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#200 真の勝負師は、戦わずに勝つ【一笑門 マガジン】

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相手を論理的に問い詰めて、言い返せない状態にする「論破」

テレビやYouTubeでも論破を1つのエンターテインメントとして扱った企画を目にすることがあります。

論破が得意な人って、頭の回転が早く、論理的で、議論にも強いイメージですが、実は論破で勝つことは良い勝利とは言えないんです。

おはようございます。海先輩です。

今日は、真の勝負師は、戦わずに勝つというお話です。

「孫氏の兵法」という紀元前500年頃の中国春秋時代に軍事思想家の孫武という方が書いた有名な兵法書に、次の言葉があります。

百戦百勝は、善の善なるものに非ざるなり。
戦わずして人の兵を屈するのは、善の善なる者なり。

孫武「孫氏の兵法」(第三章 謀攻篇9)

端的にいうと、常に相手を打ち負かし続けるのは最善とは言えず、戦わずに相手を屈伏させることができるのであれば、それが最高の戦略だということです。

西郷隆盛が徳川一強時代を終わらせるためにとったのが、まさにこの戦略でした。

1868年1月から翌年5月にかけて、新政府(明治政府)軍と旧幕府(徳川)軍の間で戊辰戦争という内戦が行われました。

これまで将軍が1番権力を持って全国を統率するスタイルでしたが、だんだん将軍の力も弱まってくる中で、新しい政治の考え方が出てきたことから起こった、新しい時代の幕開けのきっかけとなった出来事です。

薩摩藩と長州藩は、徳川軍と真っ向勝負して江戸城を奪い取る予定でしたが、勝海舟は西郷に、「まともに戦えば、江戸が血の海となってしまうだろう。どうにか戦わずに済む方法はないか」と提案をしました。

西郷はこの提案を引き受け、武力衝突なしに、見事江戸城の無血開城を成功させたのです。

現代においては血を流す戦いではなく、言い争いだったり、クレームだったり、トラブルに置き換えることができます。

そのような際に相手を論破して打ち負かそうとするのは、その後の関係にも悪影響を及ぼすため良い対応ではありません。

菓子折りを持って行って丁寧なコミュニケーションを意識するだけでも、相手の熱は治まったりするものです。

また、仲介の人を立てたり、客観的に見えている第三者を入れて話すことも、戦わないで勝つ戦略として有効です。

自分の好きな人に想いを伝えるときも、好きな人の友人からも「良いと思うよ!」などと言ってもらうことで、それが背中を押してくれることもあります。

熱烈なアプローチも良いですが、周りを味方につけて自然と自分が優勢な状態に持っていくのが、賢い戦略であるということですね。(恋に正解があるかは分からないですけどね)

話を戻すと、一方的に相手を理詰めにして論破したとしても、相手が納得しない状態での勝利となるため、あまり意味のない勝利となってしまうわけです。

相手を追い込みすぎないように、少し相手に逃げ道も作ってあげるくらいの気持ちで接する方が、今後の人間関係においてもよっぽど良い対応と言えるでしょう。

仕事やプライベートで何かしら意見の対立に直面したときは、論理で勝つことよりも、その人との人間関係を良くすることを意識してみてください!

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