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J-2 ノリでケニアは、よくないよ。

こんにちは、こたろうです。

前回の更新からだいぶ間が空いてしまいました。
まじめにコツコツは苦手分野ですが、ブログだけは出国までしっかり続けたい...頑張るぞ!

さて、今回は「海外に行こうかな」と考えている学生の方にはぜひ考えて欲しい話。大学によっては夏休みも終盤戦、みなさん帰国後だったりするかもしれないですが、何かのきっかけになればと思います。

ちょっと長くなります。キーワードは、治安です。

理科大「ケニア行くな」

6月某日。ケニア渡航を2ヶ月後に控えた僕に、うちの大学の国際支援課から、一通のメールが届きました。

「いただいた情報をもとに、派遣先情報について調べたのですが、現在ジョモ・ケニヤッタ農工大学付近の危険レベルが2となっております。イアエステ事務局にも確認し、今回の派遣を決めた際は、危険レベルは1だったということですが、現在は危険度レベル2となっており、本学として派遣が懸念される地域です。」

ん〜〜?

「ケニア危ない。面談がしたい。」とのこと。

まあ確かに知ってはいた「危険レベル2」の情報。

いまさらですが、ケニアは北部でエチオピア・南スーダン・ソマリアという「日本でイメージ超悪そう3国」に接しています。

ちなみに外務省安全情報ページで見るとこうなります。(7/29現在)

真っ赤っかです。

特に首都ナイロビにはソマリアの方々が住む「ソマリ人地区」という場所があるのです。そこはもとから危険レベル2なのですが、外国人は用もないのでほぼ近づかないため、そこまで警戒する必要ないだろう、と考えていました
ここで活動している日本のNPOがあるので、興味がある方はそちらもぜひご覧ください。とても勉強になります)

ただし念のため、ということもあり東京にあるケニア大使館に行って話を聞いたところ、「こちらにも外務省の情報以上のことはきていない。渡航中止するレベルではない」との情報が得られたので、「支援課説得したろか〜」くらいの気持ちで面談に臨みました。

面談というから1対1でやるのかな〜、とタカをくくっていたらまさかの3対1。おおっと〜?

どうやら「外務省渡航情報ページにこう書いてる。レベル2は行かせられない」とのこと。

理科大はフィリピン・セブ島での語学留学プログラムを実施してるんですが、今年5月に起きたミンダナオ島でのテロ襲撃事件を踏まえて、今年度のプログラムを中止しているんですね。
ソマリアにも「アルシャバーブ(AS)」というイスラム過激派の組織があるので、先に述べたソマリ人地区もAS潜伏の危険性がある......というのが指摘のポイントでした。

(うーん、それは知ってるんだけど、自分的にも強力なエビデンスがあるわけじゃないから、今ここで何を言っても無駄だろうなぁ。)

「IAESTEインターン先はヨーロッパが多いので、そこはどう?いや、そこにしよう!」と言われ、はぁ...と思いつつ「わかりました、少し考える時間をいただいていいですか?」とその場を切り上げました。

ここから全力の情報収集です。とにかく説得する材料を何が何でも集めなばならぬ!!!

当たってみたのは
・現地受け入れ先大学
・JICA
・在ケニア日本大使館
・前年度研修生

など...

そこで浮かび上がってきた問題は、8/8に行われたケニア大統領選挙でした。**

ケニア大統領選、とは?

人類発祥の地、アフリカ。

北から南まで、人間がひしめいています。言語で区別するのか、はたまた血統で分けるのか、部族と民族の違いは......など、住んでいる人々をどう分けるのか?というのはこの際割愛しますが、人類誕生から今まで、絶えずどこかで争いが起きているのがアフリカです。

そんな中でかつての武力衝突が政治的対立へと変化していったのがケニア大統領選挙でした。

ケニア大統領選は5年ごとに行われます。直近の5年前は平和裏に終わったようですが、その前の10年前の選挙では反体制派による大規模なデモが衝突に変わり、1000人の死者を出しました。

......と、この辺まではウィキペディアにも載ってるんでわざわざ書くまでもないんです。なんなら支援課に言われんでも知っとるわ。

でも最近は平和みたいだし大丈夫でしょ?そんな渡航止めるほどでもなくね?実際どーなのよ?というきもち。

ケニア、ヤバいよヤバいよ!!

というわけで、各方面からご意見をいただきました。

在ケニア日本大使館から。

●現在、大統領選挙に向けて与党と野党によるデモやラリーで治安が悪化しています。(混乱に乗じて周辺で窃盗や暴動が発生しています。)
●8月8日に投票が行われ、開票結果を受けて負けた側が抗議行動(暴動)を起こすとみています。選挙「後」の方が選挙「前」より危険です。そのため、8月末も荒れている可能性が十分に考えられます。

お、おおう......。

JICAからも回答をいただきました。

大統領選挙期間中はどのような対応を取る予定ですか?という質問に対して

大統領選挙の前後三週間は国外からの出張を禁止している他、ケニア国内の移動も原則控えるような措置をとる予定です。ひとまず三週間としていますが、状況によっては措置を延長する可能性があります。

これは......

ガチでアブないやつですね。

事実、こんなニュースも出ていました。
ケニア:大統領再選 野党側抗議、24人死亡 治安部隊と衝突 - 毎日新聞 

とはいえ、一度目の前にちらつかされたアフリカ行き、ここで諦めたくはない...。たくさんのやり取りをレポートにまとめ、支援課に提出することにしました。(おちこぼれ学生なので真面目なレポートなど久しぶりに書きました)

悩みに悩み、最終的に出した結論はこうです。

「JICA対応にならい8/25の出発を9月末まで遅らせる」
「選挙結果が出るまでチケットは取らずに様子を見る」
「最悪の場合は中止する」

理科大の答えはNO。行くなら自費で行ってきなさい、理科大としては止めてるけど自己責任でね、ということでした。

うん、まあそうですよね。危ないもん。


かなり反省しました。

情報収集をなめてはいけない、これは本当に反省したポイントです。

バックパッカーやっている方って「ここ行きたい、行こう!」と衝動的に行動する方が多いと思うのですけれど(僕もわりとそう...)
そのぶん「治安?いけばなんとかなるっしょ!」「地球の歩き方にのってるの飛行機で読めばいっか〜」というノリというか、治安情報について軽くググる程度の下調べで渡航してしまう、みたいなところがあるような気がします。

でもそういうのはフットワークの軽さとはまた別のところにあるもの。せっかくの海外渡航、自分の身があっての良い経験ですから、そこはしっかりと管理するべきです。

特に、現地日本大使館の情報は、最新のもので客観的、かつ彼らは日本人の安全を確保するために動いてくれている日本人なので、他のどんな情報よりも信頼が置けると考えます。

外務省HPの渡航情報は更新頻度が低いので、もし少しでも不安に感じることがあれば、渡航先の日本大使館に一度連絡してみるのは手かもしれません。

ちなみに旅レジはすごいです。大使館からの情報が毎日届くので、絶対登録したほうがいい!


ただし、僕が今回問い合わせた中でも、JICAのように「渡航情報の提供を通常業務としていない」機関があります。僕の場合は急を要していたので問い合わせてしまいましたが、あくまで参考程度にしていただければ。


実は理科大ってIAESTE研修は渡航費補助があったんですよね。けれども当然それもなく...
理科大からの補助を若干あてにしていたので、わたくし、カツカツであります!困っております!

日本食、ぜひおごってください!



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