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「木を植えた男」ジャン・ジオノ 寺岡襄 訳 黒井健 絵/あすなろ書房

荒地に、木を植え続ける。
日々の成長は、目には見えない。だから、他人は、評価しない。
時に振り出しに戻るような、外的な影響にも見舞われる。
けれど、毎日間違いなく成長している。

自分の成長に自信が持てなくなったり、他人や社会の評価が得られないと苦しい時に。成長していない日は、1日もないと、気付かせてくれる1冊。

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(出典)荒れ地に、彼は木を植え続けているのだという。

ただ変化はとても穏かにあらわれたので、日常にまぎれて、人々の目を驚かすに至らなかった。

ふと訪れた森林官士官は、森がひとりでに、こんなにも成長するなんて、初めて目にした、と語った。

ある年、1万本ものカエデを植えた。 
ところが苗は全滅し、彼は絶望のふちに立たされた。

第一次大戦の時も、第二次世界大戦も、どこ吹く風と、
もくもくと作業に打ち込んでいた。

わずか8年を経ただけなのに、今は、すべてがすっかり変わっていた。

村には、未来への夢に支えられた意欲的な労働の成果が、そこここに見受けられた。

魂の偉大さの陰にひそむ不屈の精神
心の寛大さの陰にひそむたゆまぬ執念
それらがあってはじめてすばらしい結果がもたらされる