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ひとりマーケターだった僕が「モノを売りにくい世の中」を変えることを目指していたら、ベーシックに行き着いた話。

こんにちは、株式会社ベーシックの石鍋達也と申します。
前職ではHRテックの会社に勤め、そのうち3年間は「ひとりマーケター」として幅広くマーケティング業務に携わってきました。そして現在はベーシックにて、フォーム作成管理ツール「formrun」のマーケティングを担当しています。

このnoteでは、私がひとりマーケターだった頃も振り返りながら、「マーケティングの力で、モノを売りにくい世の中を変えていきたい」と思っているお話をしていきたいと思います。特に以下にあたるマーケターの方はぜひお読みいただけると嬉しいです。

・Webマーケティングの力で世の中の売り方の根本を変えていきたい方
・PLG型のSaaSモデルにチャレンジしてみたい方
・プロダクト愛溢れる環境で仕事がしたい方

なぜマーケターになったのか

新卒で入社した前職では、営業、CS、マーケティングと、部署自体は複数横断しつつ、どの部署においても「マーケティング」に関わるという経験をしてきました。

・営業 兼 マーケティング:(1年)
 アウトバウンドから商談、受注まで、兼任で有料広告運用とSEO記事を執筆

・CS 兼 マーケティング:(1年)
 顧客の目標達成に伴走、兼任で有料広告、メディアを運用(SEO・分析)

・マーケティング:(3年)
 オンライン、オフライン問わずの自社のリード、商談、受注獲得を目的としたマーケティング業務全般の実行

そして、兼任の時期も含めて様々な形でマーケティング業務に携わる過程で、BtoB事業における「営業活動の非効率さ」に強く疑問を抱いていました。というのも、当時は「営業=アウトバウンド」と言っていいほど、リード獲得手法はテレアポが中心。しかし1日100件以上電話をかけて、繋がるアポはせいぜい1、2件という非常に確率の低い状態だったためです。

少しでも効率よくアポの獲得を行うために、まずは始めに兼任でWebマーケティングに携わらせてもらい、リスティング広告の出稿やSEO対策のための記事執筆を毎週行い始めたところ、徐々にインバウンドでもお問い合わせをいただけるようになりました。
そこからお問い合わせいただいたお客様は、従来のテレアポ経由よりも感度が高く、商談・受注に繋がることが多かったことから、結果的にはその取り組みにより商談化率を2%から10%まで大きく向上させることができました。

この実績を機に、他業務との兼任状態から徐々にマーケティングに特化した仕事を任せてもらうようになったのですが、ここで大きな壁にぶつかることになりました。
前述のように、元々は営業主体の会社だったため、本格的なマーケティング組織がまだなく、マーケターも自分ただ一人。いわゆる「ひとりマーケター」状態だったため、圧倒的なリソース不足に悩まされることになったのです。

やるべき施策は商材によって様々あり、広告運用、メディアの運用、SEO記事の執筆、ホワイトペーパー、LPのディレクション、セミナー企画、メルマガ配信、施策の分析・改善などなど、総じてやることは尽きず、一つを終わらせればまた別のことに追われるループ状態でした。
一人で全てを回すことは到底厳しく、限られたリソースの中でも成果を出していくために、以下の2つの要素を大切にするようにしました。

・やらないことを見つける
・テクノロジー(サービス)を活用して、戦略立案の時間を作る

いかに闇雲に施策を行わず、自社の持ち駒の中での最善な施策を見極めて、インパクトの大きい施策に注力し、トライアンドエラーを繰り返す。そしてインパクトが見込める施策に対してはサービスへの投資を惜しまず、空いた時間は戦略を考える時間に充てる。
この2つを徹底した結果、限られたリソースながらも着実にマーケティング成果に繋がり、結果的には全社で表彰を受けるまで、自社のマーケティング機能を成長させることができました。

この成功体験を通じて、「一方的に売り込むのではなく、ユーザーに自社サービスを見つけてもらうための仕組みや、サービスに価値を感じてもらうための資産になるコンテンツを貯め続けていくことがより重要になっていく」と強く感じました。そして、これが改めてマーケターを自分のキャリアの主軸として挑戦していくことを決めるきっかけになりました。

なぜベーシックに転職したのか

前職がまさにそうだったように、BtoBマーケティングが浸透せず、テレアポを主体としたリード獲得に力を入れてしまう背景には、「知識(ノウハウ)」「注力できる環境」「人(リソース)」の3つがない、という本質的な問題が影響していると感じていました。
言い換えると、「これら3つの根本解決なくして効率的に売れる仕組みは構築できず、これが原因で”モノが売りにくい世の中”を作り出してしまっているのでは」と考えるようにもなりました。

