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辛いけどひたすら奥深い「みやま」の火鍋 (千葉 船橋)

半年くらい前に、仕事つながりの方がSNSで火鍋の写真をアップしていたんです。私はそれに即時反応してしまいました。それが船橋にある「みやま」さん、火鍋のお店です。

私は火鍋が大好きです。日本国内では5店舗以上、上海や台北では路地裏店なども含めて5店舗以上は食しています。

火鍋はたぶん中国がルーツで、唐辛子を中心に、様々な香辛料を入れた鍋です。たぶん薬膳料理なんだと思います。火鍋の定義的はわかりませんが、肉も海鮮も野菜も全部入れます。

私は20年くらい前に上海に仕事で行ったときに、地元の人の連れて行ってもらった火鍋が初体験でした。市内中心部から30分くらい車で行くような、日本人観光客が行くような場所では全くありませんでした。詳細の場所も店の名前も覚えていませんが、ものすごい辛さとものすごい美味しさに、ぶったまげたのを今でも鮮明に覚えています。

それからかなりしてから、日本にも小肥羊海底撈といった中国国内で大成功したチェーン系の火鍋店が進出をしてきました。これらのチェーンはたしかに美味しいですが、日本進出にあたり、あきらかに日本人向けにアレンジされていると思います。それは要するにマイルドということです。


さて、みやまさんに話を戻します。こちらのお店はそのキャパシティーの関係だと思いますが、予約なしでは行くことができません。その予約も常連さんたちにしか事実上できない状態のようです。それも半年から1年先まで予約でいっぱいだそうです。

そんな事も知らずに無邪気にSNSで「これはうまそう」と反応したら、冒頭に書いたSNSのお友達が、「1月6日に予約取れたけど来ませんか?」とお誘いいただけたんです。

肉類や練り物などの多くはなんとカチンコチンの冷凍です。これにはちょっと驚きましたが、どうやら良くも悪くも火鍋は別に繊細な料理ではなく、具材をぶっ込んで煮てしまえばいいから、別に冷凍でも問題がないようです。実際に何の問題もなくひたすら美味しい。

4人分が1セットみたいです
真ん中上のは目玉焼きの冷凍

繊細じゃないと言うと誤解されそうですが、スープが圧倒的に繊細なんですよ。だから成立する。

火鍋の作り方は全然繊細ではないです。各テーブルに小型コンロがあって、予め用意されている真赤なスープが煮立ってきたら、具材を自分で投入します。しゃぶしゃぶではないので一気に入れて大丈夫です。とにかくベースになるスープがパーフェクトなので、客がテキトーに作ってもこうした超ハイレベルな火鍋が成立しているんだと思いました。

日本で良くある火鍋みたいに、鍋の真ん中で仕切られて辛い方と辛くない方が選べる、なんてことはここにはありません。店主渾身のスープ一択です。自信と潔さの現れだと思います。

見た目は真赤な唐辛子で鍋の中身が見えません。見るからに辛そうですが、実はそんなに辛くはないのです。

具材投入前の状態。見た目はかなり強烈です

辛さというのはいろいろあって、言うまでもなく人によって感じ方と許容範囲がかなり異なります。みやまさんの火鍋は、辛さはそれほどでもなく、山椒の痺れもあり、なんといってもベースの出汁系?が何を使っているのかわかりませんでしたが、とにかく深みがすごい。ラー油も何種類も入っていると思いますが、これはむしろ甘みを感じる辛さです。

唐辛子的な辛さを、あえて比較基準としてココイチのカレーで言えば3辛くらいです。ココイチの3辛は人によっては全然辛くて無理でしょうし、私は全然楽勝というレベルです。私のココイチは5辛くらいがちょうどいい感じで、7辛までは余裕です。あるいはデリーのカシミールカレーが大好物です。

この記事は辛さについてそういう耐性の人間が書いていると思ってください。辛い食べ物のが苦手と思う方は残念ながら無理だと思います。


浮かんでいる赤唐辛子は食べません
辛そうですねえ、でもそうでもないんです

加えて、山椒系の痺れも結構あります。山椒系は基準となる店があまりないと思いますが、東京で一番辛くて痺れて美味しい白金のシェラトン都ホテルにある「四川」の辛い方の麻婆豆腐の5分の1くらいの痺れです。

誤解なきように言いますが、みやまさんは辛さや痺れを求めるお店ではありません。正直辛くないし、あまり痺れません。それよりも何よりも、その奥にある深みやうま味を感じるお店です。

私は前述のように辛いものはかなり強い方で、ココイチで言うと4辛くらいから、食べていると頭から大汗を書きます。本当にシャワーしたくらいの汗がさっと出て、わずか3分位で止まります。ところがこの現象は、みやまではまったくなかったのです。辛さの種類が違うのか、実際にそんなに辛くはないのか、美味しすぎてよくわかりませんでしたが、とにかく汗は出ませんでした。

鍋はコマ油におろし生にんにくを入れたものをタレ代わりに付けていただくのが正解です。このタレの風味がすごい。残念ながら多くの方は手前に来る辛さと痺れで止まってしまい、その先まで行けない方が多いだろうなと思います。こればかりはどうにも仕方がないです。

シメには袋麺のラーメンに入っていそうな乾麺を投入します。公式サイトによりますと、これはサリ麺という韓国の乾麺だそうです。

サリ麺を入れる前に、残っている具材や唐辛子や山椒などを、アク取りの網みたいなもので全部掬い取り、液体だけにします。この液体、スープには元々の辛いスープに肉や野菜が煮込まれて、なんとも言えない深い味わいになっています。この時点で辛さも痺れもほとんどありません。

お好みでネギやパクチーを加えていただきます。気絶するほど絶品です。

シメのサリ麺

今回私があまりにも感動したので、誘ってくださった方がすでに予約している3月末の「枠」を私に開放してくださるというのです。4人枠で私ととその方、あと2名の人選に迷っているところです。

参考までにみやまさんの公式サイトはこちらです。サイトでは店主のこだわりと自信がはっきり見て取れます。みなさんも行ける機会がありますように。


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