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2023年度教育政策史 レポート課題②

2023年度教育政策史 レポート課題②


課題 日米の教育政策の展開を踏まえて、今後の我が国の教育制度において最も解決しなければならない課題、望ましい教育政策・改革の方向性について、あなたの考えを論述してください(1200〜2000字程度)。


※論述のポイント

①あなたが考える現在の教育の課題は何か

 →これまでの講義の内容、ご自身のこれまでの経験、近年ニュース等で取り上げられる問題などを参考に


②その課題がどのような背景や要因によって生じているか

→社会状況の変化、求められるものの変化、問題の顕在化(これまで問題とされなかったことが問題視されるようになった・・・)など


③今後必要な政策や改革はどのようなものか

→①の課題を解決するため(②を踏まえて)どのような制度や仕組みが求められるか、その理由や予想される効果についても

 

※論述の際に留意すること

①できるだけ政策や制度といった観点から論述することが求められます。「教員の意識を変える」、「子どもの意欲を高める」、「学校の考え方を見直す」「社会の雰囲気を変える」といった個別的、抽象的な論述にならないように留意して下さい。「意識」や「考え方」を問題視する場合も、そのためにどのような条件や環境が必要かといったことに着目して下さい。

例)「教師の多忙化」という課題

→それぞれの先生が効率的に仕事をするように心がけることが必要:×

→教員が効率的に仕事をすることができるよう、各学校で○○の人材を活用できる仕組みを導入する:○


②できる限り文献や新聞記事、各種データ等を参考に論じることが望ましいです(特に①や②の課題や背景の論述について)。その場合、参考にした文献等は必ず明記するようにしてください。



○提出期限は令和6年2月9日(金)です。

①現在の教育の課題

 現在の教育制度における課題の一つは、教育格差の拡大である。これは特に経済的な背景に基づく格差が、生徒の学習成果や将来の機会に影響を与えていると言える。経済的に恵まれない環境にいる生徒が、質の高い教育を受ける機会が制約されている状況が顕在化している。


②背景や要因

 この教育格差の背後には、社会経済的な要因が影響している。例えば、教育予算の不均衡や教育機会の差、地域ごとの学校の質の違いが挙げられる。例えば、秋田県(人口95万人程度)のR5年度当初予算概要(★R5当初予算概要.pdf (akita.lg.jp))を見ると教育・人づくりの予算項目の充実度に目を見張るものがある。沖縄県(人口145万人程度)の教育予算(r5tousyoyosannnopoinnto.pdf (pref.okinawa.jp))は約1700億円であるものの秋田県のような充実性に劣るような印象を受ける。その結果として、秋田県では学力テストでの順位が全国トップクラスであり、沖縄県では、最下位に低迷している状況が継続している状況にある。両県は地域性などに差があるものの、同じ義務教育の範囲でおいても、学力テストの成績に差があることからも、沖縄の社会経済的な要因が影響していると言えるのではないか。また、近年のデジタル化や情報技術の進化が、経済的に恵まれた家庭の子どもたちに先行して提供されていることも一因である。これにより、情報へのアクセスやスキルの差が広がっている。


③必要な政策や改革

 課題解決のためには、以下の方向性が重要である。

・教育予算の再配分:教育予算や地域や学校ごとに公平に再配分し、経済的に不利な状況にある学校に十分な資源を提供する政策が必要である。これにより質の高い教育があらゆる生徒に平等に提供される。

・デジタル教育の普及:デジタル教材やオンライン学習の普及を促進し、すべての生徒が最新の情報技術にアクセスできるようにすべきである。これにより、生徒の情報スキルの向上や学習環境の均等化が期待できる。


文献データの参照

 近年の文献や報道によれば、OECD(経済協力開発機構)の調査データが教育格差の拡大を指定している。日本 | Education at a Glance 2021 : OECD Indicators | OECD iLibrary (oecd-ilibrary.org) こちらで、特質すべきは、OECD加盟国の中で、GDPに占める教育支出の割合が最も低い下位25%の国に入ることである。教育投資に対して消極的な教育政策をとってきた証左であると言えるだろう。


結論:

 教育格差の解消には、教育予算の再配分やデジタル教育の普及といった具体的な政策が必要である。これにより、すべての生徒が平等な教育機会を享受し、将来の成功に向けて平等なスタートラインが築かれることが期待される。他方、地域の経済力の差により、財政力のある自治体では、教育予算の配分を高めることもできることから、根本的には、自治体の財政力と教育格差は相関があることも考慮に入れて、解消に向けて議論することが大切であると考える。さらに、親の経済力によっては、平等に享受される教育水準以上の教育投資を子供に与えることができることからも、現実的には、完全に平等となる状況を資本主義社会で実現することは難しいと言えるだろう。

以上

(文字数:約1,380文字)


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