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とにかく明るい安村がスキ~世界が馬鹿になった日~

前も書いたけど、『とにかく』、この動画がスキ。

まさに、『世界が馬鹿になった日』だ。
オーディション前半の、”コイツもしかして裸になるんじゃないか…”という不穏な空気、アウェー感からの1ネタ目での沸騰がたまらない。一気にホーム化させたその芸当はまさにお笑い用語でいうところの『緊張の緩和』。審査員の爆笑、スタンディングオベーション、審査員の一人であるアリーシャディクソン(歌手・ダンサー)の「Oh,YES!!」が全てを物語る。
2ネタ目からのアリーシャのノリの良さが更にこの男を勢いづけ、「I’m wearing」に対するアマンダの「Pants!」の合いの手も素晴らしい。そしてここでのジョッキーネタで完全に会場が幸せな空間で統一された。
3ネタ目はイギリス仕様に鉄板の『ジェームスボンド』でかましたもんだから、前述した「Pants!」の合いの手についにアリーシャも加わる。そして4ネタ目のスパイスガールズで神がかり的な空間に。連続技の中でもきっちりと音に合わせてくる(緊張や練習不足だといわゆる『早取り』という、音より先に動作をこなしてしまう)点、表情など細部にもこだわっている点に彼の陰ながら積み上げた努力・実力が垣間見えた。だから、この馬鹿げたショーにみんなが虜になり、みんなが馬鹿になれた。素晴らしい空間だった。

僕は常々思っている。『笑い』って、いわゆる『衣食住』には含まれていない点からみれば、人生には究極的には必要がないと思われている。でもそれは間違っている。『笑い』があるからこそ、人は「生きたい」と思い、生きる意味を確信する。だから本能的に、人は笑いたいし笑いを求め続ける。でも世の中はシリアスすぎて、複雑すぎて、だから瞬間的・本能的に笑うって場面が無くなりがちだ。ただ、この空間は、別格だった。言葉も国境も関係なく、この男に転がされた。
世界が馬鹿になった日。僕も同じように馬鹿になれて、幸せだ。


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