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#新婚旅行でニューヨークに行った話 〜写真編〜 no.11「グッゲンハイム美術館」

アメリカを代表する建築家、フランク・ロイド・ライトが設計したことでも有名なニューヨークのグッゲンハイム美術館。カタツムリの殻にも例えられる螺旋構造の展示室が特徴で、1959年に完成した美術館としては東京の上野にあるコルビュジエが設計した国立西洋美術館と同い年である。

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その最大の特徴である螺旋状の展示空間が、展示替えのためクローズだったのは残念だった。それでも僕がそこに行きたい理由があって、それはロバート・メイプルソープの大規模な回顧展が開催されていたからだった。

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メイプルソープは70〜80年代に活躍した写真家で、20世紀の最も有名な写真家の一人。かつてのパティ・スミスのパートナー。ゲイであり、エイズによって1989年、42歳に亡くなった。性的にショッキングな作風で物議を醸す事も多く、一度実物の作品を見たいと思っていた。

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一般的な35mmより大きい中判カメラで撮られた精緻な質感と、完璧な構図のモノクローム写真。白と黒、男と女、光と影、静と動の明快なコントラスト。圧倒的な美意識で制御されたフレームの中では、人間も彫刻のように映る。

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キュアロン監督の映画「Roma」を観た時にも思ったけれど、モノクローム表現はむせ返るほどのグロテスクな光景から、官能や生々しさを剥ぎ取り、意味や本質的な美しさをむき出しにする。そこにメイプルソープのパーソナリティと美意識が加えられると、強いインパクトを持つ写真になる。

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あの時、純粋に写真が上手くなりたいと思った。そして僕はニューヨークにいる間、自分が感じるものを信じて写真を撮り続けた。

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Solomon R. Guggenheim Museum
1071 5th Ave, New York, NY 10128


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