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個性が薄いことにもメリットはある

最近の若手声優さんは眉目秀麗だけど声の個性が薄いな~と思う今日この頃、いやだいぶ前から。

そんな折、目に留まった個性の塊である大ベテラン声優の若本規夫さんのインタビュー記事。

若本規夫さんと言えば、『サザエさん』のアナゴさん・『ドラゴンボールZ』のセル・『美味しんぼ』の岡星さん・『幽☆遊☆白書』の酎・『金色のガッシュベル』のビクトリーム・『コードギアス反逆のルルーシュ』のシャルル・『銀河英雄伝説』のロイエンタール・『トップをねらえ!』のオオタコウイチロウなどなど、挙げればきりがないほど印象的なキャラクターを演じられています。

若本規夫さんは顔出しをなさらないイメージがあったのでこの記事には度肝を抜かれました。

そして「最近の声優は、きれいにしゃべるんだけどね、変化がないんだよ。誰が何の役をやってるのかわかんない。多少しゃべり口だけが変わるぐらいで、声も同じだし。」というお言葉に驚きつつも深く共感。

声の高い低いはあっても似たり寄ったりの”良い声”で個性がない。
映像と一緒に聴けばなんとかわかるけど、声だけだと判別できない。
耳ざわりが良すぎて記憶に残らない。

「いやいやそんなことないよ聞き分けられないのは歳をとったからだ」と言われそうですが、果たしてそうでしょうか?
私は違うと思います。

セル(若本規夫)とフリーザ(中尾隆聖)の声が同じに聴こえますか?
孫悟空(野沢雅子)とクリリン(田中真弓)の声が同じに聴こえますか?
アムロ(古谷徹)とシャア(池田秀一)の声が同じに聴こえますか?

老若男女問わず個性的な声優さんの声は聞き分けることができるでしょう。
アニメをあまり見ない人でもレジェンドと言われている大ベテランクラスの声優さんの区別はつくと思います。

とは言え、これからもアニメは観ていきたいので昔は良かったと憂いてばかりでもいられません。
今後も声優さんの「ビジュアル重視で声の個性軽視の風潮」が続くと思われる現状に適応するべく、発想の転換が必要でしょう。
どんな時でも「良かった探し」は大切です。

個性が薄い声のメリットを考えてみました。

①物語に没頭できる
個性的な声の最大の欠点は「役に声が合っていない時が致命的」なことです。気になってしまって話が入ってこないことがよくありました。
その点、個性が薄ければ致命的に合ってないということはないので気にすることなく物語に没頭できます。

②代役を立てやすい
様々な理由でキャスト変更が行われることがあります。
個性的な声かつ役にばっちり合っていた声優さんほど、その変更には不平不満が出てしまう。
しかし、そもそもが個性が薄い声だったらそれほど気にならないのではないでしょうか。
若本さんのおっしゃる「誰が何の役をやってるのかわかんない。多少しゃべり口だけが変わるぐらいで、声も同じ」という一見デメリットな要素がメリットになります。

最近の声優さんはほとんどが養成所や専門学校を経てデビューしているので、おしなべて演技が上手。
新人と言えど声優を名乗る人に下手な人はいない印象です。

個性が薄い分、大当たりはないけど大外れもない。
配役を気にせず安心して観ることができます。
うん、案外悪くないかもしれません。

個性的から没個性へ。
そんなパラダイムシフトを乗り越えて、これからもアニメを楽しんでいこうと思います!

でも本音を言うと「声優=個性的な声」という時代を長いこと過ごしてきた私としては寂しい限りです。
個性重視に戻してほしいけど、声優イベントありきのアニメ作りが続く以上は叶わぬ願いなのでしょう。



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