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「No.1トヨタのおもてなしレクサス星が丘の奇跡」を読んで|プラスワンの考え方が最高のおもてなしの源泉|自分の生活にも取り入れたい

今日ご紹介する本は、「No.1トヨタのおもてなしレクサス星が丘の奇跡」です。レクサスとはトヨタ自動車の高級ブランドです。この車種を扱うディーラーさんは数多くあります(少なくとも169店舗)。

その中でもレクサス星が丘店のサービスが群を抜いてすごいということが有名です。ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのサービスの神髄に迫った本が本書です。

本書は、作家・志賀内泰弘さんにより書かれています。
本書は今から約10年前に執筆されたものですが、内容は今でも色あせることなく読むことができました。

自分の今の生活や、さまざまな取り組みに対して、活かしていけることがふんだんに盛り込まれていました。まだ読んでない方にとっても、とても興味深い内容ですのでおすすめです。


最も共感した点:さらに何ができるかのプラスワン精神

本書を読んで一番共感したことは、「さらに何ができるか」という考え方です。

レクサス星が丘店はレクサス店の中でトップのおもてなしをされるとされます。それは接客のおかげで、多くのファンを獲得し、全国的にクルマ販売台数が減っていく中でも、売り上げを伸ばしていった特別なレクサス店です。

その原動力となっているのは、「さらに何ができるか」(プラスワンの精神)だと思いました。接客マニュアルが徹底的に考えられて社員の方を教育されているかと思ったら、それだけではないようです。

接客マナーを守ることは最低限のこととし、そこから一歩踏み出して何ができるかをお客様を出迎える社員ひとりひとりが考えて行動することのようです。

レクサス車が通るたびにお辞儀をすることは、接客マニュアルには書かれていない

レクサス星が丘店の有名なエピソードに道路を通るレクサス車をみかけたらお辞儀をするというお話があります。お辞儀をされるのは早川正延さんという警備員の方です。

日々店頭に立ち、来訪するお客様をお出迎えするのが彼の仕事でした。お出迎えするだけではなく、さらに自身でお客様にできることで何かないかと考えたとき、道行くレクサス車を見かけたら、お辞儀をすることをはじめたそうです。

これマニュアルに書かれているわけではなく、早川さんの感謝の気持ちから始めたことのようです。考えてみればすごいことです。行きかう車の数は1日何万台もいるのでレクサス車も数多いくいらっしゃることでしょう。

お辞儀をしてもらった方は、とても気持ちが良いものです。

しかし、レクサス店は名古屋だけで16店舗あります。通りすぎるレクサス車が、すべて星が丘店から購入されたかどうかはわかりません。星が丘店はどうも、他のレクサス店とは経営母体が異なるようです。
つまり、他店はライバルとも言えます。ライバルを応援してしまっていることにもなります。

しかし、それは小さなことです。経営母体が異なろうが、お客様からしてみれば、星が丘店は数あるレクサス店のひとつです。関係はないのです。

そして、早川さんはご来店されるお客様の名前をすべて覚えていらっしゃるようです(その数1000名以上!)。すごいことです。そのおかげでお客様に合わせたおもてなしができるようになっているようです。

お客様に興味をもち、精一杯おもてなしをする気持ちの表れだと思いました。今の自分はどうだろうか。今の自分に置き換えてみても、まだまだマニュアル的にやっているところがあるので、さらに自分にできることを考えていきたいと思います。

マニュアルを作った瞬間にサービスは低下する

また印象に残った言葉のひとつに当時アソシエイト担当部長の松原千恵子さんのお話です。それが「マニュアルはいらない」という言葉です。

実際にはマニュアルは必要です。レクサス星が丘店には次の3つのマニュアルがあるそうです。
・トヨタ自動車のレクサス営業部が作成したマニュアル
・経営母体のキリックスグループが作成たマニュアル「キリックスWAY」
・星が丘店オリジナルのマニュアル(4部構成で最も細かい)

これらマニュアルによって、星が丘店のおもてなしは支えられているのですが、マニュアル通りに完璧にこなすと考えると、それを守ろうということばかりに意識が集中してしまって、お客様のことが考えられなくなってしまうようです。

