「創作TALK 2018−19」今年の創作を振り返る

Twitterで「創作TALK 2018-19」という企画が行われています。

これね。

「今年の創作を振り返ろう!」という企画だと思うのですが(←理解が浅い)つらつらと、今年の創作を振り返ってみようと思います。

まず、今年の頭にこんな目標を立てていました。

別に形のある(定量的な)目標を立ててみてもよかったのですが、そうではなく、どれだけ数字が少なくても、終わったときに自分が納得できる一年にしよう、と。

さて、納得できるものは書けたかな?
今年参加した同人誌即売会と、執筆した作品を振り返ってみます。

■今年参加した同人誌即売会
・第2回文学フリマ京都(1月)
・第26回文学フリマ東京(5月)
・第3回文学フリマ札幌(7月)
・第6回文学フリマ大阪(9月)
・尼崎文学だらけ(10月)
・第27回文学フリマ東京(11月)

頒布数を公開してもよいですが、1000部売れたとかでなければ、そのパラメータは「面白いかどうか」ではなく「宣伝したか」「知人が多いか」「表紙やブースがきれいか」でしょう。それは私にとって意味のあるものではないので。それよりは、たった1冊でも、その本をほんとうに大切にしてくれる人に届けられることのほうが、ずっと大事です。年頭に掲げた目標の通りですね。

その意味では秋の文学フリマ東京で「キャンディと王様」が売れたのはすごくすごくうれしかったです。かれこれ4年ぐらい売っている本ですけど、いまでも自分の最高傑作だと思っていますし、いちばん好きな、大切な本です。買ってくれたひと、楽しんでくれるといいな。
あと今年は新刊として「天地創想」だけ出しました。これは年頭の「カクヨムコンテスト3」に参加していたもので、最終選考には残らなかったんですが、ありがたいことにたくさんの評価をいただいて88位でフィニッシュした作品です。カクヨムコンで頂いたレビューは宝物です。

「作品は読まれて初めて完成する」と常々思っているのですが、これはまさに、読者の方々によって完成させてもらった作品でした。だから本として頒布できることがとてもうれしいですし、いろんなイベントで手に取ってもらえたことも、とてもうれしいです。くりかえしになるけれど、楽しんでくれるといいな。

そんなかんじで、おおむね豊かな同人誌即売会だったと思います。
来年は年頭の文学フリマ京都、春・秋の文学フリマ東京、夏の文学フリマ大阪には出ます。やっぱり東京は大きいですし、関西は近いので、そのあたりは確定。それともしかすると文学フリマ札幌に出るかもです。会いたい人がいるので、札幌には行きたいのですね。とても好きな街です。

あと、ちょっとしたカフェイベントを主催するかもです。

これはライトなイベントなので、隔月ぐらいでちょくちょくできたらいいな、と思っています。
同人誌即売会「尼崎文学だらけ」については、今のところなにも考えてないです。でもなにかできたらいいですね。やっぱり即売会は、本を好きな人々が集まっていて、その気持ちにあふれていて、とてもいい空間だと思うので。
イベント主催に関しては、そっちのブログでまた詳細書きます。

続きまして、執筆した作品について。

■今年執筆した作品
・thunderbolt(600枚)→ハヤカワSFコンテスト1次通過。
・その割り込みをマスクせよ!(440枚)→ファンタジーノベル大賞1次落ち
・???(230枚)→群像新人賞選考中

合計で1270枚。書いただけならもうちょっとあるのですが、完成させてないと意味ないと思うので、そのベースで計算すればこのぐらいの分量でした。
まあ分量はマッチョイズムの賜物ですからね…。速さ×時間で機械的に計算されるだけのものなので。それよりは、やっぱり「いい文章が一文字でもいいから書けてたか」のほうが気になります。
今年はうれしいことに、初めてエンタメの賞で1次通過しました。それもハヤカワSFコンテスト。講評では「SFじゃないじゃん」などと言葉を頂いて、最終選考に進めなかったのもむべなるかな、という感じなのですが、やっぱりうれしい。
「thunderbolt」と「その割り込みをマスクせよ!」は、カクヨムコン4にも参加中です。

「いい文章が一文字でもいいから書けてたか」
それを教えてくれるのは、やっぱり読者の方にいただく感想だと思います。
作者と読者の関係を言い当てる言葉として
「となりで一緒に笑ってくれる存在」
というものがしっくりきます。
その意味では「その割り込みをマスクせよ!」で伴さんに頂いた感想がとてもうれしくて、「いちおうそれなりに、書けてたのかな?」と思わせてくれるものでした。

伴さん、ありがとう。

カクヨムコン4は来年の2月頭ぐらいまで読者選考が行われ、その上位が編集部による最終選考に進むみたいです。へんな話、それはどうでもいいというか、それよりは少しでも書いた作品が誰かを楽しませてくれるといいな、と思っています。

なんというか、今年は「書くことの意味」を見つめた一年だったと思います。で、一年過ごしたなりの現時点での結論ですが、「書くことの意味」は、「書くこと」だと思っています。ただただ書きたいんです。それだけです。
書くこと、は、ボールの壁当てに似てる気がします。壁当てに例えていえば、投げることがとにかく楽しい。楽しいけれど、上手くできたほうがもっと楽しいから、壁当てするための「的」を壁に書いたりします。この「的」が小説における公募です。公募に出すのは、プロになりたいからとかそういうことじゃなくて(そう考えてた時期もありましたが)、単に小説がうまくなりたいから、そのための尺度として公募に出しているんだと思います。
それで壁当てをしていると、それを見ていた周りの子が褒めてくれたり、一緒にやりたいって言ってくれたり、ライバル意識を燃やして打席に立ったりします。これが小説における「読まれる」ということだと思います。ただ楽しいからやっていただけなのに、いつの間にか周りに仲間が増えて、一緒に遊ぶともっと楽しくて、そういうふうな広がりがときにとても尊く思えることがあります。
誰にとってもそうかは分からないけれど、私の創作の原点はそこにありました。小学校の休み時間、誰のためでもなく妄想の許すままにゲームブックを作っていたら、ひとりの友だちがそれを遊んでくれて、毎日次を楽しみにしてくれていたのでした。あのT君が、私にとって最初の「読者」でした。

そんなかんじで、創作的に恵まれたとてもいい1年でしたが、また来年も楽しくなるといいな、と思います。来年のテーマは「済美」と「節義」ですが、これはまあまあ、新年ぐらいに記事で書こうと思うので、現時点では掲げるだけです。
あ、あと来年の目標は、六大純文学文学賞(文藝・新潮・すばる・文學界・群像・太宰治)に全て出すことです(太宰治賞は厳密には純文学の賞ではないですが)。賞を取るとかどうでもよくて、ただ書きたいので。走るためには道路が必要なように、なんらかのアラインメントが欲しいので、賞をひとつの目標として設定することにしました。

今年たくさん本を読んでくださった方、お話してくださった方、遊んでくださった方、ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。
最後になりましたが、今年群像新人賞に出すにあたり、10名近くの方に下読みしていただき、誠にありがとうございました。結果が出るのは来年の5月ぐらいです。どこまで行けるか皆目見当がつかないし、あっさり一次落ちもありえると思いますが、とにかく自分の力だけでは完成させることのできない作品になったと思います。たくさんのものをもらったので、なにかをすこしでもお返しできる結果になればうれしいです。もしも叶うならば、賞金を持ってみんなで回らないおすしを食べにいきましょう!

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