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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第33節・FC東京戦)

 11月24日は、味の素スタジアムでのFC東京戦、通称・多摩川クラシコです。

 2試合を残してリーグ優勝が決まったため、残り試合の勝敗にかかわらず、川崎フロンターレの順位は変わらず1位です(そして今季のJ1で、現時点での最終順位が確定しているのは、フロンターレだけだったりします)。

 そう考えると、選手としても、モチベーションの持っていき方は難しいところがあると思います。想像するに、大学受験を終えた後に迎える3学期の学期末試験みたいなものでしょうか。「勉強しよう、しよう」と思っても、受験が終わった後だと、気持ちが入らなくてもおかしくはありません・・・いや、もう20年以上ぐらい前のことなので、覚えてないですけど・笑。

 ただ、そこは鬼木監督。
この2週間のトレーニングの強度をみる限り、通常とあまり変わらずか、なんだったら、より激しくなっていたような感じすら受けました。優勝したからといっても、練習メニューは決して緩めない。むしろ強めることで、チーム全体も引き締めるわけです。

「きつかったです(苦笑)。ただ勝ちにこだわるというメッセージだと思います。トレーニングしたことを出せれば良いですね」と車屋紳太郎は言います。練習を通じて、この試合に向けたそういうメッセージを選手たちに伝えるところが、鬼木流のマネジメントなのかもしれませんね。

 あとは「多摩川クラシコ」というカードであることも選手には良いモチベーションになるはずです。

「優勝を決めた次の試合が多摩川クラシコでよかったと思っている。自然とスイッチが入るし、モチベーションも上がってくる」と谷口彰悟。前回の対戦では負けている相手ですし、聞くと、前売りチケットはソールドアウト。満員の味スタで行われる一戦となれば、自ずと選手たちも燃えるはずです。

 では、そんな試合の見どころをたっぷりと語っていきたいと思います。今回のラインナップはこちらです。

1.「長居にもたくさんのサポーターが来てくれたが、味スタはより近い。そういう熱を感じながらやりたい」(中村憲剛)。優勝後の残り2戦で見せる、鬼木流のチームマネジメント。そして、気になる予想スタメン。

2.「ボランチの背後は意識しながらやりたいですね」(田中碧)。指揮官がチームに加える刺激を読み解く〜初先発が予想されるアオがやるべき3つのポイントとは?

3.「自分を応援してくれるファン、サポーター、そういう人たちに良いプレーを見てもらうことが、今年1年の恩返し」(長谷川竜也)。指揮官が、チームに加える刺激を読み解く〜その2。溜め続けたそのエネルギーをぶつけるタツヤが見せるもの。

4.「日本代表の選手が、一皮むけるか、並の選手で終わるかは、ここからだから」(中村憲剛)。日本代表・守田英正がキルギス戦で見せた「幅を使った攻撃と揺さぶり」が、FC東京守備陣攻略のポイントでもある理由とは?そして中村憲剛が守田英正にかける期待。

5.「今年に関しては、ファールする場所をみんなが意識するようになった」(チョン・ソンリョン)、「あの試合をきっかけにセットプレーをもっとやっていこうと話し合うようになった」(谷口彰悟)。実は、守備陣にとってターニングポイントになっていた等々力の多摩川クラシコで喫したFKでの2失点。その後、いかにしてFKのチーム守備は改善されたのか。

 以上、5つのポイントで全部で約8500文字です。

すでにリーグ優勝が決まっている状況だけに、サポーターもモチベーションの持っていき方は難しいかもしれません。ぜひこれを読んで観戦のポイントを掴んで、モチベーションをあげてもらえると幸いです。そういう内容を書きましたから。

なお、優勝が決まった前節のレビューはこちらです。おかげさまで大変好評でした→静かに、じっくりと噛み締める「連覇」。そんな優勝の仕方があってもいい。(リーグ第32節・セレッソ大阪戦:1-2)

では、スタート!

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