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ビザスク様インタビュー ~お客様のニーズから生まれた調査代行サービス「ビザスクreport」とは~

株式会社ISSUEでは、“大企業における新規事業立ち上げ”にフォーカスを当て、当社がこれまでに関わった企業の事業担当者様へのインタビューを通じて、大企業で新規事業を成功させたストーリーや、成功のための必要なノウハウなどを紹介しています。新規事業に携わっている方、興味がある方に、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

今回お話をうかがった企業

「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションに掲げ、世界190ヵ国60万人超のビジネス知見に出会えるナレッジプラットフォームを運営する株式会社ビザスク。
新規事業・研究開発・DX推進・海外調査などに取り組む企業の調査ニーズに対し、最適な知見を持つエキスパートを1時間インタビュー(ビザスクinterview)やアンケート調査(ビザスクexpert survey)をはじめとする各種サービスでマッチングしています。
ビザスクが2021年9月にスタートした「ビザスクreport」は、調査業務に精通したパートナーが調査設計及び、世界60万人超へのインタビューやアンケート調査を代行し、自社単独では難しい調査の実行や質の高い調査レポートの作成支援を行うサービスです。
 
ISSUEは「ビザスクreport」の調査パートナーとして、ビザスクとともにご提案から実際のデリバリーまでクライアント支援を行っております。
今回は、「ビザスクreport」のチームメンバーである小野澤様、大田様にお話をうかがいました。
 
■調査パートナーがインタビューやデスクトップサーチを代行し、調査レポートを作成する「ビザスクreport



インタビュイープロフィール

株式会社ビザスク 法人事業部 reportチーム 小野澤 佑夏様
大学卒業後、ERPパッケージメーカーにて法人営業を担当。その後、ビザスクに参画し、事業開発担当として大手事業会社における社外知見活用の提案と新規事業支援を担当しながら、「ビザスクreport」の先駆けとなる調査代行サービスの立ち上げを経験。現在は「ビザスクreport」チームでリーダーを務める。

株式会社ビザスク 法人事業部 reportチーム 小野澤 佑夏様


株式会社ビザスク 法人事業部 reportチーム 大田 大介様
大学卒業後、ITベンチャー企業にてDXコンサルタントに従事。プロジェクトリーダーとして、大手企業の中期経営計画やマーケティンググランドデザイン、子会社の成長戦略の策定を経験。現在は「ビザスクreport」チームで様々な企業の調査支援を担当。

株式会社ビザスク 法人事業部 reportチーム 大田 大介様

■株式会社ビザスク
「知見と、挑戦をつなぐ」をミッションに、世界中のイノベーションを支えるナレッジプラットフォームを運営。国内外60万人超(2023年8月末時点)の知見データベースを活用し、新規事業開発における業界研究やニーズ調査、人材育成、グローバル進出等、様々な課題の解決に、テクノロジーと高度なオペレーションで個人の知見をピンポイントにマッチングしている。2019年、2020年の「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast 500」を連続受賞する。2020年3月10日、東証マザーズ(現 東証グロース)上場。2021年11月1日、米国同業のColeman Research Group, Inc.を買収。

【会社名:株式会社ビザスク】
所在地:〒153-0042 東京都目黒区青葉台4-7-7 住友不動産青葉台ヒルズ9F・10F
設立日:2012年3月19日
代表者:代表取締役CEO 端羽 英子
事業内容:ビジネス領域特化のナレッジプラットフォームの運営、新規事業創出/組織開発支援
証券コード:4490(東証マザーズ)
URL:https://corp.visasq.co.jp/

■株式会社ISSUE 代表取締役社長 水野 貴弘
野村証券に入社後、株式会社ファインズのグループCFOとして財務面での戦略立案/資金調達/M&A/他社とのアライアンス/上場準備等をリード。事業面では子会社を2社設立し、メディア事業及び人材事業を推進。YCP Solidianceではスタートアップ×ファインナンス(M&A/資金調達/ビジネスDD等)を軸としたプロジェクトに従事。2021年、株式会社ISSUEを創業し、代表取締役に就任。


