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「えびせん1枚50京円」の理由

虚構新聞、大好きです。

最近の食料品の値上げに焦点を当てて、こんな面白い記事が上がっていました。

えびせん1枚50京円――。原材料費の高騰や円安の影響による食料品の値上げラッシュが山場となる10月を迎えた。ファストフード店が相次いで値上げを発表する中、子ども達の憩いの場である下町の駄菓子店にも大きな値上げの波が押し寄せている。

虚構新聞
「駄菓子屋「えびせん1枚50京円」 10月値上げ、児童の懐も直撃」
2022年10月1日より引用

ただ、今回の記事については、ちょっと思うことがあります

えびせん1枚50京円」って、あまりにやり過ぎじゃないです?」という単位が、使われない単位すぎて、ちょっとピンとこないのです。

「えびせん1枚50億円」とか、「えびせん1枚50兆円」とか言われれば、即座に「んなわけあるいかい(笑)」と反応できます。でも、「50京円」と言われれてしまうと、あまりに実感がわかなくて「何それ?」となってしまうわけです。

しかし、これが「50億円」でも、「50兆円」でもなく、敢えて「50京円」になっているのには、それなりに理由があるのかもしれません。

虚構新聞には、過去にこんな記事がありました。

新型コロナウイルスの感染が収束する兆しを見せないまま、小中学校ではまもなく秋の運動会シーズンがやって来る。今年はコロナ禍を理由に開催を見送る学校も多い中、感染に配慮した「新しい運動会」を模索する学校がある。
(中略)
花形競技でもあるリレー種目では、長さ2メートルのロングバトンを使用することで、適度な間隔を確保したままバトンパスが可能に。また、二人三脚は、中古市場に大量に出回っているPepper(ペッパー)10台を安値で購入。ロボットとペアにすることで問題を解消した。

虚構新聞
「2mのロングバトンも コロナ禍で「新しい運動会」 マキャベリ小」
2020年9月12日より引用

新型コロナウイルスの感染予防対策として、運動会で使用するリレーのバトンが、2メートルにもなるという内容が含まれている記事です。

相変わらずの素晴らしいセンス、とても可笑しいです・・・と思っていたら、虚構新聞側としては、笑えないことが起こってしまいました

長さ2メートルのバトン・・・本当に使われちゃってるぢゃん(絶句)。

ということで、虚構新聞からは「お詫び文」が掲載される事態となったのです。

 2020年9月12日配信の「2mのロングバトンも コロナ禍で「新しい運動会」 マキャベリ小」記事につきまして、同月27日、神奈川県相模原市の小学校にて長さ2メートルのバトンを使った運動会が実際に開かれたことが分かりました。虚構世界の現実を伝えることを目的とする本紙におきまして、記事が一部現実化してしまったことを、関係者と読者のみなさまに深くおわびいたします。
(中略)
 昨年の「ジョン・ケージ「4分33秒」トリビュート盤発売が決定」の誤報以後、編集部では記事の虚構性を保つため、記事のチェック体制強化や、配信ペースの見直しなどを行ってきました。
 しかし、記事公開後わずか2週間余りで現実を先取りしてしまう勇み足の報道となってしまったことは、言論機関として痛恨の極みです。コロナ禍という非現実的な状況下でスクープを得ようと急ぐあまり、現実で起こる可能性を甘く見積もった結果であると自ら断罪せざるを得ません

虚構新聞
「「2mのロングバトンも コロナ禍で「新しい運動会」 マキャベリ小」についてお詫び」
2020年9月28日より引用

お詫び文まで秀逸で、本当に頭が下がります。

要は、虚構新聞が報じた内容が、現実になってしまったことが問題なわけです。虚構新聞は、常に虚構性を保つ必要があり、その虚構性こそが売りなのです。報じた内容が現実に起こってしまっては、元も子もありません。

そう考えると、えびせん1枚が50億円でも、50兆でもなく、敢えて「50京円」にしたというのは、その「虚構性」を確実なものにする意図があったのではないか?とも思えるわけです。

つまり、「円」という通貨の信用に対して、絶対にありえない単位をつけなければ、虚構新聞の虚構性を担保できない可能性があるということです。

お金に価値はないんです。
お金というものは、単純に何かモノやサービスの提供を受けるための交換ツールでしかないわけですから。なので、現金には価値がないんですけど、皆さん現金に価値があるというふうに思いこまされているわけなんですよね。

お金に価値はない?おバカな陰謀論として、退けるのも大いに結構です。

ただ私自身、一度は真面目に耳を傾けるべき内容なのではないかと思います。動画で語られている財産税については、戦後、実際にあったことでもあります。

こちらの記事では、その財産税のえげつなさが語られていますが、それでも、度を越えたハイパーインフレよりはマシだとのことです。

予め言及しておきますと、財産税課税というのは究極的には「まだマシ」な施策なのです。というのも、ハイパーインフレになってしまえば、個人の保有資産の実質的な価値は「何百分の1」とか「何万分の1」とかになってしまう可能性があるのですが、財産税課税をされても資産は「何分の1」か、最悪でも「10分の1」くらいにしかなりません。それくらいのことでハイパーインフレが収まってくれるのであれば、背に腹はかえられないということになるのです

幻冬舎GOLD ONLINE
「富裕層の「財産没収」を本気モードで推し進める日本政府」
2020年1月19日より引用

私たちの多くは、1946年当時のことを知りません。したがって、財産税のことなんかも、ほとんど知識がないという人がたくさんいるかと思います。

しかし、とても大切なことです。なんなら、こういう大事なことについて、何故、学校できちんと教えてくれなかったのか?とすら思います。

いや、今からでも遅くないです。それなりに危機意識をもった人たちは、何かしらの備えを進めていけばいいのでしょう。

実際、えびせん1枚がいくらになるのかは分かりません

ただ、これまで当たり前とされていたことが、当たり前でなくなる時代になるかもしれないこと、常に頭の中に入れておいておきたいものです。


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