振り返ると、僕はひとりマーケターでリソースがないとは言いつつ、どちらかと言えば恵まれた環境にあったと思います。なぜなら、少なくとも前職の後半はマーケティングだけに専念させてもらえる環境があり、その上で、知識を身につけてトライアンドエラーを繰り返し、知見に転換する時間が一定許されていたからです。

それに対して、世の中の多くのBtoB企業ではそうはいかないと思っています。マーケティング業務が兼任であったり、知識を蓄える時間が許されなかったり、そもそも任せられる人がいなかったりと、より限られたリソースや環境の中で成果を出すことを求められていることも多いためです。

そんな”モノが売りにくい世の中”という本質的な問題解決に向き合いたいと悶々としていたときに、ベーシックと出会ったのです。

改めて、ベーシックは「Webマーケティングを大衆化する」ことをミッションとし、BtoB企業がマーケティングの現場で抱えている「知識」「環境」「人」の課題を、テクノロジーの力で解決することを目指している会社です。

そしてこの課題解決のため、国内最大級のWebマーケティングメディアである『ferret』、オールインワン型BtotBマーケティングツールの『ferret One』、フォーム作成管理ツールの『formrun』という3つの事業を展開しています。

僕がベーシックに入社することになった最初のきっかけは、前職でferret Oneを導入していた際に、当時のカスタマーサクセスの担当者に対して退職の連絡をした際に「もしベーシックにも興味があれば会いませんか」と声をかけてもらったことでした。

その際に、「ベーシックは”問題解決の専門家集団”という意識が組織に根付いているからこそ、企業が抱える課題の解決については、どこよりもやり抜いている自信があるという話を、いつもチームメンバー同士でしてるんですよね」と、その担当者がふと漏らした言葉を今でも鮮明に覚えています。

会社としてだけではなく、社員一人ひとりが、BtoB企業が抱える根本的な問題解決を目指して必死に取り組んでいる。そんな環境があることがその言葉から強く感じられました。既にいくつかの会社の話を転職活動を通じて聞き始めていたものの、結局その話がずっと忘れられず、改めてベーシックでも選考に進んでみることにしたのです。

CSOの佐々木、カスタマーサポート マネージャーの渡辺、データ&ファネル改善グループ マネージャーの深川等、実際に面接を繰り返す中で、その話は現実味をおびてきました。そして、その中でも転職の決定打となったのは大きくは3つでした。

①「Webマーケティングの大衆化」という会社のビジョンが社員にしっかりと浸透している
②マーケティングに大切な「仮説思考」が全ての部署に根付いている
③プロダクトの成長のために同じ目標に向かい、喜びを分かち合える環境である

①「Webマーケティングの大衆化」という会社のビジョンが社員にしっかりと浸透している

いつ、どのメンバーと話した際でも、全員が「Webマーケティング大衆化」の実現について語っており、会社で明文化しているビジョンがしっかりと浸透していることを強く感じました。会社が掲げているビジョンに社員一人ひとりが共感し、そのビジョンを実現するために何をすべきかを考え挑戦していることが伺えました。

全員の志が同じであれば、ありとあらゆる企業の課題を解決に導ける。まさに自分が課題と感じていた、「知識」「環境」「人」の3つの不足を解消することで、”モノが売りにくい世の中”を変えることがこの会社ならできる、そう強く感じたのです。

②マーケティングに大切な「仮説思考」が全ての部署に根付いている

formrunを運営するPLG事業部では、10個のバリューが定められています。この中でも「仮説思考」、つまり、何らかの問題解決をする時には常に仮説から考えることを意識し、次にどんなアプローチをすることでよりユーザーの満足度を上げることができるかを考える。このことが全部署(マーケティング、CS、デザイナー、エンジニア、プロダクト)に根付いているという話を面接を通じて聞きました。

この仮説思考の重要性は、ひとりマーケター時代に強く感じていました。無駄なく精度の高いマーケティング施策を講じるために、仮説を立てて検証し、また新たな仮説を立てることを繰り返し行うことを大切にしていたのです。

そのため、ベーシックがこの仮説思考力に組織全体として目を向けていることに、とても共感を覚えました。面接の中でも、僕から何度かformrunの状況について質問をしたのですが、その際も仮説と事実をもとに明確に説明してもらったことから、その信憑性が上がり、仮説思考を大事にするこのチームのメンバーと切磋琢磨することで、さらに自分も成長できるのではと強く感じることができました。

