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上越note#6林富永邸(はやしとみながてい)

NHKの「ふるカフェ系ハルさんの休日」で取り上げられた「林富永邸」にかねてから行ってみたいと思っていたが、本日公開日(2022年11月12日)と知って出かけることにした。

国道253号線を走っていると三和村に入ったところで看板が出ている。雪中梅の酒造元丸山酒造の近くだ。

里の秋、真っ盛りでもあって臨時駐車場が作られているにぎわい。


何人かいるボランティアの案内スタッフのうちの一人の方と目が合い、説明をうけることになった。林さんと富永さんが住んでいたんですか?とボランティアの方に尋ねたら、「林の中にある富永さんのお屋敷ということです」という説明だった。



詳しくは、富永家はこの神田郷に上杉謙信の臣下として土地を与えられ一族で住んでいた。分家の一人が高田藩から与えられた林の中を切り開いて屋敷をたてたのがこの地で、林は屋号ということだ。本家はもっとすごい屋敷だったが火事で焼けてもうなくなっている。この林富永家は明治16年に建てられたもの。樹齢600年の杉林の中にひっそりと建っているが、杉苔が敷き詰められ枯山水の庭園がある。
 


長く当主が長野県に住んでいて空き家だったが、現在の当主が戻ってきて修復し古民家カフェを開いたのが「カフェハヤシ」

発酵スイーツが名物。
ちなみに、年間を通して雨が多く、酒や味噌など上越には発酵食品が多くある。さらに世界的な発酵の権威、坂口謹一郎も輩出している。


邸内には農民たちの出入り口と賓客を迎える出入り口とが分かれていて、農民仕様の部屋と武家仕様の部屋の造りも違っている。太い梁や二階にあるくつぬぎの部屋は雪国仕様。

どこを見ても趣のある邸内


直江津の歌人たちが書いた和歌を集めて表具した衝立


犬養毅の額

旦蕩蕩(たんとうとう)は、正式には君子旦蕩蕩。小人長戚戚。「君子は心が平らかでのんびりとしている。小人はいつまでもくよくよしている」という意味。

この近くにある諏訪村から外交官芳澤謙吉が出ているが、吉澤は犬養毅の娘婿。そのような縁なのかな。ちなみに芳澤謙吉の孫娘が国連難民高等弁務官だった緒方貞子さん。いろいろと縁が見えてくる。


勝海舟の書

奥の間に勝海舟の書がある。この近くにある岩の原葡萄園の創始者である川上善兵衛は勝海舟の弟子だった。川上善兵衛とともに勝海舟はこの地をたびたび訪れているそうだ。ボランティアさんの話によると、善兵衛さんは葡萄作りに財産を費やして奥さんを離縁してしまう。その奥さんが再婚して嫁いだのが富永家だったという。奥さんとも親交のあった勝海舟がこの家を尋ねて書を残したとか・・・。



縁側から見える借景

苔庭の向こうに田んぼが見えるが、春には水がはられて海のように見えるそうだ。

目の保養をさせてもらいました。


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