見出し画像

【名言】サイコロを振るような…

「ベテランになってくると楽しちゃうじゃないですか。『追い込む作業をしたくない』とか『辛い練習はしたくない』とか、好きなことをやって好きな風にリングに上がって、じゃあパフォーマンスを見せて『駄目でした』『良かったです』って。そういう『サイコロを振る』ような仕事はしたくないんですよ
by格闘家・金原正徳(2024.4.29鈴木千裕戦前の『RIZIN CONFESSIONS』より)

格闘技は残酷だ。勝者が正義で、敗者は去るしかない。どんなに積み重ねても一発のパンチで崩れ落ちてしまう時がある。2024年3月29日、残念ながら格闘技の神様は金原選手には微笑まなかった。その意味では、金原正徳ではなく鈴木千裕の言葉こそが正しかったことになる。

でも―――

試合を終えて改めて振り返って、やはり僕は金原選手の言葉が輝いて、愛おしく思えている

この動画での
「(20代で自伝を出した鈴木千裕に対して)20のクソガキが?笑 20代のクソガキが何人生語ってんすか本当に笑 破り捨ててやりますよ俺が。まだ何も苦労してないっすよ。」
もそう。負けた後の、
「(試合後インタビューで息子さんのことを聞かれ)長男の方には今日出発前に、『ちょっとパパ大事な話があるぞ』と。勝負の世界は勝つこともあるし負けることもある。でも精一杯やっていれば、誰かが見てくれる。だから、パパの頑張っている姿を目に焼き付けてくれというのは息子に言いました。で、試合を終えてから会って、『ちゃんとパパの姿見たか』って言ったら『うん、見た』って。まぁほんとに、いい事ばかりじゃない。負けを教えることも教育だと思うし、それでもまた明日から頑張るぞという。良くも悪くも親父の背中を見せられたかなと思います。」
もそう。

「クレベル戦が決まりました、寝技一生懸命やりますって、ふざけんなって話です俺から言わせると。」なんて痛快の一言だった。

試合に向けたプロフェッショナルな姿勢だったり、人生観だったり。本当にこの一年、一挙手一投足に学ばされた。積み重ねた人間は、円熟した時の渋みと哀愁がたまらない。こんなこと言っちゃう僕も、なかなか年齢を重ねてきたってことかね笑

今回の試合後インタビューで『今後の展望』を聞かれた時、含みを持って明言しなかった金原選手。またリングに立つ姿が見られたら、また静かにでも心から、応援致します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?