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ISHIYA私観ジャパニーズ・ハードコア30年史外伝〜「失った右手が掴んだもの」マサミ伝第2章〜#9 極悪ツアー

「#9 極悪ツアー」

 マサミの盟友であるBEAR BOMBが抜けてしまったGHOULだったが、活動が止まることはなかった。
 BEAR BOMBの置き土産である楽曲「Oi!Oi!」もソノシートとして発売され、GHOULの人気は不動のものになっていく。
 このソノシートのレコーディングはベースが不在のために、ギターのマックスがベースを弾いてレコーディングされたようだ。あのロックンロールのベースラインはマックスが考えたもののようで、この曲によってGHOULの新たな一面も垣間見えた時期ではないだろうか。
 筆者がマサミの家に遊びに行ったときには、外道の「ビュンビュン」のシングルを聴かせてくれたりしたこともあり、この時期のTHE TRASHのライブのときには必ずステージ横にマサミがいて楽しんでいたところを見ても、THE TRASHがロックンロールを基調としたサウンドであるように、マサミの音楽的な好みは「Oi!Oi!」のようなロックンロール的な曲だったのではないかと思える。
 そしてGHOULは新たなベーシストとしてゴーストを迎え、活動は益々盛んになっていく。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!