見出し画像

#新婚旅行でニューヨークに行った話 〜写真編〜 no.7「ハーレム」

ハーレムはセントラルパークの北にある地区で、言わずと知れたアフリカ系アメリカ人文化の中心地。ブラックミュージックを愛する僕が、ここを訪れない理由はなかった。
治安上危険な地域もあるのでツアーに申し込み、ガイドに連れられて電車とバスを駆使しながら歩いた。

画像1

ストリートは本当に肌の黒い人しかいないし、道ゆく人はキッズもおじさんもおじいさんまでヤンキースのキャップをかぶっている。
ガイドをしてくれた松尾さんが言うには、彼らは別にヤンキースのファンということではなく、むしろ野球のことはあまり知らないらしい。
行きに乗った地下鉄はA列車で、デューク・エリントンがかつて住んでいたアパートも見た。

画像5

スパイク・リーの映画の舞台も案内してもらったし、多くのミュージシャンを輩出したことで有名なアポロシアターの前では、パフォーマンスする謎のラッパーにCDをプレゼントされ一緒に記念撮影をし、気づいたらお礼に5ドル渡していたというよくわからない出来事も起きた。

画像2

印象的だったのは、マルコムX通りとW 140th Stの交差点にある建物。一階にある店の外壁に、Big Lというラッパーを描いたグラフィティーがある。ハーレム生まれハーレム育ちの彼は、今では伝説となった1stアルバムを残し1999年、ギャングの抗争に巻き込まれ24歳の若さで射殺されてしまったという。

画像6

いわゆるストリートアートと違い、本物のグラフィティーは所謂落書きで、許可なく描かれているもの。それでも消されずに残されているのは、彼の音楽が今なお多くの人、それもハーレムの人たちに愛されているからだろう。オリジナルの絵は10年前、この場所で追悼パーティが行われた際にリペイントされ、今の姿になったそうだ。
日頃から妻に「黒人顔だね」と言われている僕は、眼鏡をかけた彼の顔の横に立ち、表情を真似て記念写真を撮った。音楽を愛していた彼にシンパシーを感じながら。

画像4

Big L Mural
104 W 140th St, New York, NY 10030


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?