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海幸山幸神話の妄想考察

出来ればストーリーをざっくり説明した
『海幸山幸の神話』↓を読んでから本文へどうぞ。(神話をそらんじてる人はそのままで)

結論から言うと、これはただの兄弟喧嘩のお伽話のように見せかけた山幸彦(天孫族)と海幸彦(隼人族)の戦争の話だと推測する。

釣り針と弓矢の謎


まず道具交換の話だが、これは山での戦いが優れた部隊(陸軍)と海の戦いに優れた部隊(海軍)のかなめの人夫の交換ではないかと私は思う。

重要な猟(漁)具に例えているが、代わりが効かないことで(人夫であるが故に)怒る海幸彦の態度もそう考えると納得がいく。
(※個人的な妄想考察が続きます)

倭国大乱

ヤマト王権が成り立つ前の、いわゆる倭国大乱の頃はあちこちで火種があった。


兄弟…いわば同盟国の間柄であった山幸彦(天孫族)と海幸彦(隼人族)。

山幸彦(天孫族)の方から道具交換を申し入れたということは、天孫族の方が先に困るようなこと(もしくは集権を狙って)海の戦いに優れた隼人族に援軍を頼んだ。

隼人族は渋っていたが再三に渡って天孫族の方からお願いされ、人夫(もしくは人質)交換を条件にそれを飲んだ。

そして隼人族の心配は的中。
航海技術の優れた部隊(釣り針)を失う。

優秀な人材を失った隼人族の怒りは同盟(兄弟の絆)さえも危うくさせる。
そして天孫族の大将(山幸彦)は途方にくれ策略を巡らせたのではないだろうか。

それでも謎なシオツチ


だがここで登場する塩土老翁シオツチオジは謎のままだ。

日本書紀の一書では罠に掛かった雁を助けると
塩翁シオジイだったとか(亀やないんかい)

本名は事勝国勝神ことかつくにかつかみ(誰やねん)の説があったり、神武東征の折に「東方に美しき国あり」と教えたり、タケミカヅチやフツヌシを導いたともされ猿田彦と同一視されたり…と導きの神であることは確かだが埒が明かないので置いておく。(もう亀仙人でいい)

豊玉姫との政略結婚

これは分かりやすい。
隼人族と同じ海洋民族の王(海神)に助けを求めたのだろう。

自ら出向いてわざわざ「オラ天孫!」とアピってるところを見ると有利であるように装って政略結婚に嗅ぎつけた可能性が高い。

「これ誰ぞ。何を以ちてかここに至る」と尋ねると、火火出見尊は「我はこれ天神(あまつかみ)の孫(みま)也」と答えて、

日本書紀一書より

ふと気付いたら3年経ってた…んな訳ない。
懐柔(懐妊)できた頃合いを見計らってわざとらしく溜息を漏らし(お前はかぐや姫か)
心配した豊玉姫に訊かれてやっと事の経緯を話しだす。

火火出見尊は數(しばしば)歎息(ためいき)があった。豊玉姫はそれを聞いて、その父に、「天孫(あめみま)悽然(いた)みて數(しばしば)歎く。蓋(けだ)し土(くに)を懐しむ憂いありてか」と語った。海神は彦火火出見尊を招くと、「天孫若(も)し郷に還らんと欲わば、我、まさに送り奉らん」と

そして海洋民族の王(海神)である義父の軍事力(釣り針と謎の玉)を駆使して隼人族を一蹴

今も昔も玉が好き


順風満帆に見えた山幸彦だったがここで痛恨のミス、何か約束を破ってしまったようだ。

絶対に見てはいけない約束


出産を覗く行為が何を示唆してるのか分からないが、海路を閉ざしてしまうほどの重要な約束だったんだろう。

新撰姓氏録では阿曇氏に連なる綿津見だが
八尋和邇やひろわに(鰐)の姿で、とあるので
和邇氏とも関わりがある可能性も

そして産まれた子(鵜葺草葺不合命ウガヤフキアエズ)は天孫族の元へ。

教育係と称して妹を寄越してはいるが(ウガヤフキアエズからすると叔母)のちに婚姻してるのでこれもまた政略結婚の意味合いがあったのだろう。

ストーリーを膨らませることの必要性


裏に深いテーマや本当に伝えたいことが隠されるのは現代でも同じこと。
(手塚治虫や宮崎駿、ONE PIECE然り)

表立って言えないことも不思議なお伽話や愉快なアニメだと伝えやすい。だがストーリーが面白くないと一般大衆に受け入れられないしバズらない。

藤原不比等ふひとがバズることを考えていたとは思えないが(古事記はともかく日本書紀の読みにくさときたら…)

自分達とヤマト朝廷に取って都合の悪いことは隠しておきたいけど、実際にあったことも入れとかないと不自然だし…祟られたらどうしよう、などと眠れない校正の日々だったのかもしれない。



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