お客様のニーズから生まれた調査代行サービス「ビザスクreport」とは

ISSUE 水野(以下、IS 水野):「ビザスクreport」が立ち上がった背景や経緯を教えてください。既存事業があったのでしょうか。
ビザスク 小野澤様(以下、小野澤様):最初は「調査代行」という名称でスタートし、調査レポート作成におけるオプションの様な建付けでしたね。そのうちお客様から、リソース不足などの理由で「インタビューや調査設計の代行はできないの?」といった声を多くいただくようになったのと、当社としても新しいサービスを考えていくタイミングであったので、予算をつけて「調査代行サービスの事業化を本腰を入れてやってみよう」となりました。

IS 水野:なるほど。お客様から、調査設計やインタビュー代行といったニーズが増えている理由はなんでしょうか。
小野澤様:大きく二つあるかなと思っています。一つは先ほど挙げたように、そもそも社内でリソースが足りない。新規事業開発は小さいチームで進めることが多い中、考えること、やるべきことが多すぎます。もう一つは、「調査設計」を支援してほしいといったニーズに対して、社内にスキルを持った人がいないからだと思います。
IS 水野:調査をしてレポートを出すのはいろんなコンサルティングファームが行っていますし、汎用性があまり高くないものも多く見受けられます。「ビザスクreport」が立ち上げ当初、モデルにした企業やサービスはありましたか?
小野澤様:何かをモデルにしたというよりは、やはりお客様の声をベースにサービスを作っていきました。
 

「ビザスクreport」の事業立ち上げフェーズ

IS 水野:「ビザスクreport」をリリースしたのは2021年9月ですよね。 成長スピードなど、リリース後の感触はいかがでしたか。
小野澤様:そうですね、ちょうどリリースの半年前ぐらいから、お客様からサービスに対するご要望※1 を少しずついただいていたので、リリースをしてから何か大きく変わったことはあまりなかったです。リリースできたことで、お客様にも「ビザスクreport」がオプションのサービスではなくて、メインの一商材として認知していただけるようになったので、受注増にもつながりました。

IS 水野:小野澤さんは、「ビザスクreport」の立ち上げから携わってますよね。当時はどのようなポジションだったのでしょうか。
小野澤様:私は以前システムメーカーで法人営業をしていて、その後ビザスクに入社し、法人営業に携わっていました。営業をする傍らで、「ビザスクreport」の立ち上げをすることになりました。プロジェクトの一つでしたが、今は法人事業部のreportチームとして専任で稼働しています。
IS 水野:そうだったんですね。小野澤さんは、スキルセットが全く異なる法人営業と新規事業のどちらも経験されているんですね。小野澤さんが「ビザスクreport」を立ち上げるにあたって、困ったことや課題にどのように向き合っていきましたか。
小野澤様:お客様のニーズが見えている中で、事業化してスケールさせていくことが一番難しかったです。チームだけでなく会社一丸となって取り組み、クリアできたからこそ、今の「ビザスクreport」があり、様々な案件をいただいているのだと思います。

IS 水野:実際に事業をスタートしてから、「この事業、結構来るな」と判断するのに、結構時間はかかりますよね。PMF(プロダクトマーケットフィット)の話かと思いますが、「ビザスクreport」については、何かターニングポイントみたいなものがあったのですか。
小野澤様:お客様からの認知が徐々に広がって、緩やかに伸びていった感じですね。2020年12月ぐらいからまずは私のお客様を中心に、地道に泥臭くご紹介していったのですが、本格的にやるかやれないか判断できない中で動けたのは、ベンチャーならではかもしれないですね。
IS 水野:やはり既に一定のお客様がいるのは事業をスケールするうえで強いですよね。
小野澤様: とあるお客様ですが、毎年決まったタイミングで大きな案件があるので、それをきちんととれていたのも大きいと思います。それが1社だけでなく、数社ありました。事業化するうえで一つの判断材料になりました。

IS 水野:私たち(ISSUE)が御社とお仕事を初めさせて頂いた2021年から比べると、サービスがどんどん増えている印象がありますが、会社の方針として、新規事業には積極的に取り組まれているのでしょうか。
小野澤様:ビザスクには、常に新しいものに挑戦していくマインドがあります。なので成長が止まらないようにと取り組んでいった結果、年に1つずつくらいのペースでサービスが増えていきましたね。
IS 水野:ビザスクは、インタビューサービス(もしくはビザスクinterview)で既にやり取りがあるお客様を対象とした新規サービスをどんどん立ち上げられていて、綺麗に顧客のLTVを最大化されている印象があり、新規事業の広げ方がとても上手いと思います。

