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5月、ビッグサイトに2日行って思ったこと

5月3日・同人誌即売イベント『SUPER COMIC CITY 2022』
同月22日・オリジナルアートイベント『デザインフェスタ vol.55』
今月、こちらの二つのイベントに一般参加してきた。

どちらも会場は東京ビッグサイトで、オタクの聖地と呼ばれる場所だ。

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『SUPER COMIC CITY』(通称スパコミ)は毎年東京で5月、大阪で8月に開催される大規模なオールジャンル系同人誌即売会。大阪では『SUPER COMIC CITY 関西』という名前で開催される。
今年は5月3日と4日の2日間開催されたが、私は3日の方に参加した。

『デザインフェスタ』はプロアマ問わず、オリジナル作品であれば誰でも出展することができる。展示内容は音楽・雑貨・ファッション・工芸品・写真・人形…など多岐に渡る。アジア最大級のアートイベントらしい。

スパコミはとにかく人が多かった。
コロナの影響を受け、サークル数の減少やイベント自体の自粛を余儀なくされ大打撃を受けた同人誌界。今年ようやく何の制限もなく開催できるだけで、多くの人が喜んでいたと思う。それが数になって表れていた。

ただ、逆境にあってもオタクは強い。
コロナ禍も「オンライン即売会」などで変わらず作品を出し、買い、交流し、また作り続けるたくさんの人を見てきた。
どんな環境でも創作の炎は消えない。この約3年間でそう思った。

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本日はデザフェスに参加。こちらもやっぱり人が多かった。

私も気になるスペースがあれば近づいて、どんなものが置いてあるか手に取ってみたのだが…

ごめんなさい。こういうときどんな顔すればいいかわからないの。

お店で服を見るときも、店員さんに話しかけられるかいつもドキドキして試着どころではない私にとって、出展者の方と距離が近いイベントはめちゃくちゃ緊張する。

あと何も買わない場合、スペースを離れるタイミングが全然わからん。 

「名刺いただけますか?」

困り果てた私は、
『名刺を貰ってから立ち去る』
という小手先のテクに走ってしまった。
向こうもきっと慣れっこなんだから、スマートに去ればいいだろと自分に突っ込む。

しかし貰ってから気づいたが、名刺とはなかなかありがたいものだ。インスタやTwitterでその方を検索できるし、次回以降参加されるかもチェックできる。

みんなも気になるサークルがあったら、迷わず名刺貰った方がいいよ。 うろ覚えだと次回以降、絶対見つけられない…。
それぐらい出展者が多いから。1万サークルぐらいあるらしい。なんという数…!

ところで本日参加したデザフェスはざっくり言えば「ものづくり」の祭典なので、
職人気質な人やあんまり喋らない物静かな人が多いのかと思いきや。

喋る喋る。何も聞いてないのに喋る。

「これは樹脂で作ってるんですよ。ガラスでもこういう色は出せるんですけど、樹脂だと形作りやすくて…何より樹脂の出す色味が私好きなんです。ほらこれとか、ただの白じゃなくて後ろの金具が透けて綺麗ですよ。こっちはほんとに透明だからまた違った顔になるんですよね。で、こっちの青い方は……(続く)」

(とはいえ向こう側から話しかけてくれるのは、私のようなコミュ障には大変ありがたい。)

それだけ自分の作品への愛が深いと感じた。
語りたい言葉の数は、そのものへの愛情と比例すると私は思う。

3日に参加したスパコミの方に関しては、
推しについて話が止まらない人、こんなにいたんだな…。
みんな普段どこ隠れてるんですか。
と不思議に思うぐらいだった。

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それにしても日本にはものを作る人、いわゆるクリエイターがたくさんいて、それに興味を持つ人もたくさんいるなぁと思う。

こんなにも趣味や仕事でものを作って、それに喜びや楽しみを見出して、こうやってブースを出して、私の作品を見て欲しい!と願うまでに情熱を注いでいる。

並んでいる作品や技術の一つ一つに、どれだけの時間と労力をかけてきたんだろう。
スペースに置かれた全てのものたちが、目には見えない何かしらのパワーを発しているようだった。

今会場の風景を思い出しても、やはりあの空間には何かしらのパワー、独特な力のようなものがそこいらに充満している気がしてならない。

私は絵を描いたり文章を書いたりするのは好きだが、デザフェスで多く見るような立体的な造形物を作るのはからっきしなので、作れる人はすごいと心から思う。

ただ自分には作れないものを見て感心し、それに触発されて私も絵を描き文章を書くことで、私にしか作れないものを世に出しているはずだ。

そう思うと、クリエイターのはしくれとしてこの世界を回すネジにはなってるのかも。

ビッグサイトは、人の力が集まる場所だ。
あの場所自体がパワーだ。
私はいつ何のイベントで行っても、独特で異様な空気を感じてしまう。

だがそれは、多くのクリエイターにとって特別でありながら、自分らしくいられる空気なのかもしれない。 
クリエイター(ジャンル問わず)にとってまさに「聖地」なのだろう。

***

これだけのクリエイターがいて、この国はどうしてこんなにクリエイターに対し厳しいのだろうか、と思わずにはいられない。
確実にこの空間の熱意だけで、世界はぐるぐる回って何万周もしているようなのに。

どうかこの国に住む全てのクリエイターにとって、自分の好きなものに一生懸命でいられる場所がずっとありますように。
そう願わずにはいられない。




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