③プロダクトの成長のために同じ目標に向かい、喜びを分かち合える環境である

ひとりマーケターのときは、正直とても孤独でした(笑)。目標達成の喜びを誰かと分かち合うことも少なかったので、少し青臭い言い方かもしれませんが、チームで一丸となって目標に向かいながら働くという環境に、どことなく憧れみたいなものを感じていました。

formrunでは、チーム目標を達成した際や、何かプロジェクトをやり遂げた際には、ドキュメントやSlack上でコメントをしたり、スタンプを押して喜び合う文化があります。
チーム一丸となって目標の達成に向かう熱量と、互いを尊重し、称え合う風通しの良い環境であることを感じ、次はそのような環境で働いてみたいと、選考を進めれば進めるほど思いが強くなりました。

実際にドキュメントに記載されていたコメント

ベーシックで今後やっていきたいこと

改めて、”モノが売りにくい世の中”を変えていくために必要なことは、「お客様が最小限のリソースでマーケティング活動を行い、やりたかったことが実現できるようなユーザー体験を提供する」ことだと考えています。

最近はBtoCのみならず、BtoBにおいても買い手側の意識変化が起こっており、サービスの選び方がこれまでとは変わってきています。旧来はまずは営業担当から話を聞くというスタイルでしたが、今ではモノやサービスが必要なタイミングで、BtoCと同じくまずは自分たちでネットで情報収集を行い、比較検討をして、その上で興味があればお問合せをするようになっています。

この流れの中においては、企業側としては、買い手がWebで情報収集を行う段階で、自社サービスの名前が上がる状態にする必要があります。それはすなわち、企業が買い手にとって価値のあるコンテンツを提供することで自社サービスを認知させ、メリットを感じてもらうことで購買行動の後押しをする”Webマーケティング”が必要不可欠となっているということです。

しかし前述の通り、「知識」「環境」「人」の充実なくしてWebマーケティングの仕組みは簡単には構築できませんし、かといって、これらすべてを手にするためには莫大な時間やお金が必要です。そこで間違いなく必要となるのがテクノロジー(=ツール)です。

各企業が時間をかけて行うべきことはマーケティング自体を学ぶことではなく、自社で提供しているサービスをさらに磨き込み、そしてそのサービスを多くのユーザーに使ってもらうことに時間を注ぎ込むことです。
しなくてもいい煩わしい作業はテクノロジーの力を活用して圧倒的に効率化し、誰しもが本来情熱を注ぐべきところだけに集中できる、ベーシックはまさにそのようなことが実現する世界を目指し各種サービスの提供を行なっています。

そんな世界を実現するためのサービスの一つが、今僕が関わっている『formrun』です。formrunが掲げているミッションは「フォームにまつわる非効率をなくし、コアな仕事に集中できる世界へ。」です。

フォームというものは、あらゆるWebサイトに設置されており、その作成は一見単純なように見えますが、実際には開発には多くの工数が必要であり、常にエンジニアやデザイナー、もしくは制作会社の巻き込みが必要となる作業です。またお問い合わせ用途でフォームを使用する場合は「誰がどこまで対応したのかがわからず、対応漏れや重複対応をしてしまう」といった課題を抱く傾向にもあります。

そのような課題に対して、formrunはデザイン性の高いフォームをノーコードで作成・設置でき、問い合わせ対応状況の確認、メール対応まで、フォームに関わる業務の一元化がでるサービスであるため、ユーザーの「フォーム作成の手間(時間・リソース)」や「フォーム作成の費用や工数」、「杜撰になっているお問い合わせ管理」など、フォームにまつわる課題を一気に解決します。

おかげさまでサービス開始から約4年半で累計10万ユーザーを突破、2021年4月には国内の有料フォームツールサービスの導入数においてNo.1(※1)を獲得、さらにMRR(※2)成長率は、前年比250〜300%と大きく成長しています。

いつでも有料化できる分、いつでも解約もできるPLG型(※3)のSaaSモデルでこれだけ成長できた理由は、まさにお客様がformrunを用いることで、フォーム作成や顧客管理を介したWebマーケティング施策を簡単に、最小の工数で実行でき、売れる仕組みを構築できたからと考えています。

(※1)株式会社ショッパーズアイによる調査
(※2)月次経常収益
(※3)「Product-Led Growth」の略。「製品主導の成長」のことであり、製品が直接顧客に価値を伝えて購入を促す戦略

