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新装再編版「スラムダンク」を語る〜第2巻レビュー:表紙の流川楓は、陵南との練習試合の集合場所に向かっている説。

新装再編版「スラムダンク」を語る。今回は第2巻のレビューです。

※1巻はこちら➡️新装再編版「スラムダンク」を語る〜第1巻レビュー:流川楓の名前の由来を、君は知っているか?

表紙:流川楓

表紙を見ていて気付いたのですが、実は流川くんが学生服でロードバイクに乗っている組み合わせというのは珍しいんですよ。

 というのも、彼がこのロードバイクを乗っているときというのは、バスケットコートのある広場に早朝練習するときなんです。バスケのトレーニングに向かうときの愛車ですし、このロードバイクに乗るときの服装は、常にスポーツウェアです。

 じゃあ、学生服姿のときに何に乗っているかというと、ママチャリですね。陵南高校との練習試合翌日には青田が、翔陽高校との試合翌日には花道が、寝ぼけている流川のママチャリにひかれてます・笑。

 そう、流川君は通学のときはママチャリ、バスケの早朝練習ではロードバイクと愛車を使い分けているんです。

 そう考えると、このときの流川は、学ラン姿のロードバイクでどこに向かっていたんでしょうか???

 学ランだから、学校でしょうか?

・・・でも背負っているのがバスケ用のバッグっぽいので(たすきに「BASKET ・・・」との文字がある)、バスケの試合会場に向かっているのかな?と思って考えていたら、想像できました。

それは「陵南との練習試合で、チームの集合場所に向かっている最中ではないか」とことです。

 これは新装再編版3巻での描写になりますが、陵南高校までの電車での移動風景を見ると、チームメートはみな学ラン姿ですし、流川の持っているバスケ用のバッグもこれとデザインが一致します。

 陵南との練習試合のチームの集合時間は、8時半です。もしかしたら、その集合時間に遅刻しそうになったので、ママチャリではなくスピードの出るロードバイクに乗って、急いで向かっていたのかもしれませんね。練習試合帰りだと夕方ぐらいになっているはずなので、行きだと思います。

・・・ということで、2巻の表紙は「陵南との練習試合で、チームの集合場所に向かっている流川くん説」と予想しておきます。

ちなみにこの場所は、ツイッターでも話題になりましたね。

さて。

第2巻のタイトルは「庶民シュート」。収録されているのは、♯15 ある雨の日 から♯24 明日の前の日までの10話分です。

帯カバー:「1年にいいのが入ったんだ」

これは誰のコメントかというと、バスケ部の木暮副主将が柔道部主将の青田に言ったものです。ちょっとマニアックなところをついてきましたね。

 第2巻のメインとして、ゴリのライバルである柔道部の青田が出てきます。花道の身体能力に惚れた青田による勧誘を受けて、あわや「柔道編」が始まりかけます・笑。

 ここらへんの時期も、まだ漫画としての方向を探って試行錯誤している感じが伝わってくる頃です。どうやら当時の担当編集者に「バスケ、バスケで行くのはダメだ」と言われて、「なんで柔道?」と思いながらも柔道部のネタを盛り込んでたとのことです。ジャンプ連載作品での生き残りをかけていた時期だったので、必死だったわけです(詳しくは「漫画がはじまる」という対談本を読んでみてください)。

 ちなみに井上雄彦先生が「影響を受けた漫画」としてよくあげるのは、野球漫画の「ドカベン」なんですね。ドカベンが、初期の頃「柔道漫画」だったのは有名な話ですな。

 スラムダンクが素敵だと思うのは、青田を捨てキャラにせず、その後もちょいちょい出て来るところです(主にギャグ要員ですが)。それでいて、インターハイ出場をかけた陵南戦終盤に青田が会場に現れるシーンがあって、木暮くんが3ポイントシュートを決めた後の青田のやさしい表情は、何度みても泣けます。序盤に蒔いておいた種がこうやって実ったわけで、あれは名シーンです。

 柔道部の勧誘が終わると、バスケ漫画の要素が一気に強くなっていきます。連載中に人気が出て来たのも(連載で前の順番で掲載され始めたのも)、この「庶民のシュート」を練習したあたりからだった覚えがあります。

・・・にしても花道の「庶民シュート」というネーミングセンスは秀逸ですな。バスケに詳しくない人でも覚えやすいですよね。体育の授業でバスケやるとき、こぞってみんなが「庶民シュート」って言いながら放ってました。

 早朝のバスケコートで花道が晴子さんと庶民シュートの練習をしているときに朝練に向かう流川が自転車をハイスピードで飛ばしています。

 このウォークマンで聴いている曲は、プリンスの「NEW POWER GENERATION」だったりします。1巻のレビューでも書きましたが、「NEW POWER GENERATION」は14話のタイトルでもありますから、かなりお気に入りなのだと思います。

 陵南戦前日、花道がゴリにリバウンドを教わって2巻は終了。陵南との練習試合が始まる頃から人気が沸騰し出します。

では、また。

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