてきた、崩しのイメージ。攻撃の見どころは、家長昭博を組み込んだ「3人目の動き」にあり。

3.「多少、余裕を持ちながらやっていますよね。あまり人に食いつきすぎないというか」。浦和守備陣はどう変わったのか。深さを作るマウリシオのラインコントロールについて、CB・谷口彰悟に訊いてみた。

4.札幌戦で掴んだ5バック攻略の成功体験。あとは、いかに中盤でこの形を作れるか。

5.求められるのは、アウェイゴールを与えないための試合運びだが、重要なのは、あくまで勝つこと。「試合中に考えることは、いつものリーグよりは多いと思います。そういうことを数人ではなく、全員が考えて、同じ方向を向けて戦えたらと思う」(阿部浩之)、「頭の片隅では2戦目のことを考える必要があるが、かといってそれを意識しすぎると腰が引けてしまう。まずは勝つことが大事」(中村憲剛)。

以上、5つのポイントで約6500文字です。読み応え、たっぷりです。よろしくどうぞー。

では、スタート!

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