重要なのはマニュアルは作法として全てマスターすることを思いつつも、そのうえでお客様に他に何ができるだろうかと考えることが大切なのだそうです。最初に「こころ」ありき、です。

なるほどなぁと思いました。いきなり決められた作法を覚えて完璧にこなすことは不可能です。日々の努力で覚えつつ、「今の自分にさらに何ができるか」と考えることが大事なのだなと思いました。

ここでも「プラスワン」の精神が表れているなと思いました。

年中無休のレクサス星が丘店

レクサス星が丘店の特徴は個々のおもてなしだけではありません。それは店舗体制もみてもわかります。それは星が丘店は定休日がないのです。つまり年中無休です。

10年前は年中無休でしたが、今はどうかと思ったら年中無休でした。

引用:LEXSUSより

1月のカレンダも全日営業中でした。一方ほかの店舗はどうでしょうか。

引用:LEXSUSより

レクサス店に限らず、一般的な自動車ディーラーはこのように、平日に定休日があるのが通常です。年末年始も休みなるのが通常です。

しかし、レクサス星が丘店は休みというのがないのです。ではスタッフに無理をさせているかというとそうではないようです。年中無休体制がとれるように十分な人員体制をとっているようです。

定休日があると良くないかといえば、そうではないと思います。しっかり定休日がある方が働く社員にとっては良いかもしれませんし、運営する側も人員も抑えることができます。

おそらく、経営母体の考え方による差なのではないかなと思いました。どちらが正解とはないと思います。

ただ、利用者からすると年中無休の方がありがたいようです。クルマが不調になるのは24時間いつでもあり得ます。不調になったらまず連絡するのはその車を買ったディーラーさんが多いのではないでしょうか。

いつでも連絡がつくという安心感は大きなアドバンテージです。「何か困ったらレクサス星が丘店」という言葉が生まれる背景もよくわかりました。

店舗経営者のする「プラスワン」なのかなと思いました。

サプライズは本望ではない|さりげないおもてなしが大切

おもてなしは、レクサス星が丘店のスタッフ皆さんが、お客様のことを考えて行われています。その中で生み出されるおもてなしのなかで、サプライズも飛び出します。

サプライズを受けたお客様はとても喜ぶのですが、これはとても注意が必要なことなのだそうです。それは、行き過ぎたおもてなしは前例になってしまうことです。

例えば誕生日にケーキをサプライズでプレゼントされたとします。一人のお客様にプレゼントをすると、「誕生日にはケーキがプレゼントされる」という前例になるという危惧です。それが定例サービスになるとやり続けないといけなくなるのです。確かにと思いました。

大切なのはさりげないおもてなしなのだそうです。

例えば、前述の早川さんのようにお辞儀やお客様の名前を憶えてきめ細かな対応をするのが良い例です。他のエピソードではお客様のストッキングが伝線していたので、そっとご本人にだけ伝えて代替品をご提供するとかです。

サプライズにこだわらず、お客様によりそって、今できることからもう一歩何かできること「プラスワン」が大切なのだそうです。

常にプラスワンの気持ちでいようと思う

本書に一貫して書かれていたことはプラスワンでした。今自分の仕事やプライベートを振り返るとプラスワンができているかと考えるとかなり疑問が残ります。

本書を通して、プラスワンの心遣いの大切さをよく知ることができました。日々精進し、普段の生活の中で何がプラスワンできるか。

たくさんのプラスワンができることがたくさん見つけられそうです。
本書を通じてたくさんの学びがありました。

#3行日記 :エンブレムに寄せるレクサスのあこがれ

本書の中で、レクサスエンブレムをつけたハリアーのことが出てきました。ハリアーのオーナーさんはとてもレクサスに憧れをもっていたのだなと気持ちがわかりました。

ハリアーはトヨタ自動車が90年代に出したSUVのさきがけのような高級車です。のちにトヨタ自動車はレクサスという高級ブランドを立ち上げ、ハリアーはレクサスRXとなります。

元は同じクルマなのですが、モデルチェンジを重ねていき、今は異なるクルマとなりました。

ハリアーvsレクサスRXだと、レクサスの方がすべての面で高級になっているようです。昔「いつかはクラウン」という憧れの言葉がありましたが、「いつかはレクサス」が現代なのでしょうか。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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