フィードバックとアドバイスの違い

ぼくが育った演劇界には〝ダメ出し〟というものが存在する。

ただこのダメ出し、今となっては一般社会にも広く認知されていると認知しているのだけどどうだろう?

たぶんお笑いの一般化とともに、ダメ出しという言葉も一般化されたのではと推察する。

で、そのダメ出し。

舞台で最終的に創りたい世界観・空気感(ゴール)があり、そこへ一歩でも近づくための行いだ。

中身をざっくりと2つに分けると、フィードバックとアドバイスだとぼくは捉えている。

フィードバックは相手の鏡になること、アドバイスは文字通り助言だ。

両者の違いは、主体のウエイトバランスの違いだと思う。

フィードバックの方は、相手がフィードバックを活かし(鏡に写った自分を見て)主体的にゴールへと近づいていくウエイトが高い。

アドバイスの方は、相手がそもそもゴール認識が甘かったり、自身の心身を上手く操作できないので誘導するウエイトが高い。

この2つを明確に区別した上で周囲を観察していると、ほとんどの場合、アドバイスは相手の抵抗を生むことが簡単にわかる。

別に会社の上司部下でなくても、親と子の関係性でもまったく一緒だ。

人は誰しも、まずやらせてみて欲しい、達成したい、自分はできると感じたいものだからだ。但しここで勘が悪く時間のかかるやつにイラッとくるのも人間の性。

フィードバックとアドバイス、誰もが明確に区別できるようになったら、この社会がさらに良くなると思うのだけどもどうだろう。

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