※1 エキスパートインタビューや調査設計の代行など
 

「ビザスクreport」が事業化できた秘訣

IS 水野:小野澤さんは、「ビザスクreport」の立ち上げメンバーですが、当時のチーム体制はどんな感じでしたか。
小野澤様:立ち上げ当初はプロジェクトとしてスタートしました。プロダクトオーナーと私の2名でした。現在も営業組織は別ですが、少数精鋭部隊で運営しています。

IS 水野:リリースから2年経ち、当初予想していた成長スピードと比較すると、どんな印象ですか?
ビザスク 大田様(以下、大田様):予想以上でしたね。自分がビザスクに入社したのは、「ビザスクreport」の成長フェーズでした。他社の調査を使ったお客様が「ビザスクreport」に関心を持ってくださって、それが事業を加速させるアクセルになっていました。加えて、社内での連携も上手くとれてきたことが、運用含めて予想以上の結果につながったのだと思います。

IS 水野:素晴らしいですね。アップセル、クロスセルは、社内連携がうまくできているかにも起因すると思います。ビザスクのカルチャーなのか、それとも何か体制が影響しているのでしょうか。
小野澤様:どちらもあると思います。体制面でいうと、立ち上げ当初は、サービスのご説明をしても、お客様に支援イメージを持っていただくことが難しく、ネガティブな反応をされることもありました。そこで、営業資料やサンプルなどのコンテンツを整えることはもちろん、フロントに立つメンバーがきちんとお客様の課題に対して正しく提案できる状態にするのには、かなり注力しました。ビザスクは社員の仕事への熱意も評価するカルチャーです。積極的な姿勢が自身の評価につながるので、組織全体で価値が発揮できるような組織であったこともポイントだったと思います。

IS 水野:ビザスクには、何名くらいのフロントがいますか?
小野澤様:いわゆる営業みたいなポジションだと、数十名らいですね。
IS 水野:もっと多いのかと思いました。さすがですね。大企業だと、縦割りで他のチームがやってることは知らない、みたいなのはよくありますよね。フロントの人数が多くはないとはいえ、インタラクティブに事業開発側ともコミュニケーションが取れている会社は、あまりないと思います。それが出来ているのって、やはりビザスクのカルチャーなんだと思いました。
小野澤様:そもそも論ですが、ビザスクのミッション・ビジョン・バリュー(MVV)に共感している人が入社しているので、仕事に取り組むうえでお互いに理解し合えますし、インタラクティブにコミュニケーションがとれているのかなと思いますね。
IS 水野:ビザスクは、MVVに共感するメンバーをしっかり採用できていてすごいと思いました。
小野澤様:あとは、プロダクトだけが良ければいいという話ではなく、お客様のためにどうにかして良い提案ができないかを考えるのが好きなメンバーが多いので、営業がお客様からの情報を事業部側にも細かくパスしてくれます。
大田様:営業が「このサービスで提案したい」と決め付けるのではなく、お客様にとって最適なサービスはどれだろうかと、社内でフラットに議論が起こりますよね。これは会社の良いところだなと思います。

IS 水野:「ビザスクreport」の今後の目標は?
小野澤様:まだまだ小さいサービスなので、来年度はもっと大きくしていきたいです。こうしてお客様にもどんどん認知されてきて、やはりニーズはあるなと肌で感じるので、そこはしっかり取りに行きたいです。そして個人的には、「ビザスクreport」を事業部の中でも稼ぎ頭になるようなサービスにしていきたいですね。
大田様:私も同じくです。

大企業で新規事業を立ち上げるにあたっての課題

IS 水野:小野澤さんも大田さんも、大企業の新規事業部と関わることが多いと思いますが、彼らの課題をどのように認識していますか?
小野澤様: 色々あります。やはり課題として多く伺うのは、社内からの理解を得づらいということですね。私たちの「ビザスクreport」は、スモールビジネスからスタートできましたが、上層部含めて「やってみよう」の後押しがあったことも大きいです。これは企業カルチャーにも関係するのかもしれませんが、多くの大企業から聞くのは、上層部からやれとは言われるけど、一歩踏み出すのにものすごく多くの社内チェックがあったり、あれやこれや突っ込まれたりして、結局できないというパターンが多いそうです。
大田様:私も決裁までのハードルが高いことだと思っています。

