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壊れかけの蔵とヤギと雑草と

 「寒の戻り」で寒い日が続いていますが、植物たちは3月が見えているのでしょうか。
かなり遅くに土へ入れたチューリップの球根から芽が、ぐんぐん伸びています。
そして一面の枯草の隙間から雑草も出てきました。
あいかわらず、雑草の名前はタンポポとイヌノフグリ以外はわらかりません。
いや、イヌノフグリでさえ、オオイヌノフグリとの区別がつかないなぁ。
 
今年、初めて、ヤギに雑草を食べさせるために移動させました。
10年ほど前まで蔵が建っていた我が家の敷地では一番の高台へ。
僕が子どもの頃、この蔵は、冬になると敷かれていた絨毯、法事の際に使用する器などが収納されていました。
当時、我が家には押し入れというものがなかったのです。
四方が障子か襖で覆われ、冠婚葬祭や法事などの際には、
すぐ大広間にできて便利ですが、
身の回りの荷物が増えてしまった現代の生活では不便です。
 
30年ほど前、大規模な改築工事の際、いくつか押し入れのスペースを作ってからは、蔵の利用頻度は減っていきました。
絨毯も使わなくなり、いつの間にか粗大ごみで捨てたらしい。
 
僕が安八町に戻って住み始めた頃、既に崩れかけていました。
隣の家に迷惑がかかる恐れがあるので解体することに。
見積もりをとってもらう際、壁に穴が開けられ、泥棒が入った痕跡があることもわかりました。
 
ある激しい雨の日のこと。
轟音が聞こえました。
庭に出ると、蔵が崩れていたのです。
テレビでビルの爆破をする際、真下に崩れるように、キレイに。
雨で土埃も抑えられていました。
多少、我が家の母屋の方に瓦が散らばっていたけれど。
母も呼び、2人とも無言で拝んでいたっけ。
 
その後、少しずつ散らばった瓦を集めて母屋の壁の脇に積み、
崩れた蔵の木材で焚火をしながら、
ウィスキーを飲む時間が好きだったなぁ……
と、すっかり、話が逸れました。
 
2年ほど前に亡くなったヤギ「らら」も、この高台の近くで眠っています。
今日は、在りし日の「らら」@高台。

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