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29歳、いつまで女子でいられるのか問題。

 『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』、読んだことあります? ジェーン・スーさんは最高ですね。私はですね、一生女子でいたいのですよ。本を読んだ人だけの内輪ネタにはなりますけども、私はピットインの時の迎え方も入り方もプロでありたい。これからも世界中から値の張るかわいい食器を1つずつ集めたいし、実用性ゼロの服を着て、まったく妥当とは思えない値段の香水を纏ってデートに行って、時々ちょっと贅沢なごはんを食べて、週末は9:30頃にベッドから起きだして、コーヒー豆を挽いて、ワールドニュースを観ながら朝を過ごしたい。だって私はまだ発展途上。世界中で色んな人に会って聞きたいことと、聞いてもらいたいことがまだまだたくさんある。

 今年になって毎週土曜日、ビーチをランニングしているのだけど、うっかり出遅れて午後に差し掛かると、お散歩勢の波に飲み込まれる。その中には同世代の子連れ仲間集団が結構多くて、私の中の女子の心はググぅとなる。私も女子なりにいつかはパートナーと子どもを持ちたい気持ちはある。でも実際にベビーカーを押す腰の座った同世代たちとすれ違うと、そのたびにランニングの息苦しさに拍車がかかって、途中で海に向かって叫びたくなる。写真立てに入りそうな空気感は、なんだか私のものではない気がしてしまう。家族を育む生活は、きっと何にも変え難い幸せに満ちているけれど、そこへの入り口は、入ったら出て来られない一方通行の道。まだそっちへは行けない。(何度も言うけれど、テイラー・スウィフトのMidnight Rainを聴いてみておくれ。要はそういうことだ。)

 あぁ、私は一生女子でいたい。初デートを、あと何度でもしたい。冬のビーチを歩きながら想像もしていなかった人生の物語にワクワクしたり、ごはんのお会計の後に「次のコーヒーは私に払わせて!」と言ったり、他人が着なそうなその服を褒められたり、今まで出会った中で1番興味深くて理解はできないけどすごいねって言われたりしたい。自分だけの家があって、食べたいものを料理して、誰からの干渉も受けずに、パステルカラーの半跏思惟像(韓国チームにもらった)やらStudio Arhojの置物を愛でていたい。私の心が女子でいようとも、歳を重ねるスピードは変わらないのは重々承知。ただ折り合いの付け方と、覚悟の決め方がわからないのだ。好きなものやことを突き詰めていると、大切なはずの誰かの居場所さえ締め出してしまいがち。     

 この前、クイーンズギャンビッドを観直しながら考えていた。私はなんのために生きてるんだろう。思うに私の生き方は、何のためにも生きない人生。周囲の人はそれを自由; freedom と呼ぶのだけども、それがポジティブなことなのかはよくわからない。私の母は(知らずして)私が何からも縛られずに自由であるように育てた。だけど、自由もその中にいるうちは結局また別の監獄だ。私は自由から抜け出せない。なるべくして、私はイギリスでひとり人生を歩んでいる。女子という概念は、まさにこの自由の中にある。一体、いつ、どうやって、この自由から抜け出して誰かのために生られるだろうか。そしてそれは、ついに私も女子でなくなるという意味だろうか。

 こんなしょうもないことを考えてる時に、出会った人がいる。もう少ししたらそのことも書けたらいい。

私の「女子でいさせてくれ」シリーズ

好きな人々
ガラクタが好き。
テレビ台にはテレビの代わりに好きなものを好きなだけ。
別にこだわってません。

*インテリアと雑貨が好き。かわいいは正義だ。今のフラットは元々ついてきた家具があってスペースが限られてるから、安物も組み合わせやすいポップな空間になっているけど、本当はミッドセンチュリーとパステルカラーを組み合わせた空間に住みたい。今日も夢だらけ。

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