IS 水野:新規事業に携わる「人」に対してはいかがでしょうか。
大田様:うまくいくプロジェクトをみていると、担当者の方がご自身で主体的にやろうと思っているかどうかは、かなり大きく影響していると感じますね
小野澤様:チームとして見た時に、このチームでプロジェクトをやっていくぞ、という気概があるのかどうかですかね。メンバーの中には、割と兼務で携わっている方も多いので、忙しくてできないパターンもあると思います。そうした時に、チーム内でどう対応していくのかちゃんと議論がされているのか。チーム内で温度感が揃っていないとかだと、プロジェクトの成功は難しいですよね。

大田様:あとはすごく細かいところで言うと、最終報告等において、調査パートナーと担当者間でディスカッションが発生しているかも大事かなと思います。なんか良いと思います、で終わってしまい、後にチーム内で認識の齟齬が生じるパターンもありました。先ほど話題に出たプロジェクト担当者の主体性みたいな話にもつながってきますが、良いものを一緒に作っていこうとする風土がチーム内できちんと醸成されているかどうかは、プロジェクトの成功に大きく影響すると思いますね

IS 水野:御社経由で新規事業系の調査を実施させていただいた企業様が、その後どうなったかを一度聞いてみたいと思っていました。調査をしたものの、あまり進んでいない企業様もいる印象を持っていましたが、いかがでしょうか。
大田様:本当にケースバイケースだと思います。但し、あえて言うならば、やはりスタートアップと比較すると大企業の場合、どうしても実行の判断をする時間軸が遅い傾向はあると思います。


プロジェクトを成功させるための調査依頼方法

IS 水野:プロジェクトが上手くいく調査のオーダーの仕方もありますよね。お二人からみて、上手くいくオーダーと上手くいかないオーダーの差はなんだと考えますか。
大田様:調査の目的や背景をしっかり設定できているかどうかだと思います。過去には、何となく市場調査をしたいとか、いきなり5フォース分析をして欲しいとか、手段から入るケースもありましたが、それだとなかなか苦しいですよね。調査の目的や背景があって、じゃあそのためにどういう手段をとるのか、という議論になると思うので、その順序を間違えると難しいですね。
小野澤様:上層部から言われたから調査をする、これが一番ふわっとなりやすいです。上層部から「海外の市場動向は見ておかなくていいの?」と聞かれて「確かに市場動向調査はしておいた方がよさそうだから相談してみよう」と弊社にご相談いただくケースもあるのですが、調査結果/アウトプットから、何が言えたら事業検討が進むのかという具体的なオーダーイメージがないと、結局担当者の方が上層部に稟議をあげるタイミングで、上層部の同意を得られず、発注できないということになります。
IS 水野:私は、お客様に仮説があるかどうかが大きく影響すると思いますね。予測があって論点が紐づいていくわけですが、それがないと結局調査内容が良かったのかどうか評価ポイントがぼやけてしまい、お客様の満足度も上がりにくいと感じます。

 

調査パートナーの選定プロセス

IS 水野:案件を依頼する際、調査パートナーを選定する際のプロセスはありますか?
大田様:いくつかあります。海外調査が可能なのかであったり、予算管理ができるかどうかであったり。あとは、業界の知見やこれまでのご提案内容とか、プロジェクト運営の経験がある領域なのかなどを加味したうえで、総合的に判断して選定させていただいています。

IS 水野:次に、お二人から見て良い調査パートナーと良くない調査パートナーの差はなんだと思いますか。
大田様:私たちは常に、会社のビジョンに沿って"お客様のためにどう貢献できるか”というマインドでいるので、同じマインドを持って一緒に取り組んでいただける調査パートナーの方は嬉しいですね

IS 水野:ちなみに、ISSUEに調査をご依頼いただく際の決め手は何になりますか。
大田様:ISSUEの強みにも結びつくと思いますが、3つありまして、1つ目はまとまった業界レポートに短納期で対応いただけることですね。2つ目は、海外の案件にも強いことです。国内における調査とクオリティが大差なく、高水準のアウトプットをいただけるので非常に評価させていただいております。3つ目は、調査だけで終わるのではなく、そこから企業様がどうしていくべきなのか、戦略策定の入口までフォローしていただけることです。
小野澤様:ISSUEには、お客様に対してコミットしようと本当にいつも柔軟にやっていただいているので、とても感謝しております。今後もお付き合いのほどよろしくお願いします。


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