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父ちゃんのしばこま

こんにちは!
itakotoチームです。本日は、とある絵本を読んだ感想を伝えたいと思います。タイトルは「父ちゃんのしばこま」。私たちitakotoの活動を知ってくださった方から頂いた1冊の絵本。20歳にして絵本で涙ぐむとは、、、そんな心境です。(笑) この絵本を読んで、久しぶりに人の温もりを感じることができました。私の独り言、そのような感覚で構いませんので是非最後まで読んでみてください!

※以下、絵本の内容を含みます。ご了承ください。

冷たさは優しさの裏返し

とある男性田中さんに拾われた子犬、名前は「こま」。
田中さんは末期のがんを患っており、「人生最後にもう一度犬を飼いたい」、そんな想いからこまを飼い始めます。
当初田中さんは、奥様から子犬を拾ってきたことを猛烈に反対されてしまいます。「勝手に拾ってくるなんて」「その犬には絶対に触らない」
確かに、奥様の気持ちも良くわかります。ペットを飼うには、それなりの覚悟と責任が伴います。面倒を見切れるかどうか不安なことは当たり前です。

しばらくして、こまは生死を彷徨うことになります。
そんな時、こまを飼うことに反対していた奥様が声をあげて泣きながらこまを抱きしめました。奥様がこまに反対していたのは、田中さんが亡くなった後、足の悪い自分にはこまの面倒を見切れないと思ってのことだったそうです。人間って、凄く器用であってどこか不器用な生き物なんですよね。奥様も本当はこまのことが大好きだった。しかし、こまの未来を想い冷たい態度をとってしまった。「冷たさとは優しさの裏返し」、まさにこの通りだと思います。

もし、今誰かからそっけない態度をされていたり、逆にしてしまっている人がいたら是非考えてみて欲しいです。なぜこんな態度をとってしまっているのか?この態度の裏にはどんな想いがあるのか?相手に、そして自分自身に寄り添うことで何か変わってくるかもしれません。

「遺す」意義

田中さんは天気が悪い日も、体調がすぐれない日も、厳しいがん治療をした日も毎日欠かすことなくこまを散歩に連れて行ったそうです。
しかし、こまが3歳になった頃、田中さんは頻繁に家を空けるようになります。それ以降、田中さんは衰弱していき、遂に入院することに。入院した後、田中さんは家に帰ってくることなく、こまに会うことなく亡くなってしまいました。

もし自分がこまだとしたら、立ち直れなくなるほど辛いかと言われると案外そうではないのかもしれません。なぜならば、田中さんが毎日欠かすことなく愛情を注ぎ、片時も離れることなく過ごしてくれたからだと思います。
田中さん自身も、自分に残された時間はもう少ない、だからこそ自分がいなくなった後もこまが悲しまないようにしたいと思い日々愛情を注いできたと思います。田中さんの想いは、亡くなられた後も遺り続ける思います。奥様がこまを毎日散歩し愛情を注いでいることが何よりの証拠であると感じました。

元気なうちに想いを遺す。
当たり前に出来るようで実は難しいことなのかもしれません。
些細な言葉でもなんでもいいと思います。大切な人に寄り添い続けることが、想いを遺す第一歩になるはずです。

itakotoの一員として

今回読ませていただいた、「父ちゃんのしばこま」。
田中さんが日々愛情を注いできたことで、こま、そして奥様は再び前を向くことができたと私は思います。

現在itakotoで集めている「心のこり」。
この心のこりは、最も手軽に想いを遺すことができる唯一無二の存在であると思います。心のこりを書くこと、誰かの心のこりを見ることで自分の中にある心のこりが緩和される、素敵なことだと思います。

itakotoの一員として活動してきて早半年、このタイミングで絵本と出会たことで今一度自分の家族や大切な人について考えてみました。
年齢のせいもあり以前よりも病気をするようになった母、反抗期の妹、一人暮らしを始め離れていった兄、長らく会話もしていない父親。改めて一人一人としっかり向き合わないといけない、田中さんとこまを見てそう思いました。まずは言葉で伝えたいと思います。その後は行動で。自分がいなくなった後に遺された家族には一つの後悔もさせたくない、そう思います。

このような素敵な絵本と出会えたこと、そしてitakotoの一員として日々活動させてもらっていることに改めて感謝したいです。本当にありがとうございます。

皆様も、大切な人には些細なことでもいいので伝えてあげてください!
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました!

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