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大人の自由研究 - デザイナーこそ学ぶべきNoCodeの世界②

前回の投稿
https://note.com/ishuttle/n/n7587747cd7b4

前回の投稿では、ノーコードで作るWebサイトやアプリについて書いた。何かを作るたびに、もっと応用して新しいものを作ってみたくなるのも、ノーコードの魅力なのかもしれない。そんなわけで、今度はより遊べるものを作ってみたくなってきた。

ARもノーコードで作ってみる

引き続きノーコード界隈を調べていると、Adobeから簡単にARを作ることができるAeroというアプリが昨年リリースされていたことに気づく。CGは元々blenderなどを使って慣れているので、俄然興味が湧いてくる。で、最初に作ってみたのがこちら。

とりあえず3Dオブジェクトさえあれば、簡単にAR化できるのがAdobe Aeroのいいところだ。ただ表示するだけでなく、簡単なアニメーションやインタラクションをコードなしで付けられるのも面白い。

いくつか試しているうちに、AR上に表示したオブジェクトにリンクを貼ることもできることに気づき、であれば、STUDIOと連携することで簡単なクイズゲームのようなものが作れるのではないかと考えた。それがこちらのARQというものだ(スマホ限定)。

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タイトル画面は前回書いたSTUDIOでサイトを作成し、ボタンを押すとAdobe Aeroにリンクして、今度はAR上に現れた三択の選択肢をタップすると、正解か不正解のリンクへ飛ぶ、という単純な仕組みだ。全部で3問あるのだが、3問目は敢えて三択にせず、URLに直接正解を書き込むという形にして、少しだけ難易度を上げてみたりした。

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これを作ったことでひとつ発見があったのが、コードを書かなくてもいくつかの手法やサービス、プラットフォームなどを掛け合わせることで、ちょっと新しいものができるというやり口だ。

そして、こうなってくると今度はもっとゲーム性の高いものを作ってみたくなってくる。そしてついに手を出してしまったのがUnityだ。

ゲームもノーコードで作ってみる

Unityは言わずと知れたゲームエンジンで、ノーコードとは縁遠いものだと思っていた。ところが、調べてみるとPlayMakerというアセットを組み込めばビジュアルスクリプティングでロジックを組めることが分かった。

とりあえずWeb上に載っていたチュートリアル通りに作ってみたミニゲームが、これだ(こっちのシリーズはPC限定)。

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とりあえずこれを作ってみて、ザックリとUnity+Playmakerでの開発の仕方については、大まかに理解することができた。チュートリアルでは内側の小さな壁はなかったのだが、ちょっとだけ応用して配置してみた。

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↑Unityの開発画面。左下がアセットとして組み込んだPlaymakerの操作画面。FSMと呼ばれる、スクリプトが組み込まれたモジュールのようなものをつなぎ合わせることで、状態の遷移を構成していく。

しかし、これだけではマニュアル通りに作っただけだし、せっかくなので何とかもっと面白くできないかと思案する。そこで、ちょうど試していたフォトグラメトリーを生成するアプリ「Trnio」を使って実景を撮影し、その3Dデータを取り込んでステージにしてみたら面白いのではと考えた。それがこちら。

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実はこの実景は自宅の庭なのだが、試しに撮ってあったものをそのまま入れてみただけだ。しかし、どうだろう。背景が俄然リッチになったことで、ちょっと見たことがない不思議な世界観ができた気がする。

Trnioで作成したフォトグラメトリーの世界は、いろいろ甘いところがあったり、境界の次元が歪んだようになったりするのだが、これはこれで異世界っぽくて面白い。子どもたちに見せたところ、自分のよく知っている景色がゲームの世界になっているというだけで、かなりウケていた。

こうなってくると、今度は自分でオリジナルのコースを作ってみたくなり、子どもと一緒に積み木や身のまわりのものを使ってピタゴラスイッチのようなコースを作ってみることにした。

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そして、これをTrnioで撮影し、フォトグラメトリー化する。

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そして、ここからblenderで余計な箇所を削ったりしたあと、Unityにインポートし、ステージとして配置する。あとはアイテムを置く位置を決めてやれば、完成だ。そうしてできたゲームが、こちら。

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うーん、これは楽しい。

(かなり難易度が高くなっているので、ぜひ一度やってみて欲しい。実は私もまだ一回しかクリアしたことがないw)

玉を転がしてアイテムを集めるだけの単純なゲームなのだが、シンプルだからこそ展開性があって面白い。ゲーム単体としてみれば大したことのないプログラムではあっても、工夫次第で面白い体験を作ることができるということがわかった。

やっぱりインタラクティブなものを作ることは、単純に楽しい。たとえわずかな時間でも、ユーザーが没入して何かを体験できるもの、つまりはコンテンツを作ることは、一方向的な表現では達成できない価値を生み出すことができるからだ。

それを誰にでも可能たらしめるノーコードの世界が広がっていることは、ものを作る人間にとって大きな武器になるはずだ。今後もこの世界の可能性について、研究と制作を続けていきたい。

さ、次は何を作ろうかな。

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