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ネイティブテキスタイルに魅せられた私がアウトプットに寝具を選んだ理由。

|前提| ネイティブテキスタイルという言葉は、九州の地域文化商社うなぎの寝床さんが、主に九州産の土着性の高い生地の総称として名付けをされたものと認識しています。九州産のものではなくても、日本で古来からつくり続けられた土地土地に根付く生地たちにも当てはまるのではと解釈し、リスペクトを込めて使用させてもらいました。

2020.3.10 ニュース

弊ブランドみんふを立ち上げる際に書いた数年前のテキストでは、
さらっとしか書かなかった「寝間着をつくることにした」理由を
改めて書いてみようと思います。

今日は「前提」が多いんですが笑、みんふは寝間着を漢字の通り、

寝る間に着る衣服であり、日常生活を身体から一旦切り離すための装置でもある。

と解釈しています。

日本におけるパジャマの主流は、寝る時にも着られるし、近所に外出する時にも着られるワンマイルウェア(家着)、もしくは一軍から降格した元普段着です。
実際みんふのPOPUPに来られるお客様は、家着を探されている方が大半でしたので、一時はお客様のご要望を第一優先にして寝間着からフリーサイズの家着に展開を変えました。(2ndロットがそうです。)

2ndロットのキービジュアル


リリースした瞬間から「買いやすい!」と非常に好評で、工場の廃業やコロナ禍を経てもなんとか続けられているのは家着ラインのおかげとも言えます。

やっぱ普通のお洋服にした方が売れるんだな~と思いながらも、心のなかの違和感は払拭できませんでした。

その違和感は、「このテイスト(服のデザイン)が好きじゃない人達には絶対に届かない」というものでした。

最初に決めたみんふのミッションは、
「国内産地で脈々と作り続けられている、その土地らしい良質な生地(=ネイティブテキスタイル)の流通量を増やし、次世代に残していくこと」

流通量を増やすためにまずは、なるべく多くの属性の方々に手に取ってもらえるようにせねばなりません。
洋服を発表した時は、多くの方に受け入れてもらえた喜びは確かにあったのですが、どうしても属性は偏ってしまってました。

資本主義経済の中で会社が成長を続けるために売上が最重要なのはわかってはいるものの、従業員は雇用する予定のない弊社。
だったら自分自身の熱を保ちながらミッションに向かって進んでいくことを優先したい!と考え、来年生産分から寝間着に立ち返ることにしました。

寝具であれば、視覚情報と同じぐらい、もしくはそれ以上に「肌触り」や「心地よさ」を重要視して頂ける。
また、健康に気を遣い、睡眠環境を重視されている方に気付いて頂ければ、客層の性別や年齢層が分散し、洋服より多様な方々にリーチするだろう。

というのがネイティブテキスタイルに魅せられた私がアウトプットに寝具を選んだ理由です。

現存しているネイティブテキスタイルはどれも、その土地の環境や気候に沿って最適化されており、それらを製織している機屋は何十年と品質を保ちながら同じものを織り、多くの経済危機や時代の変化を乗り越え、現在も商売を続けておられる産地のエリートだったりします。(ご本人達は一様に謙虚なんですが)

こちらは、徳島のエリート。


そしてこちらは岡山のエリート。

なるべく素材の味はそのままに、そのよさが伝わりやすいよう冊子を制作したり、取り入れやすい寝具小物をつくったりと、工夫して参ります。

今後も工夫の過程など、ここに書いていけたらと思ってます。
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