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「カメラを止めるな!」を語る:vol.2〜手に負えないことをしないで、何が映画だ。

どうも、いしかわごうです。

「カメラを止めるな!」を語るの第2回目です。第1回目ではこの映画との出会いと初鑑賞までの話をざっと振り返ってみました。

 今回はその後の話です。

■「ミイラ取りがミイラになる」ならぬ「ゾンビ取りがゾンビになる」

最初の鑑賞から興奮が冷めやらない僕は、すぐにもう一回「カメラを止めるな!」を観たくなっておりました。このゾンビ映画を鑑賞してハマった人を「感染者」と呼ぶのだけど、まさにゾンビ感染してしまったわけです。

 しかもこの映画は、観るとまわりに勧めたくなる魅力があるからやっかいなんです。そして勧められて足を運んだ人も、ゾンビ感染…そら全国拡大するわ・笑。「ミイラ取りがミイラになる」ならぬ、「ゾンビ取りがゾンビになる」ような映画なのだ。

 2度目の鑑賞に足を運んだのは、その翌々日の7月22日でした。
その日は等々力競技場で、Jリーグの川崎フロンターレ対V・ファーレン長崎との試合開催日なのですが、試合時間はナイターなので、夕方まではフリー。せっかくなので川崎チネチッタで鑑賞しようと、前日にネットでチケットを予約してみました。当時はまだ大スクリーン部屋での上映ではなかったのですが、それでも随分な勢いで座席が埋まっていましたね。

■熱々ポイント満載のパンフレット購入はマストで!

 このvol2で伝えたいのは、この映画のパンフレットを是非買いましょうといこと。

 パンフレットの値段は800円。「完全ネタバレ仕様」と書いてあるように、撮影時の裏話がたくさん掘り下げてある。本編の台本も掲載されています。「あそこは実はこうだったのか!」とか答え合わせができるし、鑑賞後に読むと、より深く堪能出来る熱々ポイントが満載なのだ。カメ止めを味わうには、必須アイテムと言っても過言ではない。

 それもできれば、鑑賞前に買ってしまったほうがいい。なぜなら、鑑賞後になると、作品に魅了されたみんながいっせいに並んで殺到するからだ。時間がかかるし、もしかしたら、すぐに売り切れてしまうかもしれない。だから上映前に購入しておくのだ(もちろん、鑑賞し終わるまでは絶対に読んではいけない)。

「手に負えないことに挑もう!

 そして、このパンフレットの冒頭に上田慎一郎監督からメッセージが掲載されているのだけど、特に印象的なフレーズがある。

「手に負えないことに挑もう。」

「手に負えないことをしないで、何が映画だ。」

 「スラムダンク」や「バガボンド」の作者である漫画家・井上雄彦先生が、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも「手に負えないことをやる」と語っていたのを思い出します。

 普通、漫画はGペンなどペンを使って描くものです。しかし井上先生は、バガボンドのある時期から筆を使って描くようになった。筆を使うことで線に味が出たり、登場人物の独特な表情を描き出せるようになったからだ。

 自分がコントロールできるものではなく、あえてコントロールしにくい筆を使っている描く。もちろん、思い通りに描けないことも多い。そこで、筆にまかすように描く。作品も自分がコントロールして描くのではなく、キャラクターに問いかけるように描いていく。筆で描くことは、まさに「自分に手に負えないこと」なのだが、そこに挑戦しているのだと話していた。

 この「カメラを止めるな!」はまさに「手に負えないこと」に挑戦した映画でもある。37分のワンカットもそうだし、上田監督が「二度と撮れない」と振り返ったラストシーンもしかり。そういう挑戦の姿の数々に、上映中はいつしか「がんばれー!」と応援してしまっている自分がいるし、それを見ず知らずの観客たちと映画館で観て共有しているのも魅力だ。

 そして見終わると、まだこの映画が続いているかのような気分になって、自分もキャストの一人のようになって「この映画を観て欲しい!」と宣伝してしまうの(ゆえに、あの映画のTシャツがあれだけ人気になるのは必然だ)。この感覚は、DVDとかHuluとかNetflixとかAmazonプライムとかで、部屋で一人で観ていても味わえない。だから、映画館に足を運んで観て欲しいと、これだけ多くの人が宣伝してしまうのだ。

・・・どうですか。あなたは最近、手に負えないことに挑戦しましたか?

 さて。
川崎チネチッタも満員で、相変わらず爆笑が起きていたし、夜の等々力では川崎フロンターレがしっかりと勝利してくれた。

 
そしてこの時期から日テレの「ZIP」やフジテレビの「めざましテレビ」で『カメラを止めるな!』の特集が組まれるなど、地上波のニュース番組が取り上げるようになって、手に負えないほどの拡大感染をしてきました。会う人から「あの『カメラを止めるな!』っていう映画、そんなに面白いの?」と聞かれることも増えてきました。

ますますブームになってきたと感じる7月後半なのでした。


#カメラを止めるな

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