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エネルギー問題はややこしい

自分が小学生だったころ、石油は30年ほどで枯渇すると聞かされていました。自動車好きだった自分は、車の運転に憧れていて、もしかしたら車の運転ができなくなるのではないか、と心配したことを覚えています。

しかし最近、そんな話もまるで聞かなくなりました

世界の石油確認埋蔵量は、2016年末時点で1兆7,067億バレルであり、これを2016年の石油生産量で除した可採年数は50.6年となりました。1970年代のオイルショック時には石油資源の枯渇が懸念されましたが、回収率の向上や新たな石油資源の発見・確認により、1980年代以降は、40年程度の可採年数を維持し続けてきました。近年では、米国のシェールオイル、ベネズエラやカナダにおける超重質油の埋蔵量が確認され、可採年数は増加傾向となっています。

資源エネルギー庁
「平成29年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2018) HTML版」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2018html/2-2-2.html

資源エネルギー庁のエネルギー白書によれば、石油の可採年数は50年だそうです。しかも近年、これは増加傾向にあるとのことなので、ますます延びる見通しのようです。

石油の枯渇を心配しなくていいということは、それはそれで結構なことです。ただ、アレは何だったんだ?というモヤモヤは残ります

そもそも石油については、「化石燃料」などと言ったりしますが、実はそうではないという話もあります。

非生物起源説(無機成因説)
一方、非生物起源説では、生物の遺骸ではなく地球内部に存在する物質に石油の起源を求めています。石油の起源物質は、地球創生時に、地球の材料となった小惑星から持ち込まれて地球深部に蓄えられており、今も地球深部で石油の生成が続いているとしています。周期表で有名なロシアの化学者メンデレーエフ(1834~1907)は、非生物起源説を主張していました。

独立行政法人製品評価技術基盤機構HP
「石油のなりたち」より引用
https://www.nite.go.jp/nbrc/industry/other/bioreme2009/knowledge/oil/oil_1.html

いわゆる「非生物起源説」や「無機成因説」などとも呼ばれるもので、石油は生物の遺骸からできたものではなく、地球内部の物質からできあがったものではないかという説です。

これの確からしさは、よく分かりません。しかし、こんな論文も出ています。仮にこれが本当だとしたら、石油に対する考え方を根本的に変えないといけないかもしれません。

その学説では、石油や天然ガスは地球内部の岩石が高圧・高温条件下で化学反応により生成すると唱えられる(本稿では、石油の無機起源説と呼ぶ)。旧ソ連では同学説を解説した学術論文や書籍が4,000編以上も公表されてきたという。そして1952年から1965年にわたり、この無機起源説は旧ソ連の石油探鉱における指針として実際に活用され、カスピ地域で80以上の基盤岩油ガス田の発見を導き、西シベリア地域で90以上の油ガス田(うち80は基盤岩油ガス田)の発見を導き、さらにアゼルバイジャン、タタルスタン、東シベリア地域での結晶質基盤岩の炭鉱へと展開されたという。このように旧ソ連では、石油の無機起源説は油田発見の実績を伴った理論として一度確立され、長きにわたり実際の炭鉱に活用されていたという。

中島敬史(2015)
「石油の無機起源説に関する最近の進展」
石油技術協会誌第80巻 第4号 275頁

今の私には、検証のしようがありません。ただ、石油枯渇問題が声高に叫ばれていた当時原子力発電に対しては、社会的にまだまだ根強い抵抗感があったように記憶しています。

仮に当時、原子力発電を推進したい勢力があったとするならば、将来的な石油エネルギーの問題をでっち上げて、煽っていた可能性はあると思います。そうでなくても、取り沙汰された石油枯渇問題が、結果として、原子力発電を後押しするかたちになったことは事実でしょう。

当時の石油枯渇問題が、新しいエネルギーとしての原子力発電推進に利用されたであろうという視点、無視することはできません


視点を最近に戻すと、ここしばらくの間、地球温暖化問題が大きく取り上げられてきました。

最近では、必ずしも「温暖化だけではない」ということから、気候変動問題ということで、メディアでも大きなテーマとなっています。

言うまでもなく、この動きは太陽光をはじめとした再生可能エネルギーへの転換を後押ししています。この構図、私が小学生だった頃のことを想起させるのです。果たしてこの問題、あとになってモヤモヤを残すようなことはないのでしょうか。

地球温暖化、どうにも信用なりません

世界で最も二酸化化炭素を排出している中国に、積極的に取り組む姿勢がみられないといった、比較的表面的な話だけでなく、そもそも温暖化が悪いことなのか?二酸化炭素の濃度が高くて問題なのか?太陽活動の影響ではないのか?などといった、純粋に科学的な視点からも、疑うべきポイントがいくつもあるように思っています。

もちろん、世界的な利権構造の問題もです。

まぁ、ややこしいです

電力不足を煽って原子力再開への後押しをして、新電力崩壊のなか中小企業潰して、そこの利権にまた群がって・・・林千勝先生がよくおっしゃる一石三鳥、四鳥、五鳥???

ややこしいので、私自身、今の時点で結論めいたことを言うつもりはありません。ただ少なくとも、メディアや政府が発表する内容をそのまま鵜呑みにするつもりもないです。メディアに踊らされるのはゴメンです。


日々、これ勉強です


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