柏に「息継ぎ」をさせなかった鬼木フロンターレの切り替えと球際。そして卓越したゲームコントロール力を持つ阿部浩之が見せた、後半の進め方。(リーグ第31節・柏レイソル戦:3-0)

 等々力競技場での柏レイソル戦は3-0で勝利。

 まず先週のNDスタジアム山形での天皇杯準々決勝・モンテディオ山形戦の敗戦は、リーグ連覇と天皇杯という2冠の目標が破れたこともあり、チームに少なからずショックを与えるものでした。

 迎えたリーグ残り4試合。そのラスト4となるこの柏戦に向けた舵取りを担う鬼木監督が徹底したのは、フロンターレを率いてからずっと言い続けていたことでした。具体的には、切り替えと球際の激しさ、そして攻撃のマインドを忘れないこと。要は、「チームとしてやるべきことをやる」ということです。

そしてこの日の等々力のピッチでは、それを見事に表現したサッカーが展開されました。残留を目指して意地を見せる柏レイソルを攻守両面で圧倒し、3-0で完勝。

 試合を見ていて伝わってきたのが、選手それぞれが自信を持ってプレーしていたことです。

 例えば、チョン・ソンリョンの出場停止を受けてゴールマウスを守った新井章太。ピンチの数自体は少なかったものの、自信を持った強気のプレーを見せて、要所でファインセーブも披露。無失点に貢献しています。

 もちろん、試合を振り返るとピンチもありました。38分には、味方のパスミスが伊東純也に渡り、切り返しからのシュートがポストに救われるという一幕もありました。ポストのもう少し内側に当たっていたら、ゴールネットに吸い込まれてもおかしくはなかった場面です。しかし、自信というのは「運」も味方につけるのかもしれません。試合後の新井はあの局面を、こんな風にジョークを交えて話します。

「あれは俺のおかげじゃないですか。俺がドシッと構えていたから、(伊東純也が)サイドに打たないといけないと思わせた・・・だいぶ運も味方しましたけどね(笑)」

 あそこで柏に1点入っていれば違う試合展開になっていたかもしれません。そういう意味では、運もあったのでしょう。とはいえ、試合内容から言えば、3-0での勝利は妥当なものだったと思います。

 そんなゲームのレビューになります。今回のラインナップはこちらです。

1.「相手はそんなにガチガチに引いてくる感じではなく、スペースはそれなりにあった」(下田北斗)、「5バックというよりは、3バックでウィングバックがあまり守備に参加できていない感じだった」(知念慶)、「自分たちのサイドハーフに対してウィングバックの選手が出てきてくれていたので、僕らは背後を突きやすかった」(守田英正)。組織的な不備の目立った柏の5バックを崩した先制点。抜け出した守田英正が、中村憲剛ではなく家長昭博に配給した理由とは?

2.「攻守でスイッチを入れる。90分、(体力を)持たさないつもりだった」(中村憲剛)、「球際、切り替えでハードワークしてくれた」(谷口彰悟)、「前半から攻守の切り替えで前線が頑張ってくれていた。それで相手も奪った瞬間はプレッシャーを感じていたと思う」(登里享平)。これぞ、鬼木フロンターレの生命線。柏に「息継ぎ」をさせなかった、切り替えによるボール奪取と前線からのハイプレッシャーを読み解く。

3.「普通に(1本目を)ミスったんで。奈良ちゃんがアウトカーブがいいと言っていたので、ケンゴさんが蹴る」(下田北斗)、「(1本目で)北斗がニアにひっかけた。フィーリングが良くないのかな」(中村憲剛)。CKのキッカー交代が生んだ、谷口彰悟のピンポイントヘッドによる追加点。ニアサイドに飛び込む谷口の黄金パターンが、この柏戦で復活した理由とは?

4.「カウンターに行きたいが、相手も戻りが早かった。行ったり来たりのゲーム展開は、相手の土俵。そこに持っていかないためのコントロールを考えた」(阿部浩之)。舵取りの難しかった2-0からの進め方。卓越した戦術眼を持つ阿部が見せた、カウンターの「キャンセル」とゲームコントロール力。

5.「走らせるところと、足元で受けさせるところの駆け引きですね」(登里享平)。スピードスター・伊東純也との地上戦で主導権を渡さず、1点目と3点目の起点も担ったノボリ。彼が天皇杯山形戦から抱えていた思い。

6.「名古屋のジョー選手と同じように、体をくっつけるとそれを利用して入れ替わるというのは言われていた」(奈良竜樹)。川崎守備陣による193センチのオルンガ対策。そして連続3失点を喫した守備陣に指揮官が寄せた信頼の言葉と、リーグ連覇への思い。

 以上、6つのポイントで全部で約11000文字です。柏戦の勝利の背景を、選手の証言とともに掘り下げております。読み応えは十分だと思いますよ。

なお、試合のプレビューはこちらです。➡️試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第31節・柏レイソル戦)

では、レビュースタート!

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柏に「息継ぎ」をさせなかった鬼木フロンターレの切り替えと球際。そして卓越したゲームコントロール力を持つ阿部浩之が見せた、後半の進め方。(リーグ第31節・柏レイソル戦:3-0)

いしかわごう

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