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文化がないと作りたいものがない問題

30歳の誕生日のことはよく覚えている。その日は将棋プログラムを書いていたらいつの間にか誕生日で、そのまま夜中の3時すぎくらいまでプログラムを書いて寝た。起きてからも普通にプログラムを書いて、特に祝うこともなくその日は終わった。当時、なんて人生だろうと思いつつも、将棋プログラムPonanzaを強くすることがすべてであったし、誇りをもってそのことに向き合っていた。

2017年に自分が作った将棋プログラムがとうとう将棋の名人を倒すまでになって10年かかった願いが叶ってしまった。ここまでに到る道は私にはとても大変な道のりだった。

さて、もちろん自分の人生はまだまだこれからなので、次も個人的なプロダクトを作ろうと思うのだけど、ここで困った。私には「将棋」と「プログラミング」しか文化がないのだ。つまり他のことが全然わからないのだ。

将棋プログラムをはじめた理由はとても素朴なもので、当時自分は将棋がアマチュア五段くらいあった。そんな時プログラムの勉強の題材に選んだだけだったのだ。それがここまで続いたの自分のなかで将棋という文化がとても大きかったからだ。

スティーブン・ジョブズがかつて、Connect the Dots と言った意味が最近身にしみている。この場合の Dots とは様々な経験のことです。有名な話としては、ジョブズのカリグラフィー(文字を綺麗に見せる手法)の勉強が、Macのフォントに対する美学につながったという話とかがありますよね。

つまり何が言いたいかというと、文化持たないと、なにか作る時にしんどいですという話です。そして皆さん、ぜひご自身の趣味や文化をとても大切にしましょうという話でした。


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