そのformrunに現在関わっているマーケターとしては、最終的には「世の中のあらゆるフォームをformrunにする」ことを本気で目指しています。その実現に向け、現在は具体的には以下の3点に挑戦しています。

①“単なる集客”ではなく、“プロダクトとニーズがマッチしているユーザー”からの集客

formrunはPLGモデルであるため、日本のSaaS事業で現在主流であるSLGモデルとは戦略が異なります。PLGの戦略は端的に「プロダクトの良さでプロダクトを売る」ことであり、あくまで全ての物事をプロダクト主導で考えることが大切です。そのため集客面では、当然のことながらプロダクトとニーズがマッチしているユーザーに対する集客が強く求められます。

formrunでは無料会員登録後すぐにサービスを利用できるフリーミアムの仕組みになっています。しかし仮にマッチしていないユーザーを集客してしまうと、そもそも無料登録に繋がりにくいのは勿論のこと、幸いにも無料登録に繋げたとしても、価値を感じてもらえないことで結局は有料化までのどこかの過程で抜け落ちてしまいます。

そこで、ユーザーの利用シーンや業務フローに徹底的に寄り添いターゲットの解像度を上げることで、フォームの課題に対しての潜在的なユーザー、および顕在化しているユーザー、双方に適したマーケティングアプローチを行なっています。
具体的には、ユーザーインサイトに基づいたそれぞれのペルソナを設計し、そのペルソナごとに最適な集客チャネルを選定・施策を実行、その結果に応じてユーザーとのコミュニケーションプランをブラッシュアップしていくことで、サービスに訪れてくれたユーザーの心を確実に掴めるプランの設計に注力しています。

また、そのような集客面でのマーケティング活動に加え、マーケティングチームからマーケットインの考え方で開発機能の提案を行うことで、ユーザーがformrunを利用する納得度を高め、プロダクト自体に対する貢献もより一層していきたいと思っています。

②登録後の有料化へのユーザー体験価値の実現

PLGモデルの大きな特徴は、ユーザーが無料登録から有料に切り替えるまで、セールスの人の手を介さないということです。つまり、プロダクト内の体験からユーザーに価値を伝え、自発的な有料化を促すということです。そこがPLGモデルの面白いところであり、いかにプロダクトの価値を直接的かつ素早く、ユーザーに感じてもらえるかが肝となります。

現在formrunの活用方法は11種類にもわたり、ユーザーニーズに合わせて多様な使い方がされています。

そのため、活用方法によってユーザーから見た時の体験は様々であり、登録後の行動や使用機能も異なってきます。今後もそれぞれの活用方法に合った推奨体験を設計することで、ユーザーの体験価値の最大化を行っていきます。

例えば、アンケートフォームを活用したいユーザーであれば、高度な回答集計が行える条件分岐機能や分析機能を訴求、資料請求フォームであれば、資料ダウンロード機能を訴求するなど、ニーズを満たす機能をプロダクト内のポップアップやツールチップを活用し最適なタイミングで伝えることでシームレスなユーザー体験を実現することに、現在取り組んでいます。

③よりデータドリブンな施策の展開

今後は、マーケティングに活かせるデータの収集と可視化をより加速させていきます。PLGはSLGと異なり、”THE MODEL”のような分業制ではないからこそ、プロダクトを起点にメンバーで「協働」していくことが非常に重要です。

そのためには共通言語として何より”データ”が大切になります。新機能開発・改善時の利用状況などのデータからユーザー行動を「見える化」して、データを中核に施策の立案、仮説の設定、意思決定を行うことで、より価値を感じてもらえるプロダクトへと進化させていきます。常にデータに基づいて高速PDCAを回し、ベーシックの行動指針の一つでもある”TRY&LEARN”をしながら、成果に繋げていければと思っています。

元々ひとりマーケターであった時の「モノが売りにくい世の中」への問題意識から転職を決意したことで、ベーシックとPLGに出会うことができたわけですが、マーケターとしてプロダクトを世の中に広めていくことで、その問題解決に貢献できている現状に、毎日本当にワクワクしています!

ベーシックが掲げる「Webマーケティングの大衆化」の世界がいち早く実現できるよう、また自分自身がマーケターとしてその実現の立役者となれるよう、これからも楽しみながら挑戦と成長を繰り返していければと思っています。
この記事を読んで少しでもベーシックやformrunに興味を持ちましたら、採用ページもぜひ覗いてみてください!

以上で僕の入社エントリを締めさせていただきます。
 日本でもまだ稀有なPLG型のSaaSで、世の中の問題を解決したいと考えている方と、近々一緒に働ける日を楽しみしています! 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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