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高い強度による連動したプレッシングと鬼気迫るボール狩り。そして握り続けたボール。攻守に圧倒し、大切なものを取り戻した多摩川クラシコの完勝劇。(リーグ第19節・FC東京戦:3-0)

味の素スタジアムでのFC東京戦は3-0で勝利。

試合内容がそのままスコアに現れたゲームだったと思います。チームとしてやるべきことを完遂し、攻守両面で圧倒して首位を撃破しました。

 試合後の鬼木達監督は、監督会見でこう胸を張りました。

「川崎のサポーター、東京のサポーター、素晴らしい雰囲気を作ってくれた中で、自分達が自分達らしく、選手が怖がることなく突き進んでくれたと思っています。今日のゲームに関しては、気持ちの部分だけを常に言い続けてやってきていました」

 このFC東京戦がこれまでのゲームと違ったのは、「自分たちがどうあるべきか」と立ち返って試合の臨んでいたことです。

「相手がどういう対策をしてくるのか」という土俵で戦おうとしたのではなく、「自分たちがどうあるべきか」の土俵に相手の方を引っ張り出そうとしました。

そして、それがチームとしていかに機能したのか。ゲームレビューではたっぷりと語っております。早速ですが、本文へ。今回のラインナップはこちらです。

1.「もっと自分たちからアクションをして、ゲームを進めるというのを意識していました」(田中碧)、「今日は点を取ったし、自分たちが進むべき方向は見えている」(車屋紳太郎)。自分たち発信でやり切る。チームとして大切なものを取り戻した多摩川クラシコの完勝劇。

2.「これだけ攻守に圧倒できた試合は、今シーズンは中々なかったのではないかと思います。」(田中碧)、「蹴った後のセカンドボールも奪えていたし、そこから剥がすのも、うまく回してくれていた。すごくやりやすかった」(登里享平)、「うちは上手い選手が多いので、一旦、しっかりつないで呼吸が整うまで、ボールを大事にしてから攻めてくれる」(小林悠)。高い強度による連動したプレッシングと鬼気迫るボール狩り。そして握り続けたボール。攻守に圧倒するサッカーを完遂できた要因とは?

3.「出たときに何が出来るのかを示さないといけないというのは、プロとして一番大事だと思ってたので。そこにかける気持ちはありました」(下田北斗)。全得点に絡むプレーぶりを見せたホクト。自分のやるべきことを淡々とやり続けることにあるその強さ。

4.「今日は永井選手のように速い選手がいるが、(自分たちも)後ろはスピードがある選手がいるので、そこはラインを上げて戦おうと言っていた」(車屋紳太郎)、「後ろからも(相手は)来てましたが、あっちは左に流れていたので、そこは大丈夫かなと」(登里享平)。強気のライン設定で永井謙佑とディエゴ・オリヴェイラの2トップを完封した最終ライン。66分のピンチをしのいだ、登里享平による的確な判断と絶妙なアプローチ。

5.「ケンゴさんからもらう瞬間に学の動きが見えたので、うまく出せました」(小林悠)、「悠くんからのパスがすごくてびっくりした(笑)」(齋藤学)。イメージの共有と中村憲剛が生み出した「絶対時間」。FC東京守備陣を完全攻略して生まれた追加点を読み解く。

6.「阿部ちゃんはサッカーがわかっている。急ぐ時、急がないとき、サッカーをわかっている選手だし、シュートもうまい」(小林悠)。ゴールを決めれば負けない。サッカーのツボを知る阿部浩之が続ける不敗神話。

7.「ジュニーニョは点を取りすぎているから、まだ先は長いです(笑)」(小林悠)。偉大な師匠と同じ場所で達成したJ1通算100ゴール。まだまだその背中を追いかけていく。

8.「あれは、人生であんまりやったことのない切り返しだと思う」(中村憲剛)。齋藤学の得点を生み出した、バイタルエリアでの「絶対時間」の作り方。あの局面での中村憲剛はどういう絵を描いていたのか。(※7月17日追記)

以上、8つのポイントで約14000文字です((※7月17日に後日取材としてポイント8を追記しました)。ボリューム盛りだくさんで書きましたので、ぜひ読んで多摩川クラシコの勝利を噛み締めてみてください。

なお、プレビューはこちら。プレビューを読んで答えあわせをすると、楽しさ倍増です。→試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第19節・FC東京戦)

では、スタート!

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