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「本当はショウゴと目があったんですよ」(武岡優斗)。なぜ武岡はロングボールではなく、車屋紳太郎への縦パスを選択したのか。同点ゴールの背景を深堀りしてみる。/ ワンポイントレビュー:天皇杯2回戦・ブラウブリッツ秋田戦:3-1

等々力競技場で行われた天皇杯2回戦・ブラウブリッツ秋田戦は3-1で勝利。


 この試合、フロンターレは現状で考えられるベストメンバーで臨みました。こちらはJ1で現在年間首位、相手はカテゴリーが二つ下のJ3のチーム。それだけに、「フロンターレの完勝」あるいは「楽勝」となる試合展開を戦前に予想していた方もいたかもしれません。

 しかしフタを開けてみると、前半終了時のスコアは0-1。ボールを握って敵陣地で相手を押し込むはずが、なかなか自陣から抜け出せないなど、内容的にも苦戦を強いられる展開でした。前半の内容には首をかしげた人も多かったはずです。

 では、なぜそんな展開になってしまったのか。試合後のミックスゾーンで中村憲剛が「すごく勉強になった試合」と振り返っていたのですが、それだけいろんな見所が凝縮されていた試合だったとも言えます。

 今回のレビューでは、ピッチ上の問題点と改善点について、前半と後半に分けてそれぞれ分析してみました。ラインナップはこちらです。

1.勇敢だった秋田のプレスに、敵陣までボールを運べなかった前半。違和感の原因はどこにあった?

2.「背中で我慢できるかどうか」(中村憲剛)、「もう一人が降りて数的優位を作って、はがしにいかないといけないと思った」(大塚翔平)。二列目と後ろで起きていた齟齬。

3.明暗が分かれた中野嘉大と田坂祐介。二人のプレーの選択から読み取れる弱気と強気。

4.「本当はショウゴと目があったんですよ」(武岡優斗)。なぜ武岡はロングボールではなく、車屋紳太郎への縦パスを選択したのか。同点ゴールの背景を深堀りしてみる。

5.「中が落ち着かない感じだったので、シンプルにサイドで打開するのが一番手っ取り早い。それが相手は一番嫌かなと」(車屋紳太郎)。システム変更からの「アイソレーション戦術」で左サイドを制圧し、呼び込んだ逆転勝ち。

以上、5つのポイントで約7000文字です。興味ある方は読んでみてください。

なおプレビューはこちらです。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯2回戦・ブラウブリッツ秋田戦)

では、スタート!

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