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手を動かしながら議論する1泊2日の合宿で、生産性を最大限に高める方法をfavyに聞いてみた

開発を集中的に進める時間として定期的な合宿を行っているfavy。今回Island and officeで1泊2日の合宿を実施した同社は、限られた時間をディスカッションやワークでフル活用しました。そのスケジュールや、日頃からスムーズな開発を実現するために取り組んでいる工夫について聞きました。

サマリー

  • 参加団体:株式会社favy プロダクト設計担当6名、リードエンジニア3名 計9名(CEO、CTO、CMOを含む)

  • 実施目的:1~2年で作るべきプロダクトの構想づくりと開発

  • 実施日程:1泊2日

スケジュール

favyがIsland and officeを利用したきっかけ

favyは、店舗へのDX導入支援や全国でのシェア型レストラン展開、店舗向けサブスクプラットフォーム「favyサブスク」の提供などを行っています。

Island and officeを利用したきっかけは、VCであるDNX Venturesのベンチャー支援の一貫として利用枠をいただいたことです。以前から秋頃オフサイトを実施しようと計画していたこともあり、タイミングが合いました。

計画段階では2泊を予定していましたが、今回が初めての利用だったので施設やロケーションの詳細がつかめていなかったことと、参加人数の上限が合わなかったことが理由で1泊に切り替えました。2泊ならば12名で参加したい実施内容だったため、Island and officeの宿泊想定人数を超えてしまったんです。

戦うスタートアップの合宿スケジュールと場所の決め手

1泊2日という限られた時間を最大限に活用するため、朝一番の飛行機で移動し、到着してすぐにブリーフィングを行いました。そのまま午前中はディスカッションを続け、途中参加のメンバーを迎えに行くがてら一度昼休憩を取りました。そこから帰って以降は、ひたすらワークです。翌日も引き続きワークに没頭し、外には行きませんでした。

アクティビティの選択肢もあるとは聞いていましたが、今回は集中してワークを行うつもりでしたし、何より施設そのものが気分転換しやすい空間だったので、まったく苦ではありませんでした。施設の周辺に何もないことも、いい意味で集中につながったと思います。やはり人間は弱い生き物なので、日常業務と切り離してモードチェンジできる環境の中で、いわば缶詰状態にされることが重要ですね。

私たちが合宿する場所に求めている条件は、その場でオン・オフを明確に切り替えられることです。これまで合宿を実施してきた場所の中で言えば、作業している部屋からすぐ温泉に入ることができる施設がベストでした。もちろんIsland and officeも、自然豊かな環境でリフレッシュしやすかったですし、ちょっと焚き火のほうで休憩したりと集中力をもたせる機能が備わっていました。

同じ空間で議論しながら手を動かす貴重な時間

現地では、いくつかのチームに分かれてプロダクト開発を行いました。通常業務内だと定例会議が毎週1回あるのですが、基本的にはそこで設計担当者からエンジニアへとタスクを引き継ぐので、こうして一同に集まって手を動かす時間は取っていません。

設計担当者が思い描いたものを、その場でエンジニアサイドの意見も取り入れながら改善していけると、通常時のリードタイムが発生しません。同じ空間で議論と開発を同時に行うと、それぞれの立場から新しいアイデアを取り入れたり、妥協ポイントを見つけたりと、進行がスムーズです。

夜は焚き火をしてお酒も飲んでいましたが、その時間はプロジェクトのコンセプトや、今後リリースするアプリの構想などをディスカッションする時間に充てました。これらのトピックは、事前に準備しています。

合宿全体を振り返ると、いつもならばそれぞれが担当を割り振りして手を動かしているところを、全体で意見を交しながら背骨を通すような時間を作れたイメージでした。集中してまとまった時間を取れたことは、とても貴重だったと思います。これをオフィスでやろうとすると、やはりメールを返してしまったり通常時の業務に手をつけてしまったりして、なかなか集中力がもちませんから。

“生産性オタク”favyの仕事の流儀

私たちはいわゆる開発ロードマップを明確には立てていません。直近で実装すべき項目に優先順位をつけて日々開発を進めています。しかし、このやり方だと、いわば交通整理をするべきタイミングが訪れます。そのためのまとまった時間を取ることが、私たちにとっての合宿なんです。

じつは私たちは“生産性オタク”でして。日頃からメンバーの生産性を数値で可視化し、生産性高く業務を進めるための工夫をしています。

その取り組みの中のひとつが、自社開発したタスク管理ツール「Grow」の活用です。「Grow」は1週間単位で全メンバーのタスクを管理・共有し、スプリントと呼ばれる独自ルールに則ってタスクを進行するための機能が備わっています。ベースにしているのはスクラムの考え方やチケット管理型のツールですが、タスク承認などのプロセスも機能に含めつつ、ロジックを整理して簡易化したのが「Grow」です。

通常業務で使っているこの「Grow」は、今回の合宿でも活用されています。合宿の時間内で処理すべきタスクを可視化し、最終的にその8割程度を完遂することができました。扱うテーマが多かったこともあり、パーフェクトとは言い難い結果ですが、次回の合宿に向けた改善点も見えたので良かったです。

(Growの画面)

ちなみにfavyではミーティングの生産性についても重視しており、ただなんとなく集まるミーティングや、集まらなくても共有できる情報についてのミーティングの開催は極力避けています。タスクの棚卸しをするスプリントミーティングと呼ばれる集まりは頻繁に行いますが、それ以外でチームごとにディスカッションする機会はほとんど設けていません。

このようにふだんから生産性を意識した仕事の進め方を徹底していることは、今回のような合宿の成功にもつながっていると感じています。会社の予算を遣って合宿を開催するのだから、当然成果が出なければ嫌だという感覚がメンバーに浸透しているんです。八丈島には遊びに行くのではなく、仕事を進めるために行くという共通認識が自然と生まれていました。

今後の合宿予定

favyはIsland and officeの利用の有無を問わず合宿を行う文化のある企業なので、今後もそういった機会は定期的に設けていく予定です。ただし、今回実際に利用してみて施設の設備やロケーションにはとても満足していますし、東京からのアクセスの良さも魅力的でした。またメンバーの人数や条件に応じて利用したいと考えています。

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