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一寸先は闇からの一筋の光明

2020年を一言でまとめれば「クズ」だった。

2020年初頭から研究は見事なまでに行き詰まった。やる作業はある。けど、その作業の先のビジョンが全く見えなかった。

2020年2月に自分が発表したセミナーは散々だった。それはそうだろう。自分自身だってよく分かってないのだから、他の人が聞いたところで分かるわけもない。

そんな感じだから研究に対するモチベーションは駄々下がり。

そして、そんな中でやってきたコロナショック。外界とのやりとりはオンラインだけに制限された。
オンラインはオンラインでいいもんだ。遠い距離の人とも喋れるし、自宅でみんなやるから終電を心配する必要がないし割り勘する手間もない。

しかし、やはりオンラインにも限界がある。オフラインの楽しさに敵わない部分があるのも確かだ。

これはオンラインを否定してるわけではない。言いたいのは、「オフラインとオンラインの選択肢がある上でのオンラインはいいけど、オフライン"しか"選択肢がないのは嫌だ」ということだ。

そんな感じだったせいなのか分からないけど、5月はGW明けに見事に体調を崩した。
熱を出したとかではなく、ただただ胃腸の調子がおかしくなったのだ。
そんなお陰様で、残りの5月は布団の中で過ごしてた。あまりにも長引いたもんだから、お医者さんにも診てもらった。
処方された薬の効果は絶大だった。しかし、それでもマシになるのに悠に1週間以上はかかった。

そんなわけで、丸々1ヶ月間棒に振って研究作業などに戻った。しかし、1ヶ月間何もしてなかったから、体調不良以前に何をしていたかを思い出すのに時間がかかった。

無事にある程度思い出せた後、物事は相変わらずスムーズにいかなかった。体調不良以前だって一寸先は闇の中だったからだ。
暗中模索をしている中でもやるべき作業はあり、それはひとまずやろうとやっていたのが7月から12月の間。
しかし暗闇の中だからやりたいことはブレブレ、今やってる作業は、今読んでいる論文は、何のためにやっているのか明確な意味を見出せずにいた。


そんな中でも旅に出た。
いや、旅に出るしかなかった。
何とかこの暗闇の中から脱出する糸口を掴みたかった。いつもいる場所から離れて物事を考えると、いつもと違う思考になるのか、今まで思いつかなかったことが思いつくことを知っていた。
だから旅に出た。
もちろん、「ただの現実逃避じゃない?」という誹りを受けるのは致し方がなかろう。でも行かないわけには行かなかったのだ。
藁にもすがるという感じだろうか。少なくとも後から回顧してみれば概ねそんな感じだ。

行った先々で出会った自然は雄大で美しく、ただそこにあったのだ。体の中に溜まっていた毒素的なモノがなくなっていく感覚を覚えた。
そして、いろんな雑念が思い浮かんだ。

「YouTubeを始めてみたらどうだろうか」
「この気象現象は面白いな、調べてみようかな」
「旅の情報を自らの発信で出せないだろうか」
「こういう視点から台風を見たらどうだろうか」


思っていた通り、色んなことを思い付いた。そして実行もしてみた。あんまり上手くいかなかった。

その時はよく分からんかった。なんで上手くいかなかったかが。

今ではわかる。一言で言えば「心が燃えてなかった」からだ。

言葉の意味そのままでの「やってみよう精神」だったのだ。そりゃあ上手くいかんわ。ちゃんと物事を調べて何かするということをしていなかった。

「思慮が足りない」

そういうことであろう。

心が燃えてれば、「やってみよう精神」に「思慮深さ」が加わる。
巷でよく言われるPDCAサイクルというやつだろうか、やってみて何かしらの結果が出る、そしてそれに対する考察を行い次の手を考える。

これをやっていなかった。

そして「思慮深さ」を形成する「勉強」もしてこなかった。上部のものを見て、見様見真似でやってみる、ただそれだけだったのだ。
最初は上部を見ての見様見真似でいいかもしれない。しかし、その後は自分なりに色々考え、仮説を立てて実験して結果を見て考察する、そして足りない知識を補う努力をする。
それをやっていなかった。

何もかもが「甘ちゃん」だった。


そんな見事に「クズ」な2020年が終わり、2021年が始まった。
そして年が明けてふらっと訪れた北海道。そこで心の中の状況は一変した。

正月が明けるのを待つことなく、なんとなく訪れた奈良県。そこでフラフラしてる最中に見たある媒体でのライブ配信。そこには美しい北海道の風景が映っていた。
何となく「行ってみたい」とコメントしてみると、画面の中の人の1人が「おいでよ」と言ってくれた。

冬の北海道は一度体感してみたかった、でも寒さのレベルが未知だった故に手を出してなかった。

「こんな機会もないといつまで経っても行かないかもしれないなぁ…」

その「おいでよ」と言ってくれた方は何度かお会いしたことがある方だったから、すぐに連絡した、「奈良からそのまま北海道に行きます」と。

「こんなにすぐに来るのか」と驚いたかもしれないけど、何はともあれ快諾してもらえたので、関西国際空港からすぐに新千歳空港に飛んだ。

一面の白銀世界、昼間でも氷点下を下回る外界。
普通の人なら寒くて寒くて仕方がない、今すぐ暖かいところに帰りたいと思うかもしれないけど、僕自身は「こんな世界の中に来るのが夢だった」、テンション爆上がりだった。
ちゃんとそれ相応に寒がってましたが…。

その後、「その方」に本当に色々とお世話になりながら、普段してる一人旅ではできない様々な経験をすることが出来た。大変濃密な日々だった。久々にこんな長い日程が短く感じた。

そして、「その方」と話す機会はとても多かった。楽しい話もしたし、自分が今までちゃんと向き合ってなかった世界も教えてくれた。

話してる中で、自分が今までいかに「甘ちゃん」であったかという現実が浮き彫りにされて、まざまざと突き付けられた。

「突きつけられた」という強い言葉を使ってしまったけど、それは「その方」からの「優しさ」だと勝手に思ってる。多分、僕がどうでも良い人ならそこまで色々お話ししてくれないだろうと思うからだ。


この文章を書いているのは、帰りの飛行機の中。その中で旅の思い出全てを反芻した。そして、気力が充実してくるのを感じている。

「やってやるぞ」

久しぶりに感じるこの感じ。本当に久しぶりな気がする。


「一寸先は闇からの一筋の光明」


見えたこの一筋の光を何とかして掴み取りたい、掴み取るぞという気概、それを感じたらやるしかない。
そして、「その方」に成長する自分を見てもらいたい。


『心を燃やせ、思慮深く、やるべきことを遂行し、しかし時には大胆に行動を』


これが2021年のテーマになるか、いや、そんな悠長なことは言ってられない。早ければ早い方がいいのだ。今日から取り組んでいきたい所存である。


ここにこうして記すのは迷ったけど、退路を断つ意味でも、年の瀬に読み返した自分がどう思うかも知りたいという意味でも、このnoteをここに残します。


〈自己紹介note〉

https://note.com/itaka2019/n/n731